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今回紹介いたしますのはこちら。

「6番目の殺人」 川本貴裕先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。

川本先生は90年代後半から活躍されている漫画家さんで、代表作は足掛け9年にわたって発表された「素人AV女優」シリーズ。
そのタイトルからも察せられますように、先生が得意とするのはエロス要素の強い作品なのですが、本作は全がらりと経路を変えたホラー作品。
その内容はと言いますと……?


千佳と紗南の幼馴染の親友コンビは、新たな同居生活を始めようとその部屋に引っ越してきました。
その部屋は、家賃の割には広くて小奇麗だったのですが……それもそのはず、実はそこ、いわゆる事故物件那のです。
とはいえ、その件に関して二人は承知済み。
不動産屋さんによれば、大した事故ではなかったとのことで、二人はそれほど気にしないまま引っ越しの準備を進めていました。
ですがそんな新生活を始めようとしたその矢先に、いきなり暗雲が立ち込め始めます。
流しを掃除していたところ、妙に水の流れが悪いことに気が付いた千佳。
つまっているのかと排水溝のアミを確かめたところ……そこには大量の髪の毛がつまっていたのです!!

怖い怖くないというよりも不快ですし、その事を尋ねついでに、引っ越しのあいさつもしようと大家さんを尋ねることにした二人。
挨拶と自己紹介を終わらせた後、髪の毛の件を訴える千佳。
すると、掃除は業者に頼んだのだが、チェックが甘かったようだ、気を付けるから何かあったら遠慮なく言ってくれ、と大家さんは穏やかに受け答えをしてくれました。
やさしい大家さんでよかったと胸をなでおろす二人は、そのままほかの部屋の住人にあいさつをしていくことにしました。
101号室はまだ若いお母さんと小さな少年の二人暮らしで、よろしくねとにこやかに答えてくれます。
202号室の住人は、長い髪で顔を隠すようなヘアスタイルの、陰気な印象の男で、まともな受け答えもせず扉を閉めてしまいました。
301号室の住人は、さわやかな青年と言った男性で、なんでも近くの交番勤務のお巡りさんなのだとか。
そんな千差万別の住人たちに無事あいさつを済ませたところで日は暮れ、そろそろ夕飯にしようと言うことになった二人。
ですが引っ越しで疲れていますし、近くのお店までは結構歩くということもあり、カップラーメンで済ませることにします。
ではお湯を沸かそうと千佳は台所に立ったのですが、そこで
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背後に何かが、いたような感覚が……?
ここは2階ですし、その窓の外は侵入した降り立つベランダすらありません。
気のせいだろうとその場は済ませるのですが……

夜になり、二人は片付けもそこそこに布団を並べて敷き、仲良く並んで床につきます。
すると紗南が、引っ越しなんて一人じゃ絶対無理だった、ありがとうね、と千佳にお礼を告げてくるのです。
千佳は、明日は早いんだからもう寝なさいと照れ隠しの言葉でその気持ちを隠そうとするものの、親友の紗南はそんな千佳の気持ちもまるわかり。
照れてる照れてる、とからかい……千佳はそんなことないから寝なさい!と顔を真っ赤にしてさらに照れ隠し。
そんなやり取りが一段落しますと、ようやく二人は静かに眠り始めるのですが……
静かになると、千佳はどうしても先ほどの気配が気になってしまいます。
不動産屋さんに聞いてみよう、と打とうとしながら決心するのですが……
千佳は気付かなかったのです。押し入れの扉がわずかに開き……
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「何か」がじっと二人を見つめているのを……!!

翌日。
何も知らないまま、朝早くでかけていく二人。
外で掃除していた大家さんに、にこやかにあいさつをして二人は立ち去っていくのですが……
そんな二人の後ろ姿を見ながら、大家さんはつぶやくのです。
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あの部屋で大丈夫なのかねえ、と……!!



というわけで、「何か」がいる部屋に引っ越してしまった二人の体験する恐怖を描いていく本作。
この後も、次々と二人の周りには奇怪な出来事が巻き起こっていくことになるのです。
こう言ったホラーものにはいくつかパターンがありまして、過去に何かの事件があって、本当に幽霊がいてそれが悪意を持って襲い掛かってくるタイプのものや、実はこのマンションに住む誰かが犯人で、実際は人間がいろいろやっていたタイプのものなどがスタンダードと言えますでしょう!
本作は一体そのうちのどのタイプなのか?と、ホラー好きの方ならば考えながら読んでしまうところでしょうが、本作はそのタイプのどれかに当てはめることが難しいハイブリッドなタイプだったりするのです!!
果たしてこの部屋にいた先住民のはいったい何者で、何を目的としているのか?
怪しい人物や、頼れそうな人物、普通そうな人から優しそうな人と様々いるお隣さんたちは、誰かが敵であったり、味方になってくれる人物がいたりするのでしょうか?
大家さんのあの言葉に秘められた意味は?
不動産屋さんは大したことがないと言っていた「事故」、それは本当に大したことのない事件なのでしょうか……?
徐々に明かされていく謎、そして深まっていく恐怖。
じわじわと迫り、そして一気に動き出す恐怖とその真実、最後に待っているザ・ホラーとでもいうような結末まで楽しめる、本作はそんな綺麗に一冊にまとまった作品となっているのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!