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今回紹介いたしますのはこちら。

「青高チア部はかわいくない!」第1巻 conix先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。


conix先生は12年ごろから活躍されている漫画家さんです。
といいましても、本格的なストーリー漫画の連載は本作が初めて。
それまではどちらかと言いますと自身のイラストを使用したグッズ販売などをメインにされていた先生ですが、そんな先生が描く本作はそのタイトル通りチアをテーマにした作品で……?



どう?かわいいでしょ?
そう言いながら、自分のチア姿の画像を、一年生に見せつけているのは、三年生のチア部部長、真泉舞です。
その画像を見せながら、じゃあ入部届け、ハイ、と一年生に無理やり入部させようとする舞。
ですが急にそんなことを言われても困りますし、入学式がこれから始めるよと言うタイミングで時間もありません。
困り果てる一年生たちですが、そこでチアのボンボンが舞の顔に直撃!
舞がひるんだ隙に一年生は逃げ出すことに成功したのです。

ボンボンを投げて、一年生に逃げる時間を与えてあげたのは、チア部の二年生、外木場心音でした。
あんな方法でチア部に入ってくれるはずがないとぼやく心音に、もうちょっとで入部しそうだったと不満を漏らす舞。
そんなやり取りをしているところに、今日は部活説明会のミーティングをするんでしょう、と副部長の皆本ななみが声をかけてきます。
チア部はこの三人と、もう一人の二年生である星野志帆の4人だけ。
数がモノを言うチアガールが4人なんてあり得ない、だから一年生を大量確保して超かわいいチア部にしたおんだ!と舞は息巻くのです!!

この春高チア部は、去年の先代部長のせいで大幅に部員を減らしていました。
先代部長であるみふゆは、よく言えば熱血、悪く言えば傲慢な性格をしておりまして。
野球部の応援に行くときは、我々の応援が野球部を甲子園へ導くんだ、と豪語。
それだけならまだしも、20分続いた攻撃の際に、疲労困憊にないながらも応援していた舞のもとに、攻撃が終わったとき近づいて来てこんなことを言ったのです。
やる気ないなら帰ってくんない?
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今の攻撃が終わったのは、あんたの腕がまっすぐ伸びてないから終わってしまったんだよ!
……バッターが打ち損じたフライを、チアの腕がまっすぐになかったせいだと言い切るその言葉、舞はもちろんの事、応援に回っていた野球部の補欠の皆さんもドン引き。
彼女の暴走はそれだけにとどまらず、甲子園に行けなかったら部員全員丸刈りの覚悟です、と明言するなど、言うに事欠きません。
そんな環境で苦しめられた舞は、先代の先代が部長をしていた時のチア部に戻すんだ、と目を輝かせるのです。
可愛く華やかな見た目はもちろん、部活説明会では緩く野球応援とかやってます、大会とかは出ないんでのんびりです、とふんわりした雰囲気もまた魅力的でした。
男子はみんなファンになりましたし、モテにあこがれる舞も一目ぼれ状態。
部活のほうも、髪を伸ばした方がモテるだとか、夏の応援はここの日焼け止めがいいとか、ネイル塗ってるときはバトン練習やめた方がいいよだとか、チアの練習はしていたものの、印象に残ったのはそっち方面に特化したものばかりでした!!
舞はそんな当時に戻りたいと、部活説明会で「いかにかわいいか」「いかにモテるか」「他より楽」と言うあたりをモットーに掲げた説明をしよう一同に提案するのでした。

部員たちからのアドバイスを受け、結局それほど難しくないチアの踊りを5分見せて可愛さをアピールしつつ、自分でもできそうと思わせつつ挨拶をして新入生のハートをキャッチしようと言うことになりました。
着々と準備を進め、あっという間に説明会当日に。
演奏のほうも、心音の友人のブラスバンド部の二年生に依頼し、万全の状態になりました。
一同は気合十分で壇上へ。
選んだ曲は、「ポパイ」です。
ポパイの振り付けはとにかく簡単で、併せやすいのが特徴。
そのためスタンドで踊っているのを遠目から見てもきれいに見えやすく、チアからしてもこの曲の時は体を休めることができるので見る方もやる方も嬉しい一曲になっています。
さらにその難易度と可愛さゆえ、この説明会では男子に「かわいい」と思わせ、女子には「できそう」と思わせることができます!!
会心の一曲をおどり、舞は抜群の手ごたえを感じながら新入生に目をやりました。
ああ、一年生の突き刺さる視線が熱
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……くない!?
なぜか新入生は、一様に壇上の端っこに視線を注いでいたのです。
そこにいたのは、心音の友人のブラバン二年生!
目を引かれる美少女である彼女のビジュアルと見事な演奏に、新入生たちの視線は奪われてしまったのでした!!
このままじゃマズイ!
そう感じた舞は、踊りを終えて挨拶をしていたななみからマイクをひったくり、大声でこう言ったのです!
チア部は、
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すごくモテます!
群れて踊る女子はただでさえかわいさ五割増なのにこの衣装!
勝ち負けのストレスも恋愛禁止なんて部則もなしで、ななみは野球部だけで10人付き合いました!
野球部が勝ってさえくれりゃテレビに抜かれてネットでバズってモテ全国区!!!
たった三年のJKブランドを活かすならチア部しかないっしょ!!
……その迫力に押され……一応、会場からは拍手が聞こえてきました。
聞こえてきましたが……当然、その演説は逆効果にしかなりません。
結局その日の入部受付では、誰一人としてチア部を尋ねるものはいないのでした……



と言うわけて、舞たちチア部の奮闘を描いていく本作。
新入生ゼロ課と思われたチア部でしたが、この後なんとか三人の新入部員を獲得します。
モテたいという気持ちで入部を決意した安達杏、野球大好きながらわけあって野球部にはいられなくなった満田まり、身体は大きいものの内気でひとと話すのが苦手なオタク少女の露木つぐみです。
舞の可愛いチアを目指したいという目論見からはやや遠くなってしまったメンバーですが、それでもこの三人はそれぞれなりに頑張ってくれまして。
本作の主人公は舞になるのでしょうが、この杏がもう一人の主人公として物語を動かしていくことになるのです!!

最近の部活物は部活要素の少ない日常作品の勢力が優勢でしたが、本作はそんな日常要素もないではないものの、メインは本格的にチアのほうに振られています!
ポップな絵柄でコミカルに描く日常コメディでありながら、しっかりとチアの練習を描き、その中でくじけそうになったり調子になってみたり、仲間と絆を深めていったりと、スポ根的な要素もしっかりと描かれていくのです!
そんな物語を彩るキャラクターの個性も十分で、今回の紹介では舞以外のキャラクターが見えてこないと思いますが、登場する全員がそれぞれ違うキャラクター性を持っております。
ヒール的な存在もおらず、自身とどこか重なる部分のあるキャラクターがきっと見つかって感情移入できることでしょう!!
ヒール的存在と思われていた先代部長も出てきたりするのですが、ちょっとした理由でそこまでとげとげしていない人物になっておりますので、ご安心(?)を……!!

キュートで熱血、脱力もあればじんわり感動もあり、練習やいきなり舞台に立つシーンもあるメリハリもある本作。
にぎやかな雰囲気が楽しい、気軽に読める一冊になっておりますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!