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今回紹介いたしますのはこちら。

「刃牙道」第18巻 板垣恵介先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、徳川邸を出て国家に戦いを挑んだ武蔵。
機動隊が大挙して鎮圧に向かったものの、やはり待っていたのは圧倒的な力の差を見せつけられる現実でした。
一体どうすればこれ以上無駄な犠牲を出さず、武蔵を鎮圧できるのか?
警察の取った手段とは……!?



警察が白羽の矢を立てたのは、刃物や拳銃を使った戦いを日常としたアウトローな組織、その長です。
その長とは……天賦の才のみで戦いに挑み、その為の鍛錬すら女々しいと断ずる侠客……花山薫!!
最初はその依頼を聞き、難色を示していた花山ですが、警視総監の心情を知り、結局は首を縦に振るのですが……

花山の右腕、木崎はご老公の自宅を訪ねていました。
ご老公に呼び出されてはせ参じたわけですが、その目的は……もちろん武蔵のことです。
ご老公は、眉をひそめながら、こう言います。
引き受けたことはいかにも花山らしく立派なものじゃが、相手が最悪じゃ。
木崎も相手が誰なのかは当然聞いているわけで。
聞いてはいるのですが……宮本武蔵、と言われても……と言う、何とも言い難い感覚しかないのです。
そんな木崎にご老公は、君はインテリらしいが、「クローン」についての知識はおありかと聞くと……さすがは木崎、そこで察したようです。
あれは「武蔵を名乗る男」ではなく、実物、だ。
真剣な表情で語りかけるご老公を前に、木崎は何か気の利いた感想を言うこともできず、素直に湧いてきた疑問を投げかけることくらいしかできません。
宮本武蔵と言えば、稀代の剣豪。
その剣の腕もそのままなのか……?
当然の疑問に対する、最高にして最悪の答えを、ご老公は返しました。
烈海王がブッた斬られとる。
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あのとんでもない実力を持った烈が、武蔵に斬られている。
その事実を聞いた木崎は、目を剥いて固まることしかできませんでした。
そしてそれは、木崎からその方を伝えられた花山も同じ。
しばしかたまり、確かであるかの念押しをして……そして、さらなる長い硬直に入るのです。
ご老公は、相手が悪すぎると言っていた。
そんな木崎の言葉が耳に入っているのかいないのか。
固まり続ける花山ですが……それは、ただの驚愕による硬直ではありませんでした。
花山の足元から聞こえてくる、何かが滴るような音。
それは……
共に地下闘技場で腕を競ってきた「仲間」の死を悼み、そしてその死をもたらした相手への仇討をしなければならないという義侠心なのでしょうか。
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その強大すぎる握力で拳を硬く固く握りしめ、その結果避けた掌から滴る、治の雫の滴る音だったのです!!
……そして、花山は一言。
どこだ。
……木崎の調べによれば、武蔵は今まさに渋谷方面から新宿に足を踏み入れたところだそうで。
その知らせを聞いた花山は、にやりと口角を上げ……
縄張り(しま)じゃねえか、そいつは丁寧にお迎えしねえと、と……立ち上がったのでした!!

花山の外伝でも少し描かれていましたが、花山は勉強なんかの知識面は……そりゃ酷いものでして。
宮本武蔵に関しての知識も、時代劇の、侍の……と言う程度ものでした。
さすがの木崎もそれには驚き、もっと相手を知るべきだというのですが、花山にとってそれは受け入れられない事。
たまたま知っている、自分の持っている知識、それだけで良い。
それ以上知りたがると卑しくなる。
そう言いきって、ふんどし姿にさらしを巻いて、大きなコートを一枚羽織っただけの姿で武蔵の元へ出かけるのです!!

……そして、その時はやってきます。
ネオンの輝く夜の街の中……
その身一つだけで戦う侠客と、天下無双の剣豪が、
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対峙する時が!!



というわけで、花山VS武蔵の決戦の火ぶたが切って落とされようとしている今巻。
無敵と言っても過言ではない、剣を携えた武蔵。
そんな武蔵に戦いを挑むことになった花山ですが……確かに花山、拳銃や刃物を扱う相手との戦いの経験においては、バキシリーズのキャラクターの中でも屈指のものと言えるでしょう。
ですがその戦い方は、小さな刃物や銃弾をくらってもお構いないしとばかりに拳を叩き込むという、その抜群のタフネスを生かしてのもの。
武蔵の一撃必殺の斬撃を前にしては、そのタフネスも役には立たなそうな気もしますが……
それでもおそらく、花山は戦い方を変えないでしょう。
相性的には最悪と言ってもいいようなこの戦い、果たしてどのような戦いになるのでしょうか?
下馬評を覆し、花山が武蔵をねじ伏せるのか?
それとも予想通りあっさりと一蹴させられてしまうのか?
そのどちらでもない展開が待っているのか……?
ともすれば、バキシリーズイチの人気キャラ花山が、まさかの死迎えるという展開もありうるかもしれません!!
目の離せない戦い、その一挙手一投足に注目です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!