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今回紹介いたしますのはこちら。

「はなまる魔法教室」第1巻 井上知之先生 

小学館さんの裏少年サンデーコミックスより刊行です。


井上先生は11年にヤングジャンプの漫画賞で準入選してデビューした漫画家さんです。
その後読み切りや企画ものの漫画などを発表するもののなかなか連載ができずにいたのですが、16年に裏サンデーにて本作を連載開始!!
この度無事単行本刊行となりました!

そんな井上先生の初連載作となる本作、小学校を舞台にした日常もの。
ですがそのタイトルにもある通り、「魔法」が大きなカギとなる内容になっていまして?



昨日の夜、魔女を見たんだ。
若草八起は、朝一番でこんなことを言ってきました。
そんなにわかには信じられない言葉を聞いた、幼馴染の野桜幸子は……何を言ってるのやら、と言う感じでその言葉を受け流しました。
なにせ八起、以前も木の枝を首長竜と見間違えたり、鉄塔をだいだらぼっちだと錯覚したり……前科があるのですから。
幸子は、八起が登校バッグに入れている魔法に関しての本を指さし、そんな子供じみた本ばかり読んでいるからそんな勘違いをするんだ、もう6年生なんだから卒業しなさいよ、と辛辣な言葉を投げかけるのでした。

今日から6年生になる八起ですが、頭の中は不安でいっぱいでした。
新学期ということでクラス替えがあるのですが、そのクラス替えで仲のいい友達が別のクラスになってしまったのです。
先ほどの幸子は同じクラスですが、仲がいいかと言われると少し疑問符が付いてしまいます。
このクラス替えの掲示板を見に来るときも、一緒にいると茶化されるからと別行動をされてしまったくらいですから。
せめて担任の先生はいい先生だといいな、とうなだれながら、全校朝礼へと向かうのでした。

八起は6年2組です。
1組は人気者の内村先生が担任とのことで、早速暗雲が立ち込めたかと思われたのですが……
2組の担任を発表する段取りになりますと、急に校長先生が変なテンションになって、2組はあんな素晴らしい先生に見てもらえるなんてラッキー、一年間楽しいこと間違いなし、とはしゃぎだしました。
皆が何だか校長先生が変だとささやき始めた頃、ようやくその先生が壇上に現れます。
黒いウェーブのかかったロングヘアのその先生は、十色魔彩と名乗り、そして奇妙な自己紹介を始めました。
実は私、こう言う普通の学校で先生するのは初めてなのよ。
前野学校は子供の数が2,3人しかいなくてね。
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私はそこで魔法を教えてたのよ。
そんな不可思議な自己紹介を聞いて、生徒たちがきょとんとしていたところ、すっトンjキョウな大声を上げた生徒がいました。
それは、八起です。
八起は、あの人、あの人が今朝話した魔女だよ!!
どうやら昨晩八起が見たのは、放棄に乗って空を飛ぶ魔彩先生だった、と言うことのよう。
幸子はつんとしてその言葉を無視し続けるのですが……
魔彩先生は、こう続けます。
信じようが信じまいがどっちでもいいわ。
そんなわけで、普通の学校で先生をするの初めてなんでワクワクしてるのよ。

みんなよろしくね。
そう言って笑う魔彩先生の笑顔は、どこか妖しい雰囲気を秘めていて……?

クラスでは、あんなの嘘に決まっている、気を引くためのもので、この後手品でもやって見せるんじゃないか、などと言った彼女の噂でいっぱいでした。
が、いつの間にか教壇に立っていた魔彩先生は、早速魔法を見せてくれることになりました。
俺を大金持ちにしてみてよ、という千葉という生徒の言葉を聞いて、そういうのは無理だけど、こう言うのならできる、と……右手に半分透けた蛇のようなものを出現させました。
そしてその蛇が目を光らせますと、なんと千葉が一瞬にして蛙になってしまうのです!!
あまりの出来事にパニックになる教室ですが、今度は魔彩先生、カラスを出現させてホウキのように変化させ、その上に載って教室を飛び回ったではありませんか!!
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その飛び回った軌跡には黒い幕のようなものが現れ、教室を閉鎖。
この幕は空間を閉鎖する力と、外から見るとこの教室内が普通に授業をしているように見える能力があるとのことで……なんと先生、皆を閉じ込めてしまったのです!!
さらに、出血を取りながら植物の鶴のようなものを伸ばして生徒たちを捕獲!
生徒たちを強引に席につかせ、ホームルームを始めてしまったのでした!!

魔彩先生は千葉をもとに戻した後、彼女の本当の目的を明かしました。
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あんたたちに魔法を教えるためよ。
……何でも彼女、少子化による後継者不足にあえぐ魔法使い社会を救うために、普通の世界の人からも魔法使いを募ろうという計画でやってきたのだとか。
彼女の魔法での占いによれば、このクラスに日本一の魔法の才能を持つものがいるとのことで……その生徒を探すというのが目的なのだそうです。
が、実際彼女がここにやって来た一番の動機は、学校の先生をやってみたかった、というものなんだそうです!
そんなことを一通り説明しますと、魔彩先生はみんなに見慣れない教科書を配り始めました。
それは、魔法の教科書。
その教科書に名前を書くと、魔法を使えるようになる、のだとか。
もちろん魔法使いになれなんて言われてもいまだに納得できない人は多いですし、怪しむものも多いわけで。
一応強制ではないとのことで、記名はそれぞれの意思に任されます。
どうしようかとなやむもの、こんな気持ち悪いのに誰が書くかと叩きつけるもの、様々な反応をするものがいるなかで……
八起はひとり、笑顔でその決めイランに名前を記すのでした!!



というわけで、魔彩先生が教える魔法の授業を描いていく本作。
この魔彩先生と、八起を中心にして物語は進んでいくわけですが、もちろんお話はそれだけでは進みません!!
魔法を全肯定する八起ですが、彼らのクラスは6年生と言う難しい時期。
御伽噺の世界のような「魔法」を子供っぽくてかっこ悪いと思い始める時期でもあるわけで、そのあたりから反発するものも少なくありません。
しかも最初から魔法にのめり込んでいる八起が、以前のクラスではいじめられる、と言うほどではないものの、何をやっても満足にできない厄介者として扱われている人物であるというのも悪い方に作用してしまうのです。
そんなダメなやつと言うレッテルを張られてしまっている八起は、この魔彩先生と魔法との出会いによって変わることができるのでしょうか?
そのあたりを最大の焦点にしながら、物語は進んでいくのですが……
この第1巻中盤にして、早くも驚きの展開も用意されていたりします!!
魔法を用いたハートフルなストーリー、と言うだけではない、起伏あるストーリーラインも魅力なわけです!!

魔法を教えるために来たという魔彩先生ですが、ちゃんとそれだけではなく、生徒一人一人のことを見てしっかりと普通の勉強と、学校で学ぶべきものも教えてくれるのもいい所。
彼女が与えてくれるはなまるは、魔法の出来や、テストの点と言ったものの評価だけではないのです。
この後も魔彩先生はどんな授業と魔法を見せてくれるのか?
そして、日本一の魔法の才能があるのは誰なのか?
これから先の展開も楽しみですね!!
ちなみに自分は日本一の才能の持ち主は幸子じゃないかと予想しときます!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!