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今回紹介いたしますのはこちら。

「ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミアILLEGALS(イリーガルス)-」第2巻 脚本・古橋秀之先生 作画・別天荒人先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、武闘派の危ないおっさんナックルダスターと、街角でライブする自称フリーアイドルのポップ・ステップとともに、違法な自警団・ヴィジランテとしての活動を始めた航一。
一同は個性を強化するものの、欲望のままに動いてしまうヴィランに変化してしまう薬物、「トリガー」の情報を集める毎日を送っています。
偶然で出会ったかのように見えた三人でしたが、実は……?



三人のたまり場のようになってしまった、航一の自宅。
いろいろあって人目を避けたい事情も多いポップや師匠ことナックルダスターには、この廃ビルの屋上のプレハブ小屋が都合いいのでしょう。
その日も、当たり前のようにポップが航一の自宅にやってきました。
あげくに口をついて出てきた言葉が、「あ、いたんだ」ですから……
航一ももう慣れたもので、そりゃいるよ、何故ならここは俺んちだから、と振り返りもせず招き入れます。
ポップは変身前の地味目な女子高生姿のまま、なんか飲み物ある?と冷蔵庫をあさり、そしてプリンを発見してゲット。
遠慮なくご相伴にあずかりながら、先ほどから航一が何かずっとかかりきりになっている作業に興味を示します。
なんでも、お気に入りのパーカーを治しているんだそうです。
自警団をするにあたって、プロテクターをつけるようにもなったのですから、パーカーももっと丈夫で動きやすいものに変えればいい、とポップは口を出すのですが、航一はノータイムでそれを却下。
俺はこの服じゃないとね。
だってこれオールマイトの公式グッズだよ?
斬るだけで勇気がもりもり湧いてくるの!
そう言ってにこにこと上機嫌で語る航一ですが、そこでポップが自分のプリンを食べているのに気が付きます。
あまりに遠慮無さすぎた自分の行動がちょっと恥ずかしくなったのでしょうか、ポップは顔を赤らめ、食べちゃダメとか聞いてないし、大事なものなら名前でも書いときなさいよ、と憎まれ口をたたくのです!
そんな彼女の言い草も航一は一切気にせず、別にいいけど、君ってほんとに頭が下げられない子だよね、と笑う航一。
目を吊り上げて顔を真っ赤にするポップですが、航一は今度からポップの分も買っとくから、と余裕の態度。
責め智の反撃とばかりに、大体あんたはいつもみみっちい、安物のダサパーカーちまちま直して来たりしてさ、と顔をそらしながら漏らすのですが……そこで、航一の顔色が氷片!!
ダサくないよ!!
他のことはともかく、ここだけは譲らないからね俺は!
珍しく声を荒げた航一ですが、すぐ気を取り直してこのパーカーのことを説明し始めます。
マニア向けのこだわりグッズだからね、これ。
毎年限定版が出てるんだけど、5年前の「シルバーエイジver.正規カラー版」以外は全部持ってるから俺。
……こうまで情熱的な航一が、コレクションを一つだけ集め損ねている。
それは一体どういうことなのでしょうか?
「人にあげてしまった」と言う航一、その人にあげてしまった時のエピソードを語ってくれるのでした。

実は、中学まで本気をヒーローを目指していたという航一。
その日は上京してヒーロー科の高校の受験に向かっていたのですが、田舎から出てきた航一にとって東京の道は入り組んでいてよくわからず、迷ってしまっていました。
早くしないと遅刻してしまう、そんな時にその事件は起こってしまいます。
たまたま通りがかった橋の上で、何人かの男が騒いでいまして。
ふとその橋の下の川に目をやりますと、どうやら子供がおぼれている様子。
見た感じ川の流れは急で、子供が自力で立て直すことは無理そう……
航一は遅刻ギリギリで、すぐにでも受験の場所を目指さなければなりません。
それどころじゃない……と言う想いもよぎる航一ですが、やはりその時も羽織っていたオールマイトパーカー、シルバーエイジver.正規カラー版がそれを許せませんでした!!
俺が来たぁ!と叫びながら、パンツ一丁になって川にダイブ!!
決死の思いで……とはならず、意外にも川は航一なら普通に足がつく腰下くらいの水深でして、慌てていない祖の子供でなければあっさりと安全を確保することができる感じなのでした。
自ら上がった航一は、自分のパーカーを……
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その子供にかけてあげました。
そして自己紹介とかそう言うのをしている間もなく、とにかくパーカー以外の服を着こんで受験会場に向かったのですが……結局間に合わず、航一のヒーローの道は始まる前に終わってしまったのです。

回想シーンが終わると、航一はしみじみとこう言いました。
ひょっとしてあの件がなければ、まだヒーローを目指してたのかなあ、なんて思うこともあるけど。
俺のヒーロー魂はあの勝負服とともに、名も知らぬ少年に託されたと言うことで。
それで充分だよ、としたり顔をするのです。
が、即座にそれをなにそれバカみたい、とポップは扱き下ろします。
要はいつものヒーローごっこで、自分の進路まで棒に振ったってことでしょ?
ほんっとくだらない、帰る!
そう言い残して、ポップはなぜかぷりぷりと怒って帰っていってしまうのでした。

あっけにとられる航一ですが、ポップが起こるのもうなずけるというもの。
自宅に帰り、ポップは自分の部屋のクローゼットを開けながらこんなことを考えていました。
「ヒーロー魂」とか「それで充分」とか、お人好しとか程があるでしょ。
大体その「名も知らぬ少年」って
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……それ、あたしだし。
ポップは、クローゼットからオールマイトパーカー、シルバーエイジver.正規カラー版を取り出し、そっと抱き寄せました。
その日、ポップはいつものように個性で川を飛び越えて近道をしようとしたのですが、前日の雨のせいで足を踏み外してしまい、川に転落。
増水していたせいもあり、溺れてしまったのです。
それ以来、ずっと彼女は名も知らぬ少年のことが気になっていたのです。
実はあの出会い以前にも彼のことに気付いていて、彼が変わらない彼なりの正義を積み上げていたことを知っていました。
最近になってやっと会えたのに、なんだかうまくお礼を言えなくて……
そんな時にふと過った、「君ってホントに頭を下げられない子だよね」と笑う航一の顔。
その顔を思い出すと、またポップの頭に血がのぼってしまい……!
そんなことないし、それくらいできるし!
ポップはパーカーを紙袋に入れ、お詫びのプリンを二つ購入し、夜の街を跳びます。
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今まで何度も助けてくれてありがとう。
あの時は受験の邪魔をしてごめんなさい。
あなたが本当はヒーローになれた人だってこと、あたしはちゃんと分かってるから。
あたしにとってはずっと、あなたは本当のヒーローだから。
今までずっと抱き続けてきて、打ち明けることの出来なかった気持ち。
それを伝えようと、ポップは航一の元へ向かいます。
そして、いつものように航一の部屋の扉を開けると……そこには、いつものようにとぼけた感じの航一がまっています。
ポップは、ちょっと話があるんだけど、と切り出し……そして……!!



と言うわけで、ポップの意外すぎる真実が明かされた本作。
たしかにポップ、初登場の時からなにかと航一に突っかかってきました。
ゲリラライブ会場に警察が近づいて来ていることを教えてくれた恩はあるにしても、そこから先もなんだかんだ言いながら航一にくっついてくる理由がこれではっきりしたわけです!!
まあ好きでもなければあんな危ないおっさんと一緒の男にくっついて行動なんてしませんよね……
ともかく、予想以上に「恋する乙女」だったポップ!
今までの本作を構成する要素に加え、恋愛要素まで入ってきまして、本作の楽しみが一層増してまいりました!!
性格上一筋縄ではいかなそうなポップの恋愛模様も、これからも見逃せないものになっていきそうです!!

そしてストーリーのほうも目が離せない展開になってきます。
トリガーをばら撒く謎の組織で幹部的な役割を行う蜂須賀は、さらなる騒動を巻き起こす人物を見つけ出します。
その人物は、ヒーローの免許を持たず、勝手に悪を容赦なく切り殺していく危険な男、スタンダール。
そしてそのスタンダールの個性は、相手の血液をなめると動きを止める「凝血」……!?
本作はどうも「ヒロアカ」本編より過去のお話であるようです。
その過去に、あのキャラクターのような雰囲気の人物が現れて、同じ個性を使う。
と言うことはこのスタンダールは……
と、興味の尽きない展開となっていくのです!!
本作ならではのキャラクターの魅力と、深まっていくドラマ、そして本編とのリンク。
今後の展開に期待せざるを得ませんね!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!