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今回紹介いたしますのはこちら。

「マシラ-殺戮の村-」第1巻 内水融先生 

秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。


さて、「サエイズム」を完結させた内水先生の最新作となる本作。
サエイズムはちょっと後半すごいことになっていたところはあるものの、それでもあくまで人間の恐ろしさを描いたサスペンスものでした。
今回の作品は、すこし物語の方向性を変えた、モンスターパニック系の作品に。
その内容はと言いますと……?



一人の少年が、バスに乗っていました。
少年の名は鳥狩庵。
彼は、そのバスに乗って故郷の「磨白村」に向かっていました。
久しぶりとなるその帰省ですが、庵には過去磨白村で大きなトラウマを追うある事件に巻き込まれていまして。
長い年月と、志布という女性の協力があって何とか克服、今こうしてようやく尋ねることができたのです。
が、そのバスの中で思いがけない出来事に巡り合うことに。
眼鏡の、妙になれなれしい感じの女性が話しかけてきて、こんなことを言い残したのです。
もうすぐ磨白村でメンドーなコトが起こるかもしれないから、なるべく長居しない事、と。
……全くピンと来なかった庵でしたが、すでにその異変の兆候が起きていることも気が付きませんでした。
バスを襲う、大きな揺れ。
運転手は道が悪いから何かを踏んだだけだ、と笑うのですが……
その踏んだ「何か」は……ちぎれ落ちた人間の腕だったのです!!

久しぶりに来た磨白村には、都会からの移住者や、新設されたキャンプ場などの見慣れないものも多くありまして。
ですが基本的には変わっておらず……一部の村人の、
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庵を「鬼子」と呼んでひそかに忌み嫌っているのも変わっていませんでした。
そして、祖父母が笑顔で迎えてくれるのも変わりません。
抱きしめて涙を浮かべるおばあさんに、トラウマの件を心配し、もう大丈夫なのかとたずねて来るおじいさん。
庵はほんの少し思うところがあったようですが、すぐにもう大丈夫だ、心配かけてごめん、と返事をするのです。

その以前この村に住んでいたときの庵は、仲良しのタッちゃんとミッちゃんと言うお友達もいたのですが、もっぱら動物とばかり遊んでいました。
なんとそのころの庵は、動物が何を言っているのか理解でき、会話をすることもできた、と言うのです。
今の庵は、子供のころのそれはよくある思い込みだ、と笑うのですが……

ともかく、久しぶりに帰ってきた故郷。
トラウマの原因になった事件のあった磨白山にも行っておきたい、と考えるのですが、その磨白山に入っていった知人の男性が三日間も戻っていないのだとか。
酒癖の悪く、適当なところがあるその男性は前にも一週間くらいどこかをフラフラしていたこともあったから、とおじいさんは心配していないようです。
ですが実際は、その知人……もう生きてはいません。
磨白山の山頂で、首だけの状態に変わり果ててしまっているのですから……

その後、庵は昔かある村の小さな商店で、かつての友人であるタッちゃんとミッちゃんこと、タツヤとミチルに再会します。
近くのキャンプ場から来た酔っ払いに絡まれていたところを助けてもらったのですが、久しぶりに見たタツヤはたくましく成長し、実は初恋の人だったミチルもより魅力的になっていまして。
昔話や最近はどうしているかと言った話題を話して盛り上がる三人ですが、そこに先ほどの酔っ払いが仲間を連れて現れたのです!
まさか報復に来たのか……と身構えた庵でしたが、その仲間は酔っ払いをはじめとした大学生グループのリーダー格の男でして、酔っ払いにきちんと謝罪させに来たというではありませんか。
きちんと謝罪をした後、リーダーはお詫びのしるしに今晩キャンプ場でやるバーベキューに、避ければ村の人たちもつれてきてくれないかと提案。
よそ者を嫌うタツヤは渋るのですが、結局は歩み寄ってくれているんだからこっちも応えるべきだというミチルの意見が通ることとなるのでした。

バーベキューには、村の子供たちや庵の昔の友達のイノセなどもやってきました。
酔っ払いの男も第一印象こそ最悪そのものでしたが、こうして知り合ってみればちょっと粗野なところはあるもののそこまでの悪党ではないようで、徐々に打ち解けていくことができました。
こう言ったことをきっかけにして、どうしても排他的な意識の抜けきらない村人たちも、外の人を受け入れてくれるようになればいい、とミチルなんかは思っているのでしょう。
実際、バーベキューは楽しく和やかに進んでいくのですが……
その時、ついに始まってしまったのです!!
突如として、村中の電気が消えました。
そして、携帯の電波も全く入らなくなってしまいます。
バーベキューの参加者はもちろん、村人たちも首をかしげるなか、庵はあの酔っ払いとトイレに行っていたのですが……そこで突然、
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暗闇から伸びた手によって、酔っ払い男性の顎が引き裂かれたのです!!
……その手は、猿の手でした。
猿の集団が、酔っ払いを引き裂き、そして……むさぼり食らい始めたのです!!
突然の停電は、この猿たちが電線を引きちぎったため。
携帯の電波も、中継アンテナを猿たちが破壊したため届かなくなっていて……!!
猿たちはその獰猛な牙をむき出しにして、村中に散らばっていきます。
庵の前に現れた猿たちも、酔っ払いを食らい尽くした後……庵に照準を合わせます!!
その時、庵は12年ぶりに……今までぱたりと聞こえていなかった動物の声を、聞きました。
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コいツハ、ウまイかナ?
それは……庵の記憶にあるそれよりも、禍々しい声で……!!



と言うわけで、内水先生の最新作が幕を開けた今巻。
今巻は、猿による襲撃を描く作品となっているようです!
猿による襲撃を描く作品と言えば偶然(?)にも「モンキーピーク」が連載中ですが、そちらとは毛色ががらりと違っておりますのでご安心を!
本作は襲撃してくるのが、尋常ではない知恵と腕力を持ってはいる者の、完全に猿そのものです!
ですがその猿にも大きな謎が秘められています。
普通の日本にいる猿とは明らかにちがう、巨大さ。
猿が賢いとはいえ、人間の生活陰部らを破壊すると言った、猿のレベルとは一線を画す高すぎる知性。
そして、不自然なまでに獰猛すぎるその習性と、組織的な動き……!!
この猿には、何か普通ではない謎が隠されているのは間違いないでしょう。
それがいったい何なのか?
そしてこの怪猿の包囲網から逃れることはできるのか?
内水先生の新境地が切り開かれることとなるのです!!

さらにもう一つ見逃せないのが、人間の間にも巻き起こる問題です。
こう言った閉鎖空間で追い詰められるホラーでは、人間同士のいさかいと言うのはつきもの。
ですが本作の場合は、諍いと言うよりも……とある人物の秘められた性質に焦点があっていくようです!!
猿の脅威だけでも大変なのに、その人物の性質はとても放置してはおけないもの。
前作で培った内水先生の「ヤバいヤツ」ぶりが全開となり、そちらの方面からも危うさが押し寄せてくるわけです!!
くわえて、冒頭で出てきた眼鏡の女性もこの後鍵を握る存在になってくるようで。
サエイズムを読んでいた方ならば、あれ?と思ったかもしれませんが、彼女、実は……!!

そんな様々な謎と恐怖と不安、そして血飛沫が飛び散っていく本作。
これから先誰が生き残り、どうなっていくのか!?
予測困難な惨劇が待っている今後が楽しみですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!