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今回紹介いたしますのはこちら。

「惑星クローゼット」第1巻 つばな先生 

幻冬舎さんのバーズコミックスより刊行です。


つばな先生は07年にコミックリュウの漫画賞を受賞してデビューした漫画家さんです。
デビュー後は様々な雑誌で連載や読み切りを次々と発表し、活躍されております
代表作は08年から16年にかけて連載された「第七女子会彷徨」。
独特の世界観が魅力の作品を生み出してきたつばな先生ですが、その最新作である本作もまた引き込まれる内容となっておりまして……?



あなたは幽霊?
いつからそこにいたの?どうやって来たのか覚えてる?
目の前に立っていた少女は、そう尋ねてきました。
何が何だかわからない状況ですが、そのわけのわからなさは加速していきます。
だめ、ここを離れなきゃ!!ついて来られる?
そう言ってかけだすその少女。
彼女はなぜ逃げなければならないと言ってきたのか?
振り向けばそこには、
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何か巨大な黒い物体が迫ってきていて……!?

そこで、愛海は目を覚ましました。
妙にリアルな夢だったなと感じつつ、朝ご飯を食べ、学校に向かいます。
その道中で友人の岡ちゃんと合流するのですが、岡ちゃんは男子2人と一緒に何やら川を眺めています。
なんでも、UMAがいた、のだとか。
ヘビのような、もっとデカいなにかがいたのだと言いますが、その川は川と言うのもはばかられるような小さく浅いもの。
姿が見えないどころか、ここにそんなものがいたということ自体信じられないロケーションですし、学校もありますし……とりあえず学校に向かうことにしたのです。

しっかり、おきて。
そんな声に呼びかけられ、愛海は目を覚まします。
そこには、あの夢の少女がいました。
戻ってきてくれてありがとう、と言うその少女と、愛海はどこかよくわからない場所の茂みに隠れていました。
そして、少し離れたところにあの巨大な黒い物体が移動しているのが見えるのです。
少女もあれが何かはわからないのだとか。
ですが、絶対に近寄ってはいけない危険なものだ、という実感だけはひしひしと感じるのです。
そして少女は、愛海に問いかけてきます。
あなたはどうやって来たの?私の言葉はわかる?お願いよ、帰り方を教えて!?
来たんだからわかるでしょ!?
そう必死に問いかけてくる彼女ですが、愛海はと言うと……スーッとその姿が透けていき……そして、消えていくのです!

そこで再び目が覚めました。
どうやら学校で居眠りしてしまっていたようです。
岡ちゃんにその夢のことを話してみますと、続き物の夢なんて面白い、となんだかノリノリ。
夢だと自覚できる明晰夢なら、何でも好きなように話をいじれるみたいだし、楽しんだらいいじゃないか。
そんな岡ちゃんの話を聞きながら帰っていくのですが……朝の川に、朝の男子2人がまたいるではありませんか。
またヘビがいたのか、と尋ねてみれば、またいた、見てみろ、と川の一角を指さしました。
目を凝らしてみれば、確かに川の中にはなにかの影が見て取れます。
やがてそれは川の中から姿を能わすのですが……
それは
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表面に不気味なものがびっしりとついた、君の悪い物体だったのです!!
確かにそれは蛇ではありません。
絶対新種の何かだ、捕まえたら有名になれる!
そう言ってはしゃぐ男子でしたが、もう一人の男子、田村の様子が何かへんです。
急にその表情を不気味に変えたかと思うと、おもむろに川の中へ降り立ちます。
そして、その奇怪な生物に覆いかぶさるように抱き着き……足首までの深さしかないはずの川の中へ沈んでいき、その姿を忽然と消してしまったのです!!

もう一人の男子は俺があたりを探してみるから、と言って愛海と岡ちゃんを帰らせました。
目の前で起きた異様すぎる事態に、言いしれない不安を感じてしまう愛海。
ご飯も満足に食べられず、ベッドに倒れ込むように寝そべり、眠りにつくのです……

そして再びあの夢にやってきました。
するとそこには、倒れている田村の姿もありました。
どうしてこんなところにいるのか?
疑問は残りますが、とりあえず声をかけてみようとする愛海。
するとそこで、あの少女が現れて、ダメだ、離れろと叫ぶではありませんか。
その人は、あなたとは違う方法で来てる、早くこっちに来て、逃げるの!!
何故そんなことを言うのかよくわからない愛海ですが、その背後でゆっくりと田村が立ち上がりました。
良かった、生きてて……と、田村に視線をやると、彼は
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額の上にもう一つ頭が付いたような、異形の姿になっていたのです!!
その両方の口から長い舌をのぞかせ、迫ってくる田村……!!
何なのコレ、変な夢!
そう叫びながら逃げる愛海ですが、少女は言うのです。
夢なんかじゃないっての!
ここは何処かの知らない惑星よ!!



というわけで、夢の中で奇妙な世界に迷い込んでしまう本作。
最初はリアルだけど不思議な夢、と言う認識でしかなかった愛海ですが、徐々にその世界が現実に存在する世界であり、そして恐ろしい事態が徐々に拡がっていくことを知ることとなります!!
夢の中で出会った少女、フレアはいったい何者なのか。
そして迷い込んでしまった惑星から、どうやって逃げ出せばいいのか?
そのあたりを探りながら、探索していくことになるのです。

物語は、愛海が普段生活しているこの世界と、眠ることでたどり着くあの惑星の二方向で進んでいくことに。
フレアはあの惑星にいるうちに、過去のことを徐々に忘れていってしまっているようで、なぜ自分がこの惑星に居るのかもわかりません。
その記憶をたどることも脱出の一助になるかもしれないと探索をするわけですが、その記憶をたどっていくと、あまりにも恐ろしすぎる真実が見えることになるのです!
そしてこの世界からあの惑星への行き来のルールなどを探りつつ、この世界からフレアが変える手段を探していく愛海のほうにも様々な事件が巻き起こります。
あの奇妙すぎるUMAは、その全ての始まりだったのかもしれません。
徐々に拡がっていく、おぞましい事態。
垣間見えていく、恐怖の「始まり」。
奇妙でグロテスクな物体。
不可解な生物と、不可思議な事象……
そして、この第1巻はプロローグだったのかもしれないと感じさせる、ぞくっとさせる第2巻への引き!!
おぞましさと恐ろしさ、明かされていき、深くなっていく謎……
表紙の印象よりもずっとずっとハードで本格的なSFホラーとなっている本作、どんどん引き込まれること必至!!
これから先が気になって仕方ありませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!