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今回紹介いたしますのはこちら。

「ファイアパンチ」第5巻 藤本タツキ先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、氷の魔女を名乗る女・スーリャが現れ、ユダを攫って行った前巻。
スーリャは倒さなければいけない、と決意するアグニですが、その時バットマンがトガタは女の体に覆われた男だ、と暴露。
トガタはその事実を暴露された瞬間その場から立ち去ってしまいます。
アグニは慌ててそれを追いかけたのですが……



不器用ながら、言葉を尽くして語りかけた結果、トガタはアグニとともに行動を続けてくれることとなりました。
その条件の一つとしてアグニが提示したのは、「もっと面白いものを見せる」というもの。
まずそのもっと面白いものとしてアグニが考えたのは、まだ生きているということがわかったドマへの復讐を完結させる、というものでした。
生き残りの兵士からドマの居場所を聞き出し、そこへ向かって歩いていくアグニとトガタ。
その道中で、トガタはこう言います。
私はカメラ持ってるから何もしない。
喋らないし、いないと思っていいから。
ドマに会ったらキミの自由にしな。
いうだけ言って、先に歩いていってしまうトガタ。
アグニは理解が追いつかず、慌てて彼女を呼び止めようとするのですが……
その言葉よりも先、その場に届いたのは……銃弾だったのです!!
ここから先に近づくな、ファイアパンチ!!
そう叫んで銃を売ってきたのは、まだ年若い男。
ファイアパンチと言うのは……おそらくアグニのことでしょう。
ダッセェ名前つけられたな、と茶化すトガタに、自分の後ろに回れと声をかけるアグニ。
そんなアグニに、男は銃弾をしばらく浴びせますが、効果がないと見るや、アグニを悪魔と罵って退散。
撃たれるがまま見つめていたアグニに、トガタはファイパンしないのかと尋ねるのですが、アグニは答えず先へ進むのです。
アグニの口から出てくるのは、サンやネネトがお腹を空かせていないか、と言う心配事ばかり。
トガタは、そんなことより復讐を映画のためにも面白くしてくれ、期待してるから、と笑顔で物騒なことを言ってくるのでした。

やがてたどり着いた集落。
そこで、いきなり出迎えたのがドマでした。
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いつかは来ると思っていた。
そう言うドマに、アグニはと言うと、話をしに来たと言います。
ドマはそれを聞くと、魚を釣りに行くからついて来い、と答えるのでした。

やがて、凍り付いた池の上でドマは小魚をつり始め、そして話をしに来たのなら話せ、とアグニに告げてきます。
そんなことを言われても、急にそれらしい言葉など出てくるはずもなく。
何で魚を釣っているんだというどうでもいい質問をするばかりで、ドマは子供が17人いるから彼らにやるためだ、と答え……逆に話し始めます。
お前は俺を殺しに来ると思っていた、その時は泣いて許しを請おうと思っていた、子供たちの命を救うために。
だがお前は話をしに来た、話をして許されるならいくらでも話してやる、と。
アグニはその言葉を聞き、許すわけがないだろうと、どれだけ忘れようとしても炎を見るたびに、痛みで脳みそにドマを殺せと呼びかけられるんだ、と絞り出します。
が、アグニも殺せば終わるとは思っていません。
殺せなくても何か、前に進むために結果が欲しい。
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殺すか殺さないか、話をして決める。
そう言うのです。
ドマが行きたいという理由は、身請けをしている17人の子供を活かすため。
それならば、自分が養えばドマは死んでいいはずだ。
アグニはそう言うものの、ドマはこう答えます。
人肉を食わせる気か。
人肉で食いつないでいる者は、お前が死んだらどうなる。
簡単には死なない、お前が死ねば人肉を空文化だけが残る。
そうなれば、他の村を襲うか、仲間内で共食いをするだろう。
そうなればそれはもう人ではない。
それにお前は、ベヘムドルグを破壊した後、いくらなんでも殺し過ぎてしまった、罪のない人も一緒に殺してしまったと後悔しなかったか?
お前の教養無き正義がベヘムドルグを滅ぼしたのだ。

……ドマの言葉は、反論する余地がありませんでした。
悩むアグニ、一方のトガタはとある事実を聞いてドマに怒りを漲らせていますが……
そんな時、ドマの周りに子供たちが集まり、彼をかばい始めたのです。
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先生をいじめるな。
ドマを慕い、彼の言う「正しい教養」を身に着けた子供たちは、必死にドマを守ろうとしています。
頼む、許してくれ。
そう言うことしかできないドマ……
アグニは彼の心からの言葉と、子供たちの声をきき……復讐を終える決意を、したのです……

俺にはドマは殺せない、ドマを殺しても俺は満足しない。
アグニは、そう痛感して立ち去ります。
トガタもしぶしぶそれを受け入れ……アグニの復讐は、終わるのです。
……いや、終わった、はずでした。



というわけで、ドマへの復讐を終わらせた今巻。
自分のしていたことが完全に正しいことではないということはわかっていたアグニでしたが、こうしてドマに面と向かって言われたことで、そのことを確信させられてしまったのでしょう。
ドマを慕う子供たちの姿も、それを後押ししています。
アグニはこうして、ドマを殺すことをやめました。
そして、これで先へ進むことができるようになる……そう、誰しもが思ったのです。
ですが、彼の中で炎とともにくすぶっていた怒りは本当にそれで消えるのでしょうか?
まさかとしか言いようのない、驚愕の展開がこの後待ち受けているのです……!!

そしてその驚愕の展開の後、絶望する暇すらなくさらなる急展開が襲い掛かってきます。
復讐を終えたアグニの前に、立ちはだかる更なる驚愕の出来事とは?
その淵に立たされたアグニは、どうするのか……
次々に巻き起こるどんでん返しに、我々ができることはもはや見守ることだけ!!
もしかすると最終巻になってしまうかもしれない急展開を迎える次巻が、今から待ち遠しいものです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!