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今回紹介いたしますのはこちら。

「約束のネバーランド」第6巻 原作・白井カイウ先生 作画・出水ぽすか先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。



さて、奇策と苦渋の決断でGFハウスを脱出することのできたエマたち。
ですが外の世界は予想以上に過酷で、いきなり予想だにしなかった危険が襲い掛かります。
ところがその脱出の頼りとしていたミネルヴァの贈り物が、数々の危険に対する対処法を教えてくれていたことに気が付き、何とか危険を脱出。
再び目標の地、B06-32を目指すのですが、そこでエマが倒れてしまうという想定外のトラブルが起こってしまい……!?



追っ手が来ている。
レイはエマと子供たちの安全を確保するため、一人でその追っ手の注意を惹きつけようとしていました。
森の中を駆けまわるレイ。
後ろから迫ってきている四足歩行の鬼は、どんどんと数を増やしてきています。
注意深く背後をうかがいながら走るレイはそれに気が付き……そして自分がすでに囲まれてしまっていることにも気がついていました。
最初に襲ってきた知能の低い鬼とは違い、統率の取れた動き。
さながら猟犬のような動きを見せているその四足鬼は、例を一気に仕留めるようなことはせず、じわじわと追い込んできているようです。
それは、レイが「特上」だから。
傷はつけず、じっくり体力を削って疲れさせて捕獲することを目t期としているようです。
止まったら負け、その時点で捕まる。
そんな絶望的な状況に追い込まれてなお、レイは上等と強気の虚勢を張って見せるのです。
レイはあくまで冷静に、樹海の中を逃げ回ります。
四足鬼の視界から外れて距離を稼ぎ、様々な方向に走って翻弄しつつも、しっかりエマたちからは離れるように走っていく……
それでもやはり、鬼たちは一筋縄ではいかない相手。
どんどん道を奪われ、抜け道を作っても封じられてしまいます。
まるでママとチェスを指しているようだ、とぼやくレイ。
ですが、それならば一層負けられないというもの!!
諦めてたまるか、死んでたまるか!
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完全に四足鬼に包囲されてしまったレイですが、その不屈の精神でまだ助かる手を探る闘志を残しています。
何か手はないか、まだやれる、俺は生きる、生きるんだ!
そう歯を食いしばるレイの前に、四足鬼を率いていた位の高そうな鬼が歩み出ます。
そして、一言。
終わりだ。
……終わっててたまるか、と歯を食いしばり、這いまわるレイ……
もはやどうにもならない、と鬼も思ったのでしょう。
もういい、貴様はよくやった、諦めろ、とレイをねぎらいつつも冷たい言葉を投げかけるのですが……
その瞬間、その場にいた誰もが思いもしなかったことが起きたのです。
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馬のような生き物に乗った謎の人物が現れ、レイを攫って行くという!!

レイは残された力でその人物にしがみつくのが精一杯でした。
敵か味方かもわかりませんが、とにかくこの場を逃げるにはこの人物を頼る以外の道はないでしょう。
こいつは何者なんだ、なぜ自分を助けたんだ。
今どこを通ってる、どっちに。
まさか、ミネルヴァ……?
そんな様々な思いがまとまらないまま頭によぎっては消え……やがてレイは意識を失ってしまうのです。

目が覚めるとそこは、見覚えのない洞窟でした。
まったく状況が理解で着ないまま、それでも注意深くあたりを探ります。
命が救われたことには感謝するしかないのですが、なにせなぜ助けたのか、ここがどこなのか、今は何時ごろなのか、荷物はどこに行ったのかなど疑問は尽きないわけで。
恐る恐るあたりを探っていますと……同じように眠らされているエマの姿を見つけます!!
再会を喜び合う二人。
そこに、二人を助けてくれたらしいあの馬に乗った人物と、小柄なもう一人の人物が現れます。
……とりあえずは助けてくれてありがとう、とお礼を言ったあと……レイは、彼らにとんでもないことを尋ねました。
なぜ鬼が食料を助けたんだ?
鬼なんだよなあんたもあの男も。
何が目的だ。
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教えてくれよ、なぁ鬼さんよ。



と言うわけで、新シリーズに突入して早くも大きな事件の起こってしまった今巻。
この敵だらけの未知の世界で現れた、謎の救い主。
ですがその救い主も、エマたち人間を食らう鬼だと言うのです。
一体これはどう言うことなのでしょうか。
助かった、と考えるのは早計だったのでしょうか。
他の子供たちはいったい何をしているのでしょうか。
不安と謎はますます深まっていくばかりですが……その疑問はほどなく全て明かされることとなります!
いったい彼らは何者で何が目的なのか。
そんな気になるもろもろの他、気になる今現在のこの世界の真実が明かされることに!!
次々と明かされる真実に、読者のみならず、子供たちやエマ、レイも衝撃を隠し切れないのです!!

そして物語はさらなる新展開へと向かっていきます。
GFハウスではじっくりとお話を進めていた本作ですが、外に出てからも必要と思われるところはじっくりと描きつつ、進むべきところでは進むスピーディーさも加えてきました。
「約束」、そして子供だけが住む国である「ネバーランド」……本作のタイトルの本当の意味が明かされるそれをはじめとした、白井先生の考え出すショッキングな展開。
それを出水先生の硬軟織り交ぜた絵柄で描き、手に汗握る出来事も、じっくりも、スピーディーも、グイグイ読ませてくれる味わいを作りだしているのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!