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今回紹介いたしますのはこちら。

「魔法少女・オブ・ジ・エンド」第16巻 佐藤健太郎先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、世界を救うため悪魔と戦った児上たち。
ですが悪魔の力をハナが掌握しても時空崩壊は止まらず、時の祭壇で儀式をして崩壊を止めようとしました。
が、そこで現れたのは、すべての元凶であり、様々な人物になり代わり暗躍していた真の黒幕・黒呂木零。
黒呂木のたくらみはこの土壇場で結実し……気が付けば、何もない真っ暗な空間で、児上、つくね、そして未来のつくねだけが存在していたのでした。


未来のつくねはこう言いました。
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黒呂木の儀式によって今この場にいる三人以外の、全次元の全人類が死んでしまった、と。
儀式によってすべての宇宙の概念が書き換えられ、今この世界にあるのは黒呂木が自身の思う通りに作り替えた一つの世界だけが存在しているのだと言います。
そこにいるのは、黒呂木の思う通りに作られた、黒呂木の操り人形も同然の人間たちだけ。
先ほどまで存在していた、児上やつくねの家族、友人、そして戦ってきた仲間たちは、誰一人としてもう存在していないのです……

黒呂木の世界にいる人々は、その全員が黒呂木そのものと言ってもいい存在。
全ての元凶である黒呂木を倒そうとしてその世界に潜入したとしても、異物である児上たちはすぐに見つかって排除されてしまうことでしょう。
何の力も持たない児上とつくねでは、もうどうすることもできません……
児上とつくねが生き残ったのも、この異変を察知した未来のつくねがギリギリのところで二人を救いだし、時空崩壊の影響も受けない時空間の狭間であるこの場所に連れてきてくれたからです。
魔力を持つ未来のつくねでさえも二人を隠して守ることが精いっぱいだと言うことからも、二人で歯本当に何もできないという現実が感じ取れるといものです。
……が、そこで児上は疑問を感じてしまうのです。
何故よりによって、なんの力もない自分とつくねを助けたのでしょうか。
その疑問を未来のつくねにぶつけますと……その闇の世界の中に、突如三人の男女が現れ、こう言ったのです。
奇跡を信じたんだろう、と。
現れたのは、
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未来世界での中心人物であった忍とみかの、そしてみかのの父であるレイル。
レイルによれば、崩壊の直前でハナが悪魔の力を使い、その身を挺してこの時空の狭間にかくまってくれたのです。
レイルは、未来のつくねが二人を助けて理由をこう分析します。
魔女の子供を13人そろえないために、自分の気持ちを抑えた未来のつくねは、その果たされなかった想いを過去の児上とつくねに実現してほしかったからだ、と。
その行動は結果として世界を破滅へと導いたわけで、レイルはその未来のつくねの行動を実におろかだと笑います。
ですが理想とは違っても、その思いは実現された、ともいえます。
この時空の狭間でならば、未来のつくねが求めていた「平穏な暮らし」は実現したわけで。
また、黒呂木も負の感情が全くない人間だけの世界を作り、平和だけが続く日常を作り上げることだったのですから……「平穏な生活」は世界中で達成されたと言っても過言ではありません。
その世界にとっては、みかのやつくねのような魔法少女のほうが悪ではないか?この空間で残りの余生を過ごすものいいんじゃないか?レイルはそう笑うのです。
……が。
他の面々の瞳の輝きは失われておりません。
忍は、みかのにこう言います。
あんな世界のために、親父と母さんは利用されて殺された。
俺には誰もいない、みかの、俺にはもうお前しかいないんだ。
俺は親父と母さんを殺した黒呂木を絶対に許さない!
そして、児上もレイルにこう尋ねるのです。
レイルが終焉黙示録を作り、儀式を起こさせる場を設けたって聞いた。
ならもう一度、それを作ることもできるんじゃないか?
……もう一度儀式を行い、黒呂木の作り直した世界を元の世界に作り直す……!
その狙い、可能だとレイルはかたります。
が、仮に黒呂木の目を盗んで儀式の場所を完成させたとしても、かなめである13人の魔法少女がいなければ儀式を起こすことはできない。
唯一概念をを覆せる手段だが、残念ながら不可能……
と、そこまで言いかけたところで児上がレイルの言葉を遮ってこう言うのです!
それならできるじゃないか。
また俺達で血をつないでいけばいい。
たとえ何年、何十年、何百年かかってもいい。
あの世界を、皆のいたあの世界を絶対に取り戻す。
俺達で、
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この血を繁栄させて見せる。
そう言って手と手を取り合う児上とつくね。
そして忍とみかのもまた、手を取り合ってそれに賛同しました!
とんでもない提案に大笑いするレイルですが、その言葉に興味を惹かれたようです。
ひとしきり笑ったあと、児上に向き直って尋ねてきたのです。
命をかける覚悟はあるか?と。
黒呂木の世界の人間に見つかれば、すぐに児上たちを排除しにかかってくるでしょう。
誰からも見つからずに、何年もの時を過ごして子孫を反映させる。
不可能とさえいえるそのこんなん極まる道程を、児上たちは辿らなければならないのです。
……が。
児上はしっかりとレイルを見据え、全く迷うことなく答えます。
覚悟はできてる。未来は俺達で切り開く……!!
そして、児上たちは向かうのです。
黒呂木が全てを支配する絶望の世界へ……希望を取り戻すために!!



と言うわけで、いよいよクライマックスを迎える本作。
ここに来てとんでもない展開を迎えた本作ですが、この後物語はスピーディーに展開していき、最終決戦へと向かっていきます。
文字通り新たな世界の神となった黒呂木を相手に、一同はその血を反映させることはできるのでしょうか。
そしてその先にある、世界の再創造を果たすことができるのでしょうか……!?
今まで幾度となくクライマックスから新展開を迎え、より混とんとした展開へと投入していきました。
ですが今回ばかりは、正真正銘のラストバトルです!!
児上たちが挑む黒呂木との戦いは、それぞれの想いを結実させていきながら展開。
怒涛の展開の後に、待っているのは……!

長い恐怖と戦いが続いていた本作、その中で様々なキャラクターが登場しました。
それぞれ見せ場があったキャラクターたちですが、本作はそんなキャラクターたちがどうなっていくかがしっかり描かれたエピローグ的なお話で締められています!
飛び切りの絶望から幕を開けた本作のたどり着いた先で、キャラクターを待つ運命とは?
ここまで見守ってきた読者の皆様は、その結末を見逃してはなりません!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!