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今回紹介いたしますのはこちら。

「双亡亭壊すべし」第5巻 藤田和日郎先生 

小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行です。


さて、双亡亭と、青一達の謎が徐々に明かされていった前巻。
双亡亭に巣食うものが何なのか、青一はなぜ突然飛行機に乗って現れたのか?
そんな謎が明かされたものの、まだまだ双亡亭には恐ろしい闇が秘められているようで……



青一や録朗たちが双亡亭に乗り込もうとしていたその時。
務は正面突入部隊の宿木、刀で妖を祓う巫女である紅、心霊を科学で研究するアウグスト博士、超能力者のフロルと言うメンバーで双亡亭の探索を行っていました。
そこで、一同は突然巻き起こった爆発を目撃します。
突入した誰かが、双亡亭を内部から破壊しようと試みたのだろう、と分析する宿木、やはり内部からの破壊は効果があるんだと手ごたえを冠したようです。
が、務はその爆発が爆弾のものではないことに気が付きます。
爆弾の爆発とは色が違う、あれは味方だよ!
そう言って、務は爆発のほうに向かってかけだすのです!!
務はその炎の色に見覚えがありました。
その記憶をたどりながら爆発の現場にやってくると、そこにいたのは……
火を出す人形を持つ老婆とその夫、ジョセフィーンとバレットのマーグ夫妻です。
そして夫妻は、双亡亭の闇に取り込まれた朽目と交戦しています!
炎を吐く人形、パイロメアリーによる火炎放射による攻撃はすさまじい破壊力を持っておりますが、ジョセフィーンは車いすに乗った老女、身体能力は低いと言わざるを得ません。
双亡亭に呑み込まれた朽目の攻撃をしのぐことなどできませんが、そこはジョセフィーンの車いすを押すバレットがカバーします!
バレットはその役割上なのか、「妻はたくましい男が好みでね」と言う軽口が本当なのか、かなり鍛え込まれた体をしておりまして。
朽目の攻撃をそのフィジカルで何とか受け流すのですが、パワーアップした朽目の俊敏な動きをとらえきることはできず、攻撃は空ぶるばかり。
朽目の術の鋭さもあり、避けきるのにも限界があるというもの。
やがてバレットはダメージを負ってしまい、朽目はここ外ばかりにとどめを刺しに来たのです!!
そこで
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務が乱入!!
何の超能力も持たない務ですが、そのタックルはマーグ夫妻を助けるには十分。
トドメを妨害された朽目は怒りのままに務を打ち付け、そして渡り廊下の壁をぶち抜いて外へと放り投げてしまいました!!
そこで生まれたわずかなすきを、ジョセフィーンは見逃しません!!
パイロメアリーが炎を噴き、そこに駆け付けた紅が朽目の足に小刀を突き刺して回避を妨害!!
術を使おうとしたところをアウグスト博士が攻撃して無防備にして……そこに、パイロメアリーの炎が襲い掛かったのです!!

どうやらこれで朽目を撃破することはできたようです。
が、放り投げられた務はと言いますと……
放り投げられた先は坂になっていて、転がり落ちていき……
そして、坂の下にあった棟の天井を突き破って、床にたたきつけられてしまいました。
そこには、鬼離田三姉妹が勢ぞろいしていました。
が……どうやら、中の良いはずの三姉妹は仲間割れを起こしている様子。
長女である菊代だけが双亡亭の柄の中に呑み込まれ、その手先として生まれ変わってしまったようなのです。
三姉妹は、三人の「目」を一人に集め、相手の弱点などを瞬時に見破る能力を持っています。
その目を菊代に集めた状態で取り込まれてしまったようで、その見破る力は菊代が持ったままになってしまっているのです。
幸い彼女たちは目以外で視界を確保する「心眼」の持ち主で、次女の雪代と三女の琴代は視界に関して不便はありません。
が、その能力がもう使えないうえ、菊代は双亡亭の力で大勢の亡者を引き連れていて、不利は否めません。
それでも雪代と琴代は、もう一つ持っている能力で戦います。
鬼神を呼び出すその力で、二人は「お糸様」を召喚!!
その糸を繰る力で次々に亡者を縫い付けて始末していくのですが、いつもは三人で召喚しているその償還術、二人ではその力が発揮しきれず、半身しか呼び出せていないのです。
一方の菊代は、大勢の亡者たちを依代として、完全体の鬼神、「お鋏童子」「玄翁童子」の2体を召喚!
瞬く間にお糸様を始末してしまうのです!!
そして大勢の亡者たちに雪代と琴代を捕まえさせ、あの忌まわしき「絵」の前へと連れていき……
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二人を、絵の中に叩き込みました!
それを見届けると、菊代は満足し、悲鳴を上げるものがいなくなってはつまらない、と務をそのまま残して立ち去っていきます。
役立たずだから見逃してくれたのか、安堵する務ではありますが……
務は、自らその絵の中に入り込む決意をするのです。
そう、以前の紅を救った時のように、彼女たちを救い出すために!!
なぜか落ち着き払った様子の務は、絵から伸びてくる引き摺り込む手に抵抗すらせずたら得られ、引き摺り込まれていきます。
ですがそこで、駆けつけてきた紅も飛び込んできたではありませんか!!
紅は務に助けられた恩をここで返すつもりなのかもしれません。
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二人は……再び双亡亭の闇のつまった、絵の中へと飛び込んでいくのです!!




というわけで、新たな展開を迎える本作。
いよいよ青一たちも双亡亭に乗り込み、そして務は闇に飲まれていく能力者亞を救っていく、という反撃ののろしが上がり始めるのです!
双亡亭の謎もわずかながら明かされ、いよいよ攻勢に出る……
そう言いたいところですが、なかなかそううまい事は行かないもの。
いざ双亡亭の前に立つと、青一には何やらとんでもない予感を感じてしまうようで。
どうも双亡亭の中に巣食うのは、青一の知る「敵」だけではないらしいのです!
そのカギを握るのはおそらく、務が絵の中で出会った謎の絵かきでしょう。
そしてその絵描きの背後にも、怪しい存在が蠢いていて……!?

青一にはある約束をした仲間がいるようで、その人物との再会という目的もできました。
一人でも仲間を増やし、双亡亭に立ち向かいたいところですが……?
さらに激しい戦いが巻き起こり、一層黒い闇が蠢きだす今巻。
巻末のあとがきによれば、第6巻は前半のクライマックスになるとのこと!!
依然目の離せない展開が連続する本作、これから先の展開も目が離せないものになることは間違いないでしょう!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!