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今回紹介いたしますのはこちら。

「カイテンワン」第1巻 柴田ヨクサル先生 

講談社さんのイブニングKCより刊行です。


さて、「妖怪番長」がちょっと急ぎのペースで終了となった柴田先生。
ですがすかさず本作の連載を開始!
本作は、その「妖怪番長」の続編と言える内容になっているようですが、あのすぐ後と言うわけではなく……?



どこにでもある(?)街のロープ屋さん。
そこで大人しそうな男子学生が、見るからに丈夫なロープを購入していました。
そして、そのロープを店員さんに差し出してお願いをし始めました。
このロープで僕を縛ってもらえませんか?
……何と言うことを頼んでくるのやら。
しませんよそんなこと、と当然お断りする店員さん。
そこで彼は大人しく店を出るのですが、そこで学生服を着た女子を発見します。
その学生服は、自分の通う学校で着ているもの。
そして、その特徴的な星型のタイは、その学校の特別クラス、星組の証。
それをみて、彼は彼女にこう語りかけるのです。
あの、星ノ下学園の方ですね。
僕も星ノ下なんですが……
僕をこのロープで縛ってもらえませんか?

彼女は面白がって、彼のことをそれはもうぐるぐる巻きに縛ってあげました。
やり過ぎじゃないかとも思える、簀巻き状態になってしまった男子学生。
それでも、男子学生は完璧です、と答え……そして、地面に寝転がったかと思うと、ゴロゴロと転がって移動し始めたのです!!

慌てて彼の後を追いかけていく彼女。
そのあまりの異様さに驚き、何者よと尋ねるのですが、彼は一切答えないまま……気が付けば星ノ下学園についていました。
やった、と小さな声を上げる女子。
ですがそれは学園についた喜びではなく、学園の校庭に10名弱ほどのガラの悪い感じの学生が集まっていたことに対して、でした。
来てる来てる、だけどちょい少ない……けど、まあいっか。
そう言うと、彼女は手を上げ、大声で彼らに語りかけたのです!
注目、みんな読んだのわたし!
私がネットにあげたこれ見てきたんでしょ?
そう言って、彼女は「全国最強番長決定戦、賞金100万円」と言った旨のかかれたページを見せてきました。
そして、じゃあさっさくやる?と喧嘩のお誘いをし始めたのです!!
100万円と言うのは真っ赤な嘘。
でも番長なんだから戦うでしょ、と彼女はまったく悪びれません。
ここに集まった大方のメンバーは、番長でも何でもない喧嘩自慢。
番長だと名乗るのは、北海道や沖縄からはるばるやってきてくれた二人……と、この参加を呼び掛けて女子生徒だけのようです。
そんな彼女が、この決定戦のルールを説明し始めます。
私対全員、私が勝ったら私がキングオブ全国最強番長ってことで。
そう言い終わるや、了承も得ずに彼女は駆け出し、手近にいた沖縄の番長を蹴倒したのです!!
瞬く間に番長を片付けていく彼女!!
それを見て、あの簀巻き男子が感嘆します。
そして……体の関節をはずし、縄から抜け出したではありませんか。
ちょうど彼女が番長たち全員を片付け終わり、キングオブ番長は私!と勝ち誇る頃に、彼は立ち上がり、急にこう尋ねてきたのです。
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僕も参加していいですか?
……突然の参戦表明に驚くものの、喧嘩が大好物の彼女、いいよ、とあっさり了解。
来な、と言う彼女の誘いを受け、男子はまっすぐに彼女へと向かって駆けだしました!
そんな彼を、素早い蹴りで迎え撃つ彼女!!
彼が想定していた以上の速さと力強さに驚愕する男子は、ものすごい勢いで攻撃を食らうのですが……ほとんどダメージはなさそうです!
平然とした様子で、かなり実戦慣れしてますね、僕はまだまだ実戦が足りないな、と呟くと……おもむろにバックから何かを取り出しました。
それは……ヘルメットと言いますか、兜と言いますか……奇妙な顔全体を覆う頭防具です。
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それを装着した彼を見て……彼女は、ある人物を思い出すのです。
かつて自分とともに妖怪と戦った、木場……「人間兵器」のことを!!
そしてそこに、そんな妖怪との戦いを共に潜り抜けた、二人の親友も現れました。
鎖子と呱子です。
彼女……巫子は、かつて命を懸けて妖怪と戦った、番長志望の少女なのです!!
そしてまた、この男子生徒も驚愕の身の上を語りました。
彼は、人間兵器見習いであり、件の木場の弟、シンだと言うではありませんか!!
木場家の人間は、男子ならばみな人間兵器になるのだとか。
そんな宿命を負ったこのヘルメットをつけると言うことは、彼の並みならぬ決意の表明だと言います。
相手を……巫子を、絶対倒さなければならない、と言う!!
とはいえ巫子の力は本物で、その後も一方的に巫子がシンを打ちのめす展開が続きます。
ところがシンは、いくら蹴り飛ばされても立ち上がり……
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人間兵器がターゲットを決めたとき、命を落としてもターゲットを仕留めなければならない。
そう言うのでした!!



と言うわけで、いきなり新主人公と旧主人公の対決から幕を開ける今巻。
前巻は妖怪との命懸けの戦いを描いておりましたが、今巻では人間同士の戦いがメイン……かと思わせておきまして、この後やっぱり物語は「妖怪番長」を踏襲したお話になってまいります!!
妖怪が登場し、巫鎖呱の三人と、シンを中心にしたメンバーが戦っていくようです!
が、今回のメインとなるのはそのバトル要素だけではなさそうです。
柴田先生作品に欠かせない要素と言えば……ラヴ!!
「谷仮面」「エアマスター」「ハチワンダイバー」と、脈々と受け継がれてきた、望むとか望まないとかはおいておいての超情熱的な愛!!
それが本作では、「谷仮面」ばりに物語の一本の軸になっていくようなのです!!
本作でも、柴田先生しか描くことのできない、勢い重視の強烈な愛が迸ってまいります。
その愛が成就するのかどうかはまだわかりませんが……
その猛烈極まりない熱量はもう必見としか言いようがないでしょう!!

そして、やっぱり忘れてはいけないのがバトル要素。
人間兵器見習いが主役と言うことで、「妖怪番長」の人間兵器も使っていた「勁」を使ったバトルが繰り広げられます。
勁を使った大迫力のバトルは、もう今までの作品で実証済み!!
第1巻から爆発する特大の勁も必見です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!