am0
今回紹介いたしますのはこちら。

「悪魔のメムメムちゃん」第3巻 四谷啓太郎先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、ちょっとエロスな少年のひょう太と、どうしようもない貧弱怠け者悪魔、メムメムちゃんの日常を描いていく本作。
前巻では悪魔狩りの少女、オルルが登場してピンチを迎えたかと思われたものの、悪魔に対してものすごく弱くなる呪をかけられていた彼女はメムメムちゃんの天敵どころか心のオアシスとなりそうで。
果たしてメムメムちゃん、これをバネに魂ゲットはなるのでしょうか!?



魔界。
なんかものすごい雷が落ちて、濛々と煙が立ち上っています。
なんでもそれは何でも願いをかなえてくれるという魔人を召喚した証のようでして、魔界ではそれなりに見る光景の様子。
それでもその召喚のためのアイテムがそれなりのお値段するようで、その雷鳴を見たものは、あれ高いんだよな、いいなぁ、などと漏らすのです。

呼び出された魔人は、今度のマスターはどんな強欲者か、などと考えながらもいつもの口上を唱えていました。
我が魂を呼び起こしし者よ、魔人の掟にのっとり願いを一つ叶えてしんぜよう。
さぁマスター、望みを。
その台詞とともにゆっくり目を開けると、そこにいたのは
am1
ちんちくりんの奇妙な物体……メムメムちゃんでした。
目を輝かせて魔人を見ているメムメムちゃん、魔人が自分を呼ぶ呼称の「マスター」と言う響きにいたく感激したようで、もう一回マスターって言ってもらってもいいですか?とうれしそうな顔で言いました。
魔人も最初jは理解できなかったようですが、これに呼ばれたのか、とようやく理解すると……
長いこと魔人をやっているが、こんな謎の生き物に呼ばれたのは初めてだ、と驚くのでした。
ですがこんな謎の生き物が簡単に魔人を呼ぶアイテムを手に入れられるとは思えません。
どうやって呼び出すランプを手に入れたのでしょうか?と素直に尋ねてみますと、メムメムちゃんは回想シーンで説明してくれました。
所長が持っていたランプを目ざとく見つけたメムメムちゃんは、所長に縋りついてこう言ったのです。
あたし実力差があり過ぎて、つらいんです!
お願いです、助けてくださぁい!!
……いつものどうしようもない泣き落としです。
彼女のそのしつこさに所長も折れてしまったのでしょうが……予想よりもひどい手口に、魔人は閉口するしかなかったのです。
どんな願いにしようかと悩むメムメムちゃんに、かなえられる願いは一つだから、と念を押す魔人。
するとメムメムちゃんは、とりあえず超一級の悪魔にしてもらっていいですか?と迷いなく答えるのです。
とりあえずにしてはもの凄いお願いな気もしますが……魔人は、その願いを聞くとなんか豪華な椅子を出し、そこに腰かけながらその願いは難しいですね、と難色を示してきました。
聞いてた話と違うんですけど、どういうことですか?困るんですけど、嘘ついたんですか?とうろたえながらも攻めてくるメムメムちゃん。
魔人は確かに願いを一つ叶えるのは本当なものの、「0を100にする」のは難しい、と言うのです。
1を100にするのは簡単だけど、と言う魔人。
擁するメムメムちゃんの魔力は、ほとんど0-と言っていいほど弱々しい、と言うことなのでしょう……
しょぼんとするメムメムちゃんですが、そこは彼女。
じゃあ大豪邸で良いです、とあっさり気持ちを切り替えたうえですごいお願いをしました!
……が、この魔人さん、意外に親切な人のようで。
マスターの力では多分奪われるのがオチ、それももって2秒だろう、と冷静に指摘するのです!
じゃあ一生分のお菓子では?と聞いてみても、帰ってくる答えは「それも同じ」とのこと。
せめて仕事に生きるお願いをしたらどうか、と魔人がアドバイスしますと、メムメムちゃんはいろいろ知恵をひねって考えました。
怒らない上司はどうか、と聞けば、すぐ怒るようになるだけだ、との答え。
膨大な魔力はどうかと尋ねれば、マスターの場合体が爆発しかねません、と返答。
それなら魂は、と聞けば……ひとつくらいなら大丈夫そうだ、とようやく色よい答えが返ってくるのです。
魔人がターゲットに選んだのは、ひょう太でした。
am2
よくあっている人間がいるみたいだし、こいつのにしましょうか。
そう言う魔人に声に、メムメムちゃんは……固まってしまいました。
こいつがもともとの標的なのでしょう、と言われればその通りですから、メムメムちゃんが断る理由もないはずなのですが……

気が付けば、ひょう太の部屋に来ていました。
そしてひょう太は寝ている様子。
早速やりますか、という魔人に、口ごもりながらついていくメムメムちゃん。
ところが当のひょう太は、なんだか苦しそうにしているではありませんか。
どうやら風邪か何か引いてしまっているようなのです!
慌てて大家さんを呼びに行こうとするメムメムちゃんですが、魔人は人の気配がなかったのでおそらく留守だと思うし、魂を取るために近づいているのになぜそんなことをするのか?とまたも冷静につっこんでくるのです。
メムメムちゃんは……また、どうしていいかわからなくなってしまいます。
そうだけど、あの、あれぇ?
そう言っている間に魂を取ろうとする魔人。
慌ててメムメムちゃんは、何か言ってるからちょっと待って!とそれを止めました。
……どうやらメムメムちゃんたちの気配を感じたひょう太が目を覚ましたようです。
彼は、こんなことを言いました。
また来たのか、すぐ帰れよ。
am3
うつったらまた面倒なことになるだろ。
……その言葉を聞いてメムメムちゃんは……!!

その後、メムメムちゃんは所長のもとに現れました。
その手には、何かが入った袋が握られています。
魔人にちゃんと願ったんだな、あー良かった、ちょっとずるだけどお前が仕事に活かしたのならいいだろう、とメムメムちゃんをねぎらう所長。
メムメムちゃんは所長の机の上に、袋の中身をひろげました。
そこにあったのは……



というわけで、いつになくシリアスな選択を迫られたメムメムちゃん。
何でも願いをかなえる魔人を呼び出したのが彼女、と言うだけで波乱の予感がしましたが、まさかこっち方面に波乱が起こるとは……!
突然の魂ゲットのチャンスと、ひょう太とのお別れの時を迎えてしまった彼女。
今まで感じたことのない感情を感じたその時、どうするのでしょうか!

そんな思いがけないシリアスなお話以外は、平常運転となっております。
今回もメムメムちゃんは、そのダメっぷりをいかんなく発揮!!
杏の妹である柚(幼稚園年中)に翻弄されたばかりか、泣かされるメムメムちゃん。
今度こそ退治しようと重装備で現れるオルルをいじめて悦に入るメムメムちゃん。
おどおどした就任一年目の悪魔に先輩とよばれ、一人前の先輩面するメムメムちゃん。
自分が小さいから劣等感を感じるんだ、とみんなを子供にするミルクを持ちこむメムメムちゃん。
そんな、メムメムちゃんのどうしようもなさが、今回もたっぷりと収録!!
怠け者で何にもできず、おっぱいにおびえる気弱さ、そして自分より弱いものには徹底的に強気に出る人間(?)性の劣悪さはもうここまで行くと天晴と言うほかなし!!
今巻も、様々な行動で笑わせてくれる彼女の活躍に注目です!!

そして個人的に注目したいのは、杏ちゃんの友人冷静な眼鏡っ子、雨だったりします!
彼女は今巻一回のみの登場ですが、ちょっとSっぽい所のある彼女、また登場してくれれば杏とひょう太の関係をかき回す意味でも、メムメムちゃんを追い詰める意味でも話を動かしてくれそう!
彼女もメムメムちゃんに興味を持ったようですし……再登場が望まれます!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!