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今回紹介いたしますのはこちら。

「外れたみんなの頭のネジ」第4巻 洋介犬先生 

アース・シターエンターテイメントさんのアース・スターコミックスより刊行です。


さて、狂気に包まれた世界の中で、失われた記憶を求めてあがくミサキ。
悪魔だというべへりんに記憶を戻してもらう魔力を補充するため、狂った話を収集することになります。
そんな日々の中で、徐々に記憶を取り戻していくミサキ。
その先で、狂気に満ちた日々の始まり、「613」の真実にたどり着くことができるのでしょうか。



これは昭和のころ、関西のある地方でのお話です。
小さな村に、都会から若い女性が嫁いできました。
するとすぐ、彼女は村のお年寄りたちに呼び出され、こんなことを言い渡されたのです。
髪の毛を、全部刈り取ってくれ、と。
何でもこの村の風習だそうで、ここに嫁いできた女性は、生爪か髪かを海に捧げなければいけない決まりがあるのだとか。
村の外で育った髪や爪は穢れとされていて、赦しのために最初の一回だけで良いので髪の毛を全部切ってほしい。
そう頼んでくる老人たちに、その女性は……ばかばかしい、なんですかそれは、とまるで取り合いませんでした。
海の神なんてものを本気で信じているのか、冗談じゃない。
完全にバカにしてかかっているかのような発言をする彼女は、そのままこう続けます。
いい機会じゃないですか、私がそんなことをしなくても大丈夫だって証明してあげますよ。

それから一か月がたちました。
女性の身には、一向に何事もおこる気配がありません。
ほら、何も起こらないじゃないの、と笑いながら彼女は日々の生活を送っていたのですが……
あくまで、それまでは、の話でした。
ある夜の事、一緒に床に就いていた旦那さんは、恐ろしいものを見ることになってしまいました。
いきなり布団から起きだし、虚ろな表情で立ち上がる女性。
その奇妙な行動を見た旦那さんは、女性にどうしたのかと尋ねました。
ですが女性はそれに答えるでもなく、虚空を見つめ、うっすらと涙を浮かべながら、ぶつぶつとつぶやくのです。
わたしが、いたらぬばかりに……
何回か彼女がそう繰り返した時のことでした。
どこからともなく、無数の腕がにょきにょきと伸びてきて、彼女の体をつかみ取り始めたのは!!
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髪の毛をむしり、腕をむしり、脚をむしり、そして……頭をむしられる。
目の前で起きる常軌を逸した出来事に、旦那さんは絶叫することしかできません。
気が付けば女性の四肢と頭部はいずこかへと持ち去られ……そこには、胴だけが残されていたのでした。

この物語の名は、「ビクの生首」。
その物語を話そうとしたものは、命を狙われてしまう……
かつてミサキもひょんなことからそのタイトルだけを知り、それだけで知ろうとするなと脅され、そして友人にその話を聞いてみたところ、放し始めた友達が不可解な事故に会い、それ以来会うことができなくなってしまった……今もしっかりと存在する「いわくつき」の物語なのですが……これはまだ、序章でしかありません。
物語は、まだ、続くのです。

妻を失って後悔に暮れる旦那さん。
彼は自らの甘い考えを悔い、その心を苛まれながら生きていくことになってしまいました。
が、それだけならまだよかったかもしれません。
彼が苛まれることになったのは、心だけではなかったのですから。
気が付けば……彼の腹部には、奇妙な瘤ができていたのです。
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その瘤は……不気味に、どくどくと脈打っていて……

昭和の時代のことだけに、まだその小さな村には瘤の中を見る妙な医療機器はありません。
また、掟破りのこともあって村の人々に距離を置かれてしまっていた旦那さんは、誰かに相談することもできませんでした。
やむなくその瘤を隠しながら生活していたのですが……
瘤は、どんどんと大きくなってしまいます。
隠し切れないほど置きくなってしまったその瘤、村人に見られでもすればどんな扱いを受けるかわかったものではありません。
隠れ、家にこもるのにも限界があります。
やがて、精神的な限界にたどり着いてしまった旦那さんは……視界に入ってきた鎌を手に取り、そして……
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自らの腹の瘤に、突きたてたのです!!
すさまじい叫び声!!
その声を聞いた村人たちは慌ててその場に駆け付けました。
そこには……腹を掻っ捌いた旦那と、そして、瘤の中に入っていた、おぞましいものが、転がっていたのです……!!



と言うわけで、とうとう「ビクの生首」の全貌が明かされる今巻。
今作第3話からその存在が明かされ、どんな物語なのかが語られることはなかったこの物語、とうとう明かされる時が来たわけです!
風習を甘く見たものが、得体のしれないものに無惨に殺される。
ある種のテンプレートの様な物語でしたが、その恐ろしさはその後にこそあって……!!

とはいえ、そのビクの生首が「613」の鍵をんびぎるかと言えばそう言うことはなさそうです。
そう言うことはない、のですが……この物語を知っていて、語ろうとする人物のほうはと言うと、話は違ってくるのです!!
この物語をかつて語ろうとした人物と言えば誰なのか。
そして、狂った話を語る相手と言えば誰なのか!?
物語は、再びゆっくりと時計の針を進めることになっていくようです!

勿論それ以外にもおなじみの生理的に来る恐怖話が満載!
脳裏にこびりつく奇怪な絵に取り付かれてしまった少女の話、「万引きしたクソガキの腕」を見せモノのように掲げる店主の話、人が必死に頑張っている姿を見ると笑ってしまうという少女にまつわる物語……
そんな、正気と表裏一体の一にある狂気の物語が今巻でもたっぷりと収録されているのです!!
そしてさらに、「613」の重大なカギを握る人物の名が明かされるエピソードまで登場!!
この狂った世界が生まれた原因が明かされ、ミサキの失われた記憶が取り戻される。
その時は、確実に近づいて来ています!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!