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今回紹介いたしますのはこちら。

「約束のネバーランド」第4巻 原作・白井カイウ先生 作画・出水ぽすか先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。



さて、ドンとギルダに真実を打ち明け、着々と脱走の準備を進めていたエマたち。
ですがその目論見のほとんどは、イザベラによって見破られてしまっていました。
イザベラはクローネを排除し、さらにノーマンの出荷を強行!
その上無理な脱出をさせないため、エマの足をへし折ったのでした!!



目の前で起きた予想外の出来事に、硬直する一同。
その中で一人、余裕の笑みを湛えているイザベラは、こともなげにこう言うのです。
上手く折ったから、傷一つ残さず元通りになるわ。
全治1~2か月ってところかしら。
あなたの誕生日に間に合えばいいわね、レイ。
……激しい憤りを感じるレイですが、足を折られたエマがイザベラに抱きかかえられている今の状況ではどうすることもできません。
家に帰りましょう、と歩きだす彼女の後をついていくほか、何もできないのでした。

脱出のためのロープは奪われてしまい、ノーマンの出荷が決定、さらにエマも足を折られて逃走が不可能に。
あとは下見だけして即脱出と言う、ゴールまであと一歩のはずだったつい先ほどまでとは打って変わった窮地に追い込まれてしまいました。
ドンは明らかに意気消沈し、頭を抱えるのですが……もちろんレイがここであきらめるはずもありません。
脱獄はどうにかなるし、どうにかする!
ここで計画の修正が必要になったとしても、レイが今まで我慢に我慢を積み重ねて築き上げてきた脱出への道が折れ曲がることはありません。
ですが、今のレイの頭の中はそんなことより、ノーマンのことでいっぱいなのです。
クローネを排除し、レイとの関係を打ち切り、エマの足を折る。
全ては、ノーマンを出荷するためにしたこと。
本来最も好成績のノーマンこそ、満期で出荷したいはずだというのに……
イザベラは、「事情が変わった」と言っていました。
それはノーマンの出荷が前倒しになったことを意味するのでしょう。
なぜそうなったのかを知る術は、レイたちにはありません。
だから、レイが今しなければいけないことは一つしかないのです。
ノーマンを死なせない事。
ノーマンを……逃がす!!

そのノーマンは、ベッドに寝かされているエマの枕元に座っていました。
足を折られ、満足に動くことすらできない痛みが走っているはずのエマですが、不思議とその時は痛みを感じてはいませんでした。
今、目の前に座って暖かな視線を注いでくれているノーマン。
そのノーマンが明日の夜には死んでしまう。
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今生きているのに、目の前で息をして、手だってこんなあったかいのに……!
その絶望で痛みすら感じられないエマに、ノーマンは優しく語りかけました。
僕らの真の計画はまだばれていない、エマの足も治る。
計画は成功する。
ノーマンの絵馬を元気づけるための言葉も、今の彼女には届きません。
今はそんなことどうでもいい!
寝てなんていられない、考えろ、何とかしてノーマンを殺させない方法を!!
ノーマンは、水を取ってくると言ってその場を離れます。
エマの絶望と苦悩に満ちた表情は、ノーマンに彼女の心境を痛いほど伝えていました。
彼はこう考えます。
情けないな僕は、エマにあんな顔させて。
本当に情けない。
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こんなにも生きたいなんて……!
そう、ノーマンだって死ぬのが怖くないはずがないのです。
皆を死なせないために、自分が犠牲になる。
しっかりと彼はそう決意したのですが……みんなのためと思えば思うほど、彼の中にはそのみんなとの暖かな思い出がよみがえってきます。
みんなと一緒に、エマと一緒に生きたい……!
悲痛な思いが、ノーマンの胸をかき乱すのです。

逃がす、殺させない、生きたい。
三人の気持ちは完全に一つになっています。
ですがそれでも、ノーマンは逃げるという道は選択しないでしょう。
仮に逃げ出せば、同じく最高成績のエマがレイが代わりに出荷されてしまうかもしれませんし、脱出が成功すればそのことによって警備は一層強固になり、2度目の脱出が困難になってしまうのも想像に難くありません。
ノーマンは明日までに逃げられなければ死にます。
全員が生き延びるには、全員で一度に逃げなければなりません。
ですがエマの骨折があるため全員で逃げることは不可能。
ノーマンが選ぶべき最善の道は、逃げずに殺されること……
あそこでエマの足を折ったのは、確かにいい手だった。
でもそれで僕らはあきらめないし、すでに筋書き通りには進んでいない。
僕がその筋書き、叩き壊してやる!!
全身から決意の炎を立ち上らせ、ノーマンは歩きます。
最期までこの命を利用し尽くして、脱獄を必ず成功させてやる!!
その決意をおくびにも出さず、エマに水を持っていくノーマン。
するとそこには……エマとともに、レイもいるではありませんか。
そしてレイはノーマンに語りかけるのです。
俺達はお前を死なせねぇ。
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明日昼、お前一人で逃げろ。



というわけで、佳境に入ったGFハウス脱獄編。
あとは詰めていくだけだったはずの脱出が一気に後退したかに見えたこの脱出劇ですが、このノーマンの出荷決定から大きくその形を変えていくことになっていきます。
この絶望とも思える出来事が、エマたち全員の脱出計画を後退させるのか、それとも……?
どちらにせよ、タイムリミットは間近に迫っています。
あと1日と言うわずkな時間でノーマンを助けることができるのでしょうか。
できたとしても、間近にはレイの誕生日と言うタイムリミットもあるわけで……
イザベラの目をかいくぐり、全員脱出と言う非常に難しいミッションを達成できるのかどうかは、このノーマンの出荷に関しての問題が鍵を握っていると言っても過言ではないはず。
イザベラの目的通り心をくじかれてしまうか、逆にプラスにできるか。
文字通り、ノーマンの命をかけた脱出最終局面が幕を開けるのです!!

緊迫感ある展開が続き、そして事態が一気に動く今巻、その物語にますます目が離せなくなってきます。
エマたちの動向だけでなく、クローネが残したものや、年少組をどうするか、イザベラの本当の気持ちはなどなど気になるところも無数に用意されております!!
そして本作のもう一つの見どころ、豊富なおまけもばっちり用意!!
今後の謎のカギになりそうなものから、幕間の描き切れなかったエピソードなど、隅々まで楽しめること間違いなしですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!