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今回紹介いたしますのはこちら。

「透明人間の骨」第2巻 荻野純先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、透明人間になれる能力を持つ少女、花は、自分や母親を長い間苦しめ続けてきた父親を殺害してしまいます。
その能力を使っての犯罪は、花が犯人だと突き止められる可能性すらも隠してしまうのですが、その罪の意識は花の中に残り続けています。
花は、自分の罪が最大限に償うことができる「自首する時」が来るのを待ちながら、毎日を過ごすのですが……



毎日を淡々と過ごすのみだった花ですが、徐々にその生活に変化が見え始めます。
まず彼女を変え始めたのが、一人暮らしを始めた彼女のお隣の部屋で暮らす、同じ学校の一年生、伽奈。
明るく活発な彼女は、花と友達になりたいとどんどんとアプローチをかけてきて、花もだんだんと彼女に惹かれていってしまいます。
そんな無垢で透明に感じるほどまぶしい存在である彼女に、花は自分のような黒く汚れた存在が近づいては、穢してしまう……
そんな思いとともに、今自首しては全てを投げ出すことになる、と言う想いも湧き、複雑な心境を抱くのでした。

そしてもう一人、先輩の栞も花の心を変えていきます。
昼休みに静かにお弁当が食べられるところを探していたところ、校舎裏でギターを弾きながら歌っていた栞に遭遇した花。
花は栞に「自分は父親を殺した」といきなりカミングアウトしてしまいました。
ですがどうしたことでしょうか、彼女はふーん、と薄いリアクション。
信じていないというわけでもないのにそのリアクション、それは彼女の性格に由来しています。
彼女は「自分が知らないいろいろな気持ち」を知りたいという願望を持っていまして。
こう言うことを言うのは不謹慎だけど、と前置きをしつつ、人を殺した人と話すのは初めてだから、その「気持ち」を知りたい、と一層花に興味を持ってしまうのでした!!

そんな二人の友人ができ、花の日常は明るく楽しいものになりつつあります。
ですがそれは、花の求める自首する時、に近づいている証でもあるのかもしれません。
花に初めて訪れたかもしれない、楽しい日々。
その楽しく平穏な日々は……思いもよらない存在によって崩されてしまうことになるのです。

ある日の事。
花は、伽奈の後をつけているような、不審な男を見かけます。
念のため透明人間になり、その男の後をつけていくのですが……やはり気のせいなどではありませんでした。
まずはその顔を検めようと透明なまま近くによるものの、深くかぶった帽子、花までしっかり隠したマスク、そして眼鏡、と変装をしていてはっきりと確認はできないのです。
透明人間かしているわけだし、それrをはぎ取ってやろうかとも考えましたが、とりあえずはその危険を冒さず、あえて姿を現し、伽奈に話しかけることで伽奈が一人ではないことをアピール、男をけん制することにしました。
伽奈とともに家路につく際、最近何か変わったことなかったかとわりとストレートに尋ねてみると、伽奈はあっけらかんとこう言うのです。
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下着が一つどっかいっちゃったくらいかな。
外に干していたから風で飛ばされちゃったのかな、誰かに拾われてたら恥ずかしいね。
そう言って笑う伽奈に、花はそうだねと同意するしかなかったのですが……これで、あの男がまぎれもないストーカーであると確信せざるを得ません。
伽奈はまだ自分がストーカー被害に会っているなど夢にも思っていない様子。
それを見て、花は決意するのです。
何も知らないままにしておいたほうが良い、この子の「透明」を濁らせたくない。

翌日、花は栞や伽奈の誘いを断り、ストーカーのを尾行します。
ストーカーはやはり伽奈の後を追い、伽奈が自室に帰るところまで見届けると、しばらくその様子をうかがっているようでした。
そして何も動きがないことを見計らうと、素早くフェンスを乗り越えて敷地内に入り、そしてベランダへとよじ登り、何かを取るような素振りを見せ、また下へ降りていきました。
その場面を写真でしっかりとおさえておき……また歩き出すストーカーの尾行を続ける花。
ストーカーは自宅と思われる家に入っていきました。
ですが鍵もかけていなかったため、花は家の中まで尾行を続行!
ストーカーの部屋の中に入り込むと、そこには伽奈の盗撮写真と思われるものがたくさんひろげられております。
そして、ストーカーが向かっていた机にあったPCから、花と伽奈の会話の音声が聞こえてくるではないですか!!
ストーカーが回収したものは、どうやら盗聴器だった様子。
伽奈と花の会話を聞いて、ストーカーはつぶやきます。
あぁ、かわいい声だなぁ。
そんなストーカーの声を聞いた花は……半ば反射的に感じた感情を漏らしてしまいました。
気持ち悪い。
直後のことでした。
ストーカーがバッと花の方へ向き直り、
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誰かいるのか、来宮花か……!?
と言ったのは……!!
感情をそのまま吐き出したからなのか、理由はわかりません。
ですが、透明人間になっている時は決して届かないはずの声が、なぜかストーカーに聞こえてしまった……!!
幸い姿は見えていないままだったようです。
花はストーカーの家から逃げるように出ていくのですが、その心は恐怖に震えていました。
透明人間の力にほころびが見えたから、ではありません。
証拠の写真も抑えましたし、ストーカーとして警察に届ければ間違いなく逮捕されるでしょうから、これから先も続くストーカー被害に対しての気持ちでももちろんありません。
その理由は……変質者に、顔、声、名前を覚えられる。
その状況の恐ろしさを初めて体験し、花は恐怖したのです!!
冷や汗をしたたらせ、未知を急ぐ花。
ですがそこに……現れたのです。
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人殺しが何言ってやがる。
そう自分を責める、自らが殺めた父の幻影が……



と言うわけで、きな臭い展開となってきた本作。
自首するタイミングをうかがうためだけに生活してきたような花ですが、ここに来てその望みに近づいてきたようです。
何もない時に自首したところで、自分は何も失わない。
それならば自首したくないと思った時こそが自首する時だと言う彼女……
伽奈と栞の存在は、確かに花の心を満たしていっていました。
ですがそんな時に起きてしまったストーカー事件。
この事件、花の能力があれば解決はたやすいかと思われたのですが、この後思いがけない方向へと転がっていってしまい……!!

淡々とお話が進んでいく一方で、要所要所でとんでもない出来事が巻き起こって物語の色合いが変わる本作ですが、今巻でもその特徴がみられるのです。
本作の前半では、花が望むその時へとゆっくり近づいていく、伽奈や栞との交友を深めていく様子が穏やかに描かれ、凝り固まっていた花の表情が和らぐ様が描かれております。
そして後半ではストーカー事件で不穏な空気を漂わせ、その後また花の穏やかな日常を描いていき……
最後の最後で、とんでもない出来事が!!
緩急のある物語を、独特の雰囲気で描いていく本作ならではの味わいを楽しみましょう!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!