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今回紹介いたしますのはこちら。

「いぬやしき」第10巻 奥浩哉先生 

講談社さんのイブニングKCより刊行です。


さて、隕石の衝突と言う世界を揺るがすニュースが流れ、世界に絶望が拡がった前巻。
軍隊が総力を上げてもその軌道を変えることはできず、世界には色濃く週末の匂いが漂ってきて……



自分が行ったところで、どうにもならないかもしれない。
そんな考えがよぎっても、壱郎は行かずにはいられません。
全世界の、助けを求める声が彼の耳に届くのですから。
おそらく隕石に向かえば、おそらくもう地球に戻ってくることはできないでしょう。
ですが、それでも壱郎は行くのです。
運が良かったら、何とか軌道を変えて、僕は何処かの海に落ちるよ。
帰ってくるよ、家族もいるしね。
壱郎はそう言って、止めようとする直行を振り切ります。
そして、愛犬のはな子を抱きしめ、彼女にだけ言ってくるよと別れを告げるのです。

台所で燃料となる水をたっぷりと補給した壱郎は、誰もいない台所で言って来るよとつぶやき、そして玄関に向かいます。
が、そこには……麻理が立ちはだかっていたのです。
壱郎の行動を予測していたのでしょう。
どこ行くの、と尋ねてきた麻理に、壱郎は散歩だと嘘をつくものの、それなら一緒に行く、と言われてしまいます。
……黙っていかせるつもりがないことを察した壱郎、今度は素直に隕石のところに行く、と打ち明けました。
お父さんが行く必要がない、意味がわからない。
そう言う麻理ですが、壱郎は最後まであきらめたくない、どうしてもだめだったら戻ってきてみんなといるよ。とだけ言い残して家を出ようとするのです。
そのまま黙って壱郎が横を通り過ぎるのを待つかのように見えた麻理ですが……
壱郎に後ろからしがみつき、泣きながら懇願するのです。
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やだ、お父さん、いっちゃやだぁ!!
その悲痛な声は、はな子や家族たちの目を開かせました。
はな子は何とか部屋のドアを開け、階段を転げ落ちて壱郎の元に向かおうとするのですが……もうその時には壱郎は隕石に向かって飛んでいくところでした。
帰ってくる、約束する。
実現するとは思えない、その言葉を残して。

隕石にたどり着くと、直行からの声が届きました。
今どこにいるのかと言う問いかけに、画像付きで隕石にいるという答えを返す壱郎。
送られてきた画像を見て……直行は、さらに絶望を深めることとなります。
見渡す限り岩場の続く画像。
これはすなわち、隕石が予想をはるかに超えるとんでもない大きさだと言うことを示しています。
直行は、思わずこう呟いてしまうのです。
こんなの、無理じゃないですか。
そう言われても壱郎があきらめることはありません。
自分よりもいろいろなことを知っているであろう直行に、なにかないかなと尋ねる壱郎。
とりあえず直行は、隕石の軌道を変える映画の記憶をたどり、地面を掘削して深く掘ってから核で爆破してましたけど、と答え……壱郎はさっそくそれを試みるのです。

隕石は硬い岩でできているようです。
が、その硬さは壱郎にとっては大きな問題ではありません。
両手でどんどんと意をを千切り取っては放り投げていき、あっという間に深さ数十メートルはあろうかと言う大穴を掘ってしまいました。
そして穴の中から飛び出し、その穴をめがけてミサイルを発射します!!
一斉に発射されたミサイルは一発も漏れることなく穴の中へ吸い込まれます。
やがて着弾し、ものすごい勢いの大爆発が起こったのです!!
……が、結果は変わりません。
巨大すぎる隕石からすれば、ほんの小さな穴が穿たれただけ。
砕けることもなければ、軌道も変わってはいません……

それでも何かないかと周りを見回す壱郎。
すると……直径数百メートルは越えているだろうとんでもない大穴が開いているのを発見します。
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おそらくこれは、アメリカ連合チームの総力を挙げての作戦が生み出した大穴。
先ほどの壱郎の行動がいかにちっぽけだったのか、そしてその一郎を大幅に超える作戦をもってしても無意味だった、と言うことをありありと示すそれ……
ですがそれでも、壱郎は言うのです。
なぜ僕がロボットになったのか、絶対意味があるはずなんだ。
そう言って、壱郎はその大穴をさらに深く掘り進め、再びミサイルを一斉発射するのです。
……が、結果は同じ。
目の前に迫る絶望に、壱郎は悲嘆にくれることしかできません。
そんな壱郎に、直行は言いました。
もう人類の未来は決まってるんです。
僕も最後は親と一緒に過ごします。
犬屋敷さん、もう、引き換えしてください。
……そんな時のことでした。
暗闇の中に一筋の光が煌き……
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晧が降り立ったのは!!



と言うわけで、クライマックスが訪れる今巻。
いよいよ完結となる今巻、人類に破滅をもたらす隕石の上で、二人は最後の再会を果たします。
人類に宣戦布告をし、様々な破壊を行い、そして壱郎に打ち倒された晧。
彼はいったい何のために隕石にやって来たのでしょうか?
壱郎に復讐に来たのか、それとも……!!

そして物語は最終局面へ。
人類の総力をもってしても何もできなかった、巨大すぎる隕石の落下。
壱郎の兵器を使用してもやはりどうにもならなかったわけですが……
地球の運命は、その壱郎、そして晧に託された形になりました。
果たしてこの後物語はどうなっていくのか?
運命に翻弄された二人の選択とは?
地球に残された壱郎の家族は、直行やしおんは?
壱郎と晧、二人の男が機械となってしまってから、瞬く間に過ぎ去っていった嵐のような物語は……
衝撃の完結を迎えるのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!