ut
今回紹介いたしますのはこちら。

「うらたろう」第4巻 中山敦支先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、金熊童子によって体内に妖怪の王を埋め込まれてしまったちよ。
一旦は絶望してしまったちよですが、温羅太郎によって復活を遂げ……そして、念願である不死と可死を手に入れるため、黄泉平坂へと向かうのです!!



金熊童子を捕えた一同は、妖怪の王とは何なのかを問い詰めます。
すると金熊童子の口から出てきたのは、驚くほかない衝撃の事実でした。
妖怪の王は、ちよが絶望すると育つこと。
そして育ち切ると生まれ落ち……ちよは、死ぬ。
それが契約だ、と。
その事実を聞いた温羅太郎は激怒して金熊童子を殺そうとするのですが、それを知ってなおちよは金熊童子を許すというのです。
そんなちよの優しさに心を打たれたのか、金熊童子はたった一つある助かる方法を教えてくれました。
それは、黄泉平坂にあるという大神実(オオカムヅミ)と呼ばれる聖なる腿を食べること。
使者の国である黄泉平坂になるその腿を食べれば、「命が裏返る」のだと言います。
不死のものは可死に。
薄命のものは長命に、と!!
そうしてちよが長命になれば、余命短いちよの命を差し出すという契約内容に矛盾が生じてしまいます。
そうなれば契約は白紙に!
契約が白紙になればその瞬間、ちよに宿った妖怪の王は存在しなくなるというのです!!

目標は黄泉平坂ただ一つ。
一気に進みたいところですが、当然鬼たちもそれを阻止しようと考えるのが当然!!
ちよの延命を阻止するために、鬼の軍勢が何層もの陣を敷いています!!
そのものすごい数に、流石の温羅太郎たちも戸惑いを隠せませんが……金熊童子は別のところに気が行っているようです。
その軍勢の中に、両親や兄たちの姿が見えない……
なにより、自分よりも先にこの地に来ているはずの長兄、熊童子の姿が見えないというのが、妙でならないのです。
そんな状態ではありますが、とにかく温羅太郎たちにできることはこの鬼たちを蹴散らして先に進むことだけ。
戦闘モードに入ろうとする温羅太郎ですが、そこで安徳がこんなことを言いだしたのです。
お前らは先に行け、さっさと不死になって来い。
それでやっとわらわのライバルにふさわしい。
そして安徳は教経に道を開けよと指示。
その指示が良い終わるか否やと言うタイミングで教経は動き、あっという間に立ち塞がっていた鬼の軍勢たちを退けてしまったのでした!!

二人は黄泉平坂の頂上まであとわずかと言うところまでたどり着きました。
空は濁った蜘蛛が渦巻き、その間を縫うように月が禍々しく照らしていたのですが……
ちよは、その空を綺麗だと言いました。
二人が会った山も、こんなお月様でしたね。
ちよが瞳を潤ませていますと……温羅太郎は急に、こんなことを言いだします。
ut1
オレも、お前が好きだ、ちよ。
お前と出会って、旅をしてきて、こんな気持ちが芽生えて。
そして、思いだした。
ずっと昔オレにも、愛する人がいたことを。
……温羅太郎は、かつては数多く円のある人物がいたことを思い出しました。
しかし彼は不死身の身、愛するものが現れればそのたびに失う悲しみに苛まれ……
やがて彼の心は死んでしまった、と言うのです。
ですがそんな心を、ちよがよみがえらせたのです。
ut2
俺の嫁になってくれ、ちよ。
あの桃を食べてお前も俺もまっとうな寿命の人間になれば、その時はもう一度死ぬ気で愛せるから。
そう言って、温羅太郎はちよを抱き寄せ、唇と唇を合わせ……
その時です。
今宵は何とめでたき日か!!と絶叫する声が響き渡ったのは!!
その声の主は、いつの間にか体も元通りになっていたじい!
この世とあの世のまじりあう黄泉平坂なら、肉体が一時的に戻ることもある、とのことで……
復活したじいは、どこからともなく、お二人の門出にプレゼントじゃ、と大きなつづらを出してきました。
桃を食べる前に是非にと差し出されたそのつづら、早速開いてみますとそこに入っていたのは
ut3
ちよの、愛しき母の生首だったのです……!!



というわけで、絶頂からどん底に叩き落とされてしまった今巻。
桃を食べるという全てを終わらせるゴールを目前にして、突然現れたじい。
そのじいが持っていた、母の生首を見せられたちよ……
彼女の心の支えの一つであった、母がすでにこの世にはいないことを、最も残酷な形で見せられてしまったちよが、絶望せずにいられるわけがありません!
絶望すれば生まれるという妖怪の王は、ゴールを目前にして誕生してしまうのでしょうか!?
突然こんな行動をとったじいの目的は一体!?
そして、温羅太郎は……!!
とんでもない出来事が連続し、驚愕の真実が暴かれ、そして怒涛の急展開を迎える本作、この第4巻で息を持つかせぬ展開のまま第1幕が完結!!
次巻からは更なる怒涛の展開が待つ第2幕が開始とのことで……
ますます目が離せないも音になっていきそうです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!