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今回紹介いたしますのはこちら。

「早乙女選手、ひたかくす」第4巻 水口尚樹先生 

小学館さんのビッグコミックスより刊行です。


さて、いよいよ全国大会に向かうことになった八重とサトル。
全国大会では、去年キャリアがまだ浅かった八重を倒した強豪選手、ミヅキも参戦する予定です。
初の公式戦となるサトルも、リベンジ&全国制覇を狙う八重も、緊張は高まる……ものの、二人仲良く練習を積んで準備を整えるのです!



件の因縁の相手、ミヅキとちょっとしたひと悶着があった八重。
部の顧問によって謝罪させられたミヅキでしたが、その顔からはまったく反省の色が見て取れません。
終始八重をにらみつけてくるミヅキに、たまりかねたサトルが問いかけます。
まだ何か用でも?
早乙女さんは今大会に向けて必死で仕上げてきたんです、これ以上何かするなら……!
ミヅキの友人らしき女生徒が間に割って入り、ゴメン、誤解しないで、この子も早乙女さんと試合するのを楽しみにしているんだ、とフォローしようとしたのですが……
そこでミヅキ、よせばいいのに口を出してくるのです。
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男と遊んでるようなやつにもう興味ない、格闘家に男女交際は必要ない。
……どうもミヅキ、八重とサトルが電車の中で手をつないでいる(実際は腕をつかんでいただけなのですが)シーンを見てしまったようで、お前らさっき電車で手をつないでただろーが、恋愛はアスリートをダメにする!顔を真っ赤にして叫んだのです!
あんたは決勝まで上がってこれない、その男があんたを弱くしたから。
そう言い残し、去ろうとするのですが……そんなことを言われて黙っていられる八重ではありません!!
自分が侮辱されるだけならいつものようにスルーできるのでしょうが、なにせ今回はサトルのことを馬鹿にされたのですから!!
ただならぬ雰囲気をまといながら、ミヅキのほうへと歩いていく八重!!
一触即発、大会を待たずして二人の戦いが始まる……かと思いきや、そこで登場したのが美都でした!!
サッと八重とミヅキの間に割って入ったかと思うと、二人の……胸をきゅっとひともみ!
ふたりともそっち方面に疎いわけで、すっかり気勢をそがれてしまい……やり方はどうあれ、美都はこの場を無血で納めるのでした!!

そんな騒動はあったものの、その後は特に問題なくスケジュールは進行しました。
問題があるとすれば、サトルも試合を組まれた練習相手の高校が、インターハイ常連の強豪、扇山高校だったことでしょうか。
サトルの相手はボクシングを始めて3か月と言うキャリアの浅井選手ですが、それでもその体はバッキバキに鍛え上げられておりまして、相当な強者であることがうかがえます。
試合を前にした控室では、そんなことをぼやく男子生徒たちが試合の準備をしていたのですが……サトルの姿がありません。
いつものこもり癖だろう、メンタルの強ささえあればもう少しアイツも……と、部員たちはため息をつくのです。
そんな声を聞けば、いてもたってもいられなくなる八重。
部員の目を盗んでそっと控室を抜け出し、サトルを探して歩きます。
するとサトル、階段の踊り場で一人たたずんでいました。
八重はサトルに、ホントに大丈夫かと尋ねてきます。
いつも自分の練習に付き合ってくれてたし、もしかしてそのせいで自分の練習ができなかったとしたら私……
八重は、そう言うと、口をつぐんで目をそらしてしまいます。
そんな八重に向かってサトルは、両手に巻いたバンテージを見せてきたのです!
八重さんって字上手いんやね、と言うサトル。
そのバンテージは、八重が応援の言葉をひたすら書き綴っていたものです。
本当はさっきまで大丈夫じゃなかったけど、バンテージの鼓舞するたくさんの言葉と、和ますためのネコのおかげで気を静めることができた、とサトルは笑顔を見せたのです。
ちなみにその絵は猫ではなく、虎だったりするのですが……まあそこはいいでしょう。
一度はやめようと思ったものの、八重のおかげでまたリングに立てる。
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八重と出会う前より今の自分のほうが、絶対強い!!
サトルは、そう言い切るのです!!

いよいよ試合の時がやってきました。
ヘッドギアにグローブを装着し、気合は十分!!
緊張の勝負にいざ出陣……と言うところで、八重が声をかけてきました。
振り向くと、八重はサトルの目の前まで迫ってきて…・…
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額をこつんとぶつけてきたのです!
八重の気持ちをしっかり受け取ったサトル!!
……もう、あとは勝つだけです!!



と言うわけで、試合に挑むサトルの勇姿が描かれた今巻。
この後、サトルの初試合を余すことなくしっかり描いて下さいます!!
年齢とキャリアは上であるものの、対戦相手のほうが確実にフィジカルは上。
キャリアも上とはいえ、試合経験と言う意味ではゼロなので、その点もそれほど優位とは言えないかもしれません。
勝ち目があるとすれば……八重とともに培ってきたテクニック!!
サトルはそのテクニックを携えて、八重に勝利することができるのでしょうか!?
その緊張の一戦、見逃してはなりません!!

そしてその後はいよいよ本番、八重VSミヅキです。
ミヅキはこの階級で抜群の実力を持っていまして、その実力は去年よりも確実に上がっています。
八重も去年とは見違えるほど実力をつけてはいるわけですが……ミヅキの得意とするある技に苦戦を強いられることになり……!?
八重とミヅキ、その決戦も必見です!!

と、そんなバトルばかりを取り上げてしまいましたが、いつもの二人の不器用でウブな感じのお付き合い描かれております。
試合がメインですのでその量は少ないのですが、試合後の二人は今まで以上にいい感じ!!
急接近する二人の関係、存分にときめいて下さいませ!!
さらに今巻のキーマンであるミヅキも試合以外でも活躍!!
彼女が恋愛を否定するに至った理由が明かされたり、八重とサトルのあんな姿を目撃してしまったり……
今後の展開にも絡んできそうな雰囲気もあり、さらなる活躍も期待できるかもしれませんよ!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!