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今回紹介いたしますのはこちら。

「新日ファンタジー」第1巻 小田扉先生 

小学館さんのコロコロアニキコミックスより刊行です。


さて、団地漫画界(あるのかどうかはおいておいて)前人未到の30巻に到達した「団地ともお」も好調な小田先生の最新作となる本作。
そこかしこからプロレスLoveを感じさせる小田先生でしたが、本作ではいよいよ(?)本格的にプロレス漫画を、それも新日本プロレスをモチーフにした漫画を手掛けることになりました!
と言ってもそこは小田先生、普通のプロレス漫画なはずもありません。
気になるその内容はと言いますと……!?



ある日のことです。
タナハシは、インタビューを受けておりました。
インタビューの流れで、数年前に起きたある出来事のお話をすることになったタナハシ。
そのお話は、なんでもタナハシが良く行っている、天を指さす逸材ポーズが生まれたきっかけでもあるそうで……?

その頃、プロレスの人気が低迷していまして、児童公園にリングを設営して試合をしているなんてこともありました。
お客さんも数えるほどしかおらず、拍手もまばら。
それでもタナハシは、百年に一人の逸材、タナハシでーす、と明るくふるまって頑張っていました。
が、なぜか見ている観客からは、百年に一人じゃなくて、二人って感じがするんだよな、と言う声が聞こえてきまして。
その他にも、チャラく「愛してるのはお前ただ一人だよ」と女性を口説いたりしてみても、私だけじゃなくてもう一人いる気がすると袖にされてしまったり、レストランに一人で行ってもなぜかお冷が二つでてきたりと、なんだか嫌な感じの出来事が連続して起きていたのです。
そこで生まれたのが逸材ポーズ。
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二人じゃなくて一人だよ!と言うアピールのために一本指を立てていたことから生まれたのです!!

……そんなアレな誕生秘話ですが、その続きも用意されていました。
なんだか気味が悪くなったタナハシは、そう言うお話に詳しそうな人物に相談してみることに。
……ゴトウです。
天然でアホだし、詳しそうだという理由でタナハシは尋ねたのだそうですが、やはり彼は親身になって相談に乗ってくれます。
その後ゴトウの天然エピソードが延々と続くのですが、長くなってしまうためにそこは割愛。
あれこれしてたどり着いたのは、なんと新日の道場でした。
そしてそこで待っていたのは……なんと、ナイトウ!!
と言ってもこれはちょっと昔の話、今の強烈なキャラを求めるのはちょっとトランキーロと言うものです。
まだ普通の(?)タナハシの後輩だった彼は、同情の地下にある隠し部屋にタナハシとゴトウを導いてくれました。
噂では聞いていた地下室。
そこに何があるのかは誰も知りませんでしたが、いざ中に入ってみますと……なんだかものすごい祭壇が用意されています!!
そこでナイトウは、衝撃の事実を明かしてくれました。
09年のナイトウのメキシコ遠征、実は古くから伝わる禁断の魔術を授かるのが目的だったとのこと。
帰国してから内藤は、その魔術男使って新日の最高を祈り続けているとのことですが……
その後のメキシコ遠征後、ナイトウは今のアレになってしまいました。
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現在のタナハシは、願いを叶えた代償に自分の中の「何か」を払いにメキシコに行ったのではないか、と危惧しているのですが……そこはまあ別のお話です!
ナイトウは魔術によって、タナハシに取り付いたモノ、そして新日の低迷の原因を探り当てます。
それは、目には見えない「疫病神」!!
ナイトウによれば、疫病神を打ち倒せるのはタナハシ本人しかいないとのこと。
タナハシは、決死の思いで戦いに挑むのです!!

観客もろくにいなイヤがいリングで戦いに挑むタナハシ。
傍から見ると、ただの一人で車道プロレス的なことをしているようにしか見えないのですが……
そんな白けた観客の目も、次第に熱を帯びていきます。
リング上にはタナハシしかいない、なのになぜか対戦相手が見える!!
凄い、すごいし間!!
相手の技を返し、一気に反撃!
スリングブレイドからのだるま式ジャーマン、そしてハイフライフロー!!
見事スリーカウントを奪い!!タナハシは勝ち誇るのです!!
観客のボルテージも最高潮になったそこに、ゴトウがまた変なことをしてきました。
何もないのに両手で何かを持ち、それを放り投げるジェスチャーとともに、ギターだ、勝利のメロディをかき鳴らせ!!と叫んだのです!
今のタナハシには、それを受け止め……そして、
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かき鳴らすことは雑作もない事!!
ノリノリでエアギターを演奏し、会場は一つになるのでした!!
……そこから、エアギターのパフォーマンスも始まったのでしたとさ……



というわけで、タナハシの逸材ポーズとエアギターの由来が明かされるエピソードをはじめとして、様々なレスラーのお話が収録されている本作。
このほかのお話も、見逃せないものばかり用意されています。
マカベの怒りに満ち満ちた日常を描くお話、「こけし」を極めるためにある行動の練度を上げていくホンマ、お母さ……もといゲドウから離れようと奮闘するおかだ、揺れ動くナイトウの心の内を支えるあれこれを描くエピソード……
その他にも、ゴトウ、テンザンを主人公にしてお話、そして最後にはそんなレスラー達がひとところに集まり雌雄を決するバトルロイヤルが描かれるのです!!
そのどれもが、小田先生ならではのシュールさと、なんでもありの芸風でコミカルに描かれているのです!
そして、巻末には新日本プロレスの冊子に収録されたショートギャグコミックも収録!!
虚実織り交ぜ……いや、虚しかないような気もしますが……ともかく、レスラー達にきっと親近感を抱くことのできる、面白おかしな日常が存分に楽しめますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!