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今回紹介いたしますのはこちら。

「鬼滅の刃」第9巻 吾峠呼世晴先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、煉獄と上弦の参の鬼との戦いが劇的な結末を迎えた前巻。
その激戦の中で見出すもののあった炭治郎は、決意を新たに鬼たちとの戦いに挑むのです。
そんな時に突如現れた、「音柱」宇髄天元。
彼に半ば強引に連れられ、炭治郎たち三人は鬼の住む遊郭への潜入を試みることになったのでした。


炭治郎、伊之助、善逸は適当な化粧を施され、女装してそれぞれ鬼の気配のある怪しい遊郭に潜り込むことになりました。
その中でも炭治郎は、真面目で働き者なため本来の仕事はともかくとして雑用のほうで重宝され、無事溶け込むことができていました。
そんな出だし好調の中、遊郭の中でもトップクラスの人気を誇る鯉夏花魁の部屋で、何やら噂話をしている女のことを見つけます。
「京極屋」のおかみさん、窓から落ちて死んじゃったんだって。
最近は「足抜け」していなくなる人も多いしね、怖いね、気をつけよう。
京極屋と言えば、善逸の潜入している店。
ですがとりあえず炭治郎は、「足抜け」と言う言葉が気になったようで。
噂している女の子に尋ねてみますと、なんでもこう言ったお店に入る時に背負っている借金を返さないまま逃げ出してしまうことのようで。
見つかったらひどい目に会わされてしまうのですが、好きな男の人と逃げるなどと言うロマンティックな理由で試みるものもいるとか。
先日も、須磨という花魁が足抜けしたとのことなのですが……須磨と言えば、宇髄があらかじめスパイとしてはなっていた、3人の奥さんのうちに一人のはず。
わけもなくいなくなるはずはないのですが……
そんな話をしていますと、部屋に鯉夏が帰ってきました。
噂話はよしなさい、本当に逃げ切れたかどうかなんてわからないのよ、とたしなめてくる鯉夏。
炭治郎は、須磨は本当に足抜けしたんですかと尋ねてみたのですが……なぜそこまで突っ込んで聞いてくるのか、疑問に思うのは当然。
どうしてこんなことを聞くのか、と問いかけられてしまい……炭治郎は、ものすごい顔をしながら、
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姉なんです、と答えます。
嘘の付けない炭治郎は、こう言った仕方のない嘘でも苦痛でならず、自然とものすごい顔になってしまうのです。
ともかくその嘘は信じてもらえたようです。
鯉夏も須磨が足抜けするような人物には見えなかったものの、失踪後日記が見つかり、そこには足抜けすると書いてあったのだとか。
捕まったという話も聞かないので、逃げきれていればいいのだけどと鯉夏は心配そうにしています。
……そんな様子を見て、炭治郎は納得してしまいました。
おそらく日記は偽装……人が消えても、遊郭から逃亡したと思われるだけ。
鬼にとっては都合がいい場所だ。
炭治郎は須磨を必ず助けると心の中で誓うのでした。

一方、伊之助のほうも何かをつかんだようです。
宇髄の嫁の一人、「まきを」の部屋から漂って来るぬめっとした嫌な感じ。
何が起きているのかはわかりませんが、様子をうかがってじっくり調査する、と言うタイプではない伊之助は深く考えず突っ込んでいきます!!
中に押し入ると、部屋の中はボロボロ、いるはずの巻きをの姿もありません!!
が、伊之助の鋭い感覚は、鬼が天井裏から逃げ出したと言うことに気が付きました!!
ばれてるぞ!と叫んで手近にあったうどんを投げつける伊之助!!
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すると天井裏でものすごい音が響き、そのまま天井裏から何かがかけだす音が響き渡るではありませんか!!
逃がさないと意気込んで音を追いかける伊之助ですが……通りすがりのお客に鉢合わせしてしまったせいで見失ってしまいました。
くそったれ、と歯ぎしりして悔しがる伊之助ですが……?

善逸のほうも、何か感じ取っていました。
耳の良い善逸は、店中の声に耳を傾けたものの、例のおかみさんの死の話もあって噂話もそれほどはずまず、店は重苦しい空気に包まれています。
それでも何か手掛かりはないかと耳を澄まし続けるのですが……そこで、女の子の鳴く声を聞いたのです!!
任務はもちろん大事なのですが、女の子の鳴いている声を聞いて黙っていられる善逸ではございません!!
すかさずのその鳴き声のほうに飛んでいきますと、めちゃくちゃに荒れ果てた部屋の中で泣いている女の子を発見しました!!
女の子の顔は殴られたような跡があり、善逸はますます大慌て!!
ケンカした!?大丈夫!?
と駆け寄りますと、女の子は堰を切ったかのようにまた泣き始めて……
君を起こったわけじゃないよ、ごめんね、と必死に謝罪を重ねていく善逸ですが、女の子はなき止むことなく。
何か困ってるなら力になる、と声をかける善逸なのですが……その瞬間……背筋が凍るような恐怖に襲われたのです!!
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耳の良い善逸が全く気が付かないうちに、背後に立っていた女。
アンタ、人の部屋で何してんの?
女はそう言って善逸を、激しい苛立ちのこもった瞳でにらみつけてきます。
善逸は……
鬼の音だ。
今後ろにいるのは鬼だ。
人間の「音」じゃない。
声かけられる直前まで全く気付かなかった……
これ、上弦の鬼じゃないの?
そう、戦慄するのです!!



と言うわけで、新シリーズに早くも動きの見える今巻。
宇髄とともに遊郭に潜り込むという、今までとは少し違った、潜入調査となるはずだったこのシリーズ。
ですが、早くも鬼がその姿を現してしまいました!!
しかも、炭治郎、伊之助、善逸、三人が潜入しているすべての店で……!!
鬼はまさか複数いるのでしょうか?
そして、善逸の背後に立った女は、本当に上限の鬼なのでしょうか……!!
上弦の鬼だとすれば、善逸ひとりで太刀打ちできるとは思えません。
一気にピンチとなったこのシリーズ、一体どんな展開となるのでしょうか!!

前シリーズでは、煉獄のキャラクターを明かしながら、その生きざまを見せつける物語が展開しました。
そしてこのシリーズでは、宇髄のキャラクターを掘り下げながら鬼の謎を暴き、戦いが始まっていく内容となっています。
まさか、宇髄もこのシリーズでとんでもないことになってしまうのでしょうか……?
一気に登場した柱が、少なくとも何人かは上弦の鬼たちにやられてしまうのは予想できる展開ではあります。
もしかしたらその流れに沿って、宇髄も……?
煉獄とはまた違うキャラで、とっつきにくいところもあるものの良いキャラをしている宇髄。
そんな宇髄もまたなんだかフラグを立てているような……
今巻ではまだ真の実力を見せていない宇髄が、不安を払しょくするド派手な活躍を見せてくれることを期待しましょう!!

そしておなじみのコミカルなシーンももちろん収録。
もはや恒例の善逸、伊之助なアレなシーンはもちろんの事、炭治郎のどこかずれた行動も用意されておりまして、シリアスな物語に一服も二服も持ってくれる清涼剤となっております!!
とうぜんバトルシーンでは決めてくれますから、今巻でもかっこよさとコミカルさ、一粒で二度おいしい味わいが楽しめるわけです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!