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今回紹介いたしますのはこちら。

「双亡亭壊すべし」第6巻 藤田和日郎先生 

小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行です。


さて、絵の中に取り込まれた鬼離田姉妹を助けるため、絵の中に飛び込んでいった務と紅。
完全に双亡亭の傀儡と化してしまった長女・菊代の魔の手から、次女の雪代と三女の琴代を救うことには成功したのですが……



取り込まれたにもかかわらず、その4人が全員無事に帰ってきた。
その事実に、外で待っていた宿木やアウグストは驚きを隠しきれません。
務の無茶な行動にはみなひやひやさせられましたが、ともかくこうして無事に帰ってこられたことは喜ぶべきことなのでしょうが……
一概に無事とは言い切れないのです。
絵に飛び込んでいった紅、捕えられた雪代と琴代はもはや立ってはいられないほどの疲労に襲われているようです。
そして、パイロキネシスを使って戦うマーグ夫妻も能力の使用やそのサポートで疲れ切り、アウグストの使用している器具もメンテナンスが必要なようです。
そこで宿木は一つの決断をしました。
……撤退です。
爆弾班の活動も失敗に終わった今、疲労困憊の自分たちだけでこれ以上探索しても得るものはない。
一旦撤退して作戦を立てなおし、体力も回復させるべきだ、と考えたわけです。
務はせっかくここまで来たのに実質何もせずに帰るのはどうなのか、そもそも帰り道がわかるのかと疑問を投げかけます。
確かにこの双亡亭ではGPSすらも効かないのですが、そこは雪代と琴代の「目」があれば大丈夫だそうで。
双亡亭に憎い母の仇がいる雪代と琴代も、マーグ夫妻も体力の回復する時間が欲しいと言いますし、そうは言わない紅とフロルも見たところ相当疲れ切っています。
アウグストは貴重な検体も手に入ったから本国で研究したいのことで、事実上の全会一致で撤退を始めるのです。
……が、そんな中で異を唱えたのが務でした。
せっかく奥の方まで来たんだから、何か奴らを倒す方法を試すべきなんじゃないだろうか?
そう言って、一同の前に立ちはだかったのです。
今までで一番おびえ、逃げ出したがっていたのはほかならぬ務自身。
今現在も、吐き気を催すほどの恐怖が務を苛んでいます。
が、それでも務は残るべきだと主張するのです。
なぜそんなことを言うのか、我々は十分に戦っただろう!と務に食ってかかる宿木。
アウグストたちはというと、お前は戦ってもいないのに何を言うんだ、なんの力もないくせに、とさげすむような瞳でにらみつてくるのです。
……が、そこで務はなんと、笑い始めました。
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十分に戦っただって?
あいつらと十分に戦っただって?この野郎!
そう叫んだかと思うと、今度は怒りのままに心情を吐露し始めたのです!!
あいつらは人の心の一番触れてほしくない所を揺さぶってきて、「お前の体をよこせ!」と厚かましいことを言って来る。
そんなやつらに、人間が負けるかよ、負けてたまるかよ!
今すぐダッシュで外に逃げ出したいほど怖いけど、でも逃げねえよ!
奴らがやっつけられるのを見てえからよ、俺の100倍すげえ力を持ってるあんたらがやっつけるところをよ。
あんたらは、まだ十分に戦ってねーよ。
お互いの情報や経験を全然しゃべりあってねえからだ。
自分で勝手に戦って、勝手に生き残って。
十分に戦うってのは、最強の技を出して勝つってことだろ?
俺達の最強の技ってのはよ、みんなで力を合わせてやるってことだぜ?
その技を使ってないのに一流の霊能者が逃げるのかよ!!
俺は見てーんだよ、この双亡亭がぶっ壊れていくところを。
俺はこの家がぶっ壊れるまで逃げねえ、絶対見届けてやらあ!
誰か俺に見せてくれよ、なあ!!
……務は思いのたけを一気に吐露し、隣の部屋に続く敷居をまたぎます。
そしてその敷居を指し、
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逃げるものは残れ、戦うものはこっちにこい、と言うような言葉を投げかけました。
宿木は誰もこの家に残るわけがない、と吐き捨てますが……すぐに、その敷居をまたいで務と共に戦う意思を表すものが現れます。
……紅です。
立つのがやっとと言う感じの紅ですが、彼女はもともと死の覚悟をしてこの屋敷にやってきていたわけで……
何の力も持たない録朗がこの屋敷に入ってしまう前にここを壊す、その決意をはっきり自分に刻んでくれたのは……と言って、務の顔を見つめるのです。
そしてそれにフロルも続きます。
命を助けてくれた人の手を振り払う腰抜けにはなりたくない。
そう言って、引き留めるアウグストを振り切り、戦う意思を表明!!
さらにそのフロルの言葉に賛同し、マーグ夫妻も残留組に来てくれました!
馬鹿らしい、とアウグストと宿木は立ち去ろうとしますが……雪代と琴代は務にある質問をし、その答えを聞いて心が動かされたようです。
いつもの様に笑いながら、敷居をまたいでくれたのです!!
心眼をもつ姉妹がそちらに行ってしまえば、確実に脱出する手立てはない。
それならば……そう考えたのでしょう。
学者らしい合理的な考えに基づく「I have no choice」……
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「しょうがない」の判断をして、アウグストも残留の決意をしたのでした!!
ですがアウグストしょうがないから残る、と言うマイナス思考の考えだけで決めたわけではないようです。
務の言っていた、情報の交換をしないまま撤退の判断をしたことは正しくない、という意見も引っかかっていたのです!
結局出ることを諦めざるを得なくなった宿木が見つめるなか、情報の交換を始める一同。
その情報交換によって……一同はとうとう、双亡亭打倒につながりうる決定的な事実にたどり着くのです!!



と言うわけで、撤退から一転、戦う意思を固めることになった今巻。
務の激励によって、何とか体勢を整えた一同ではありますが、疲労困憊なのは事実。
双亡亭を壊すための手がかりとなるであろう事実を知り得たことは大きなプラスとなるのでしょうが、それを破壊に使うためには多くのハードルを越える必要がありそうで。
やはり双亡亭を破壊するのは簡単なことではなさそうです!!

そしてこの後、双亡亭が人間を取り込んで傀儡とする目的が判明します!
それは、双亡亭を壊すための事実にもつながる衝撃的な目的でして、その目的が果たされると人類全体を巻き込むとんでもない大崩壊を招きかねないもの!!
双亡亭の驚くべき目的を、務達は阻止できるのか!?
前半戦クライマックスにふさわしい、とんでもない事実の判明、そして大規模な戦いが繰り広げられるのです!!

さらにそこに、とうとう青一や録朗も絡んでまいります!
本作のキーマンが一堂に会する時も近づいて来ているようで、物語はさらにさらに盛り上がっていくことでしょう!
藤田先生ならではのド迫力の作画、熱い台詞、ドラマティックな展開、どれもに目が釘付けになってしまいますよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!