sf0
今回紹介いたしますのはこちら。

「すうの空気(フェイズ)攻略」第4巻 福井セイ先生 

小学館さんのサンデーうぇぶり少年サンデーコミックスより刊行です。


さて、ミカと小牧が加わり、とうとう五人になったふぇいぶ。
母のマニュアルによれば、ポジションのかぶりのない5人組は「至高の布陣(ザ・パーフェクト)」と呼ばれる最高の陣形なのだそうで……
至高の布陣となった(らしい)ふぇいぶはここから一気に飛躍……するのでしょうか!?



授業中のことです。
先生の声が嵩が教室に響く中、すうは……ひとり、にやにやしておりました。
彼女の頭の中にあるのは、もっぱらふぇいぶのことばかり。
至高の布陣ができ、昨日はさっそく部活をしたのですが、そこでの活動が素晴らしかったとご満悦のようです。
ちなみにその部活の内容と言うのは……団子とお餅はどっちがいいか、うどんと蕎麦はどっちが好きかと言ったような、本格的にどうでもいい食べ物のお話ばかりだったのですが……
ともかく、その至高の布陣のすばらしさに打ち震えるすう。
母の教えによれば、至高の布陣はどんなフェイズが襲い掛かってきても攻略できるとのこと。
フェイズどんとこいじゃ!と授業中にもかかわらず、すうはきょろきょろとするのですが……
その時、先生が数のおなりの席の男子を当てて、古文を訳させます。
男子は勉強不足だったのでしょうか、その問いに答えられません。
全然違うぞ、お前授業聞いてなかったのか、と怒り出す先生……とたんに、空気が悪くなってまいりました。
おろおろとしだすすう。
なにせ彼女も古文は苦手。
当てられてしまい、間違えてしまったらこの男子のように怒られてしまうかも……!!
子の空気……そう、フェイズです!!
「問撃の避仮面(アスカレイドマスク)」。
先生が生徒を当てるモードになったときに発動するというそれは、今まさに求められているものでした。
今は一人だから至高の布陣が関係ないじゃないかとショックを受けるすうですが、慌ててこの状況の回避方法を調べます。
母のマニュアルによれば、答える自信があるときは笑顔たっぷり二先生を見つめ、自身がない時はうつむいて困り顔をぶちかませ、とのこと。
クラスのみんなは一様にその困り顔をしていますので、自分もそれに倣おうとします。
ところがそんな時、ふと教科書の中のこんな文章を見つけてしまったのです。
花よりも団子やありて 帰る雁
俳人・松永貞徳の有名な一句ですが、数にとってはその文章、昨日のふぇいぶでの団子に関してのお話を呼び起こさせるものでしかありませんでした!!
sf1
その幸せな時間を思い出して、思わず幸せそうな笑顔をしてしまうすう。
そこではっと我に返り、アスカレイドマスクを作りだそうとするのですが、一度湧いてしまった雑念がそう簡単に消えないのはみなさんも御存じでしょう。
どう頑張っても笑顔になってしまい、困り果てたすうはとうとう泣き笑いを始めてしまうのでした!!
その謎の行動をとるすうを、先生は見逃しません。
結局当てられてしまったすうですが、もはや問題すら何だったかわからないのでしょう。
みかちゃんがお餅派で、私がお団子で、と頓珍漢な答えをするのが精いっぱい。
あきれ返った先生は、もういい、どうなってるんだこのクラスは、とため息をつくのです。
ですが、フェイズはまだ終わっておりません。
次の句こそ訳してもらうからな、と更なるターゲットを探し始めたのです!!
今度こそ当てられてはならない。
そう感じたすうですが、どうしても楽しい思いではよみがえってしまいます。
何とか困り顔を作らなければ、と苦心するすう、とうとう自分の手で自分の目じりを下げて困り顔を作ろうとこねくり回し……
sf2
先生からはその様子が丸見えで、何をやっているのかと逆に戸惑う始末。
そんな様子を、同じクラスにいるふぇいぶ員、恵と小牧もまた気がついた様子です。
小牧のすうのことを書き綴るノートには、こうかかれていました。
すうにゃんなにやら変顔中、かわいい。
でも次当てられたらホントにおこられそう……
そんな小牧の思いも知らず、絶賛アスカレイドマスク中のすう。
先生もとうとうしびれを切らし、すうに当てようとしたところ……
sf3
すっとあげられた手。
それは……小牧のもの、と、その3つ前の席に座る恵のものでした!
それを察した小牧はそのまま手を下ろし、無事恵が指名。
勉強家の恵はあっさりとその問題を答え、困難は無事回避されるのです。
……すうは気が付いていたでしょうか。
至高の布陣は、すでにその力を発動させていることに。
母の想いは、すうに語りかけます。
この布陣の本質は、『助け合える大切な仲間」。
すうもまた、その仲間たちを助け、大切にしてあげなさい。



というわけで、至高の布陣を敷くことに成功したすうの日常を赤裸々に描いてい今巻。
すうの思い描いていた布陣ができたことにより、すうの期限はばっちり上々。
いつも天真爛漫な彼女の顔が、いつも以上ににこにこしてしまうのです!
数はもう大丈夫かもしれませんが、そうなると……他の部員たち同志はどうでしょうか?
恵とミカを除くと、他の部員たちはみんなすうを慕って(?)やって来たわけで。
すうなしで一対一になったりしたらどうなるのか?
一人だけ別行動をしたりしたらどうなるのか?
そんな、ふぇいぶ員の掘り下げが今巻、行われていくのです!!

そんなキャラクターの掘り下げに加え、すうのあれこれ、さらにふぇいぶの活動の楽しい様子がたっぷり描かれていくわけですが、ふぇいぶ以外のキャラクターも登場。
さらに学校以外のお出かけどころか、お友達の家への御呼ばれなどのイベントも催され、お話はますますにぎやかに!
出てくるキャラクターは誰もがキュートでかわいらしく、仲良しなのがいい所。
ホンワカ楽しい一冊となっているのです!!

……そして、そんな心穏やかに楽しめる本作も、次巻で完結!!
ふぇいぶのみんなの生き様を、見届けましょう!!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!