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今回紹介いたしますのはこちら。

「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~」第8巻 赤坂アカ先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、再び生徒会として一緒に活動することとなったかぐやと白銀。
新たなメンバーとして一年生のミコを加え、 以前と変わらぬ(?)日常が再開された、かに見えたのですが!?



かぐやと白銀は、体育倉庫に来ていました。
それは普段使われていない、学校の隅にある体育倉庫でして、二人は迫り来る体育祭の準備のためにここを訪れたのです。
綱引きの綱なんかの傷み具合を確認していた白銀達ですが、気になるのは綱の具合よりもむしろこの体育倉庫の状態。
窓一つない窮屈さに加え、建てつけも最悪。
消防法とか大丈夫なのか、閉じ込められでもしたら助けも呼べないし、大変だと冗談を交えて笑いあうのです。
……が、その冗談が現実のものとなってしまいます。
なぜか、出入口が開かなくなってしまったのです!!
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建物の老朽化が原因なのか、誰かが鍵を閉めてしまったのかはわかりません。
ですがこう言った、主人公とヒロインが体育倉庫に閉じ込められるというのはラブコメでは定番のイベントと言えましょう。
とりあえず二人は、扉を開けようといろいろやってみたり、いるかどうかもわからない誰かに声をかけてみたりと心女たのですが……やはりどうにもなりません。
かぐやによれば、なんでもこの建物は昔、弾薬庫や懲罰房として使われていて、それを回収して倉庫にしたのだとか。
それだけに密閉性は高いことが予想されるため、大声を上げてもどこかに届くことはなさそうだと言うのです。
ちょっと体育倉庫に者の確認に来るだけの予定でしたから、携帯電話は生徒会室に置いたまま。
普段使わない体育倉庫だけに、誰かがふらりと立ち寄ることは考えづらいですし、助けを呼ぶ手段もなし。
……どうしましょう!!とわかりやすくハッとするかぐや。
白銀もまた、万一誰も気が付かなかったらまずい、ここには水も食料もないんだぞ、と焦り始めます!!
……が。
焦るように見せかけて、白銀はにやりと笑っていました。
この絵に描いたような体育倉庫イベント、自然に起きるなんて考えられない。
これはかぐやが仕掛けた作戦で、吊り橋効果を狙っているんだろう。
ここは敢えて作戦に引っかかったふりをして振る舞い、隙をついてこの作戦を逆に利用してやる!!
とまあ、そんなことを思っていたのです。
ではかぐやの方はどうでしょうか。
実はかぐやも、嘘泣きの下でこんなことを考えておりました。
お可愛いことですわね、会長ったら。
こんなあからさまな仕掛けをしてくるほど私と二人きりになりたいなんて。
そう都合よく扉が開かなくなるはずがないでしょう、やり口が単純なんです。
でも会長から積極的に来るなんて珍しい、吊り橋効果を利用して関係を勧めようという狙いなのでしょう。
ですが今日は特別にその作戦に乗っておいてあげましょう!!
……そうです。
二人は二人とも、本当に偶然何らかの原因で閉まらなくなってしまった扉を、お互いの作戦だと誤解。
本当のピンチに、両者ともピンチを演じると言う謎の状態に陥っていたのでした!!

わかりやすいアタックを仕掛けた来た、と誤解している二人のテンションは上がっています。
普段ならしないであろうことも、なぜか出来ちゃうようです。
私たち助からないんじゃ、とそっと白銀の服の袖をつまんでみたり、大丈夫だ、俺がついてる、とそっと肩に手を置いてみたり。
いつもならこれだけで二人とも大変なことになるのでしょうが、今日ばかりは違います!
お互い内心のにやにやを隠しながら、泳がせてやっている、と言った感じにとらえていて……
そして二人はほぼ同時に、最終的にはこのくらいのことを狙っているはず!とお互いの狙いを勝手に想定します。
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かぐやは軽いキス、白銀はお互い体を寄せ合って、ひとつのジャージを二人でかけるというシチュエーションを。
正直それは自分のしたいことなのでしょうが……
それなら参考までに、どういう方法で来るのか知っておこう!と謎の言い訳を自分にしながらかぐやは誘い受けに出るのです!!
もう外は夜ですかね、なんだか肌寒いです。
そう言いながら、そっとマットに腰かけるかぐや。
……これ、白銀が思い描いていたシチュエーションに直行するパターンじゃありませんか。
こいつ、びっくりする位誘ってやがる!
完全に確信してしまった白銀は、仕方ないから乗ってやるかと自分に言い訳しつつ、かぐやの横に座ります。
来るのがキスだと思い込んでいるかぐやは、いきなりなのか、前振りとかないのか、とド緊張!!
さらに、お前もそのつもりなんだよな、とジャージを肩にかけてやるつもりで語りかけてきた白銀の言葉に、トドメを刺されてしまうのです!!
そのつもりなんだ、私はそんなつもりじゃ……!!
思わずよろめくかぐやは、マットに倒れこんでしまいます。
白銀は危ないと助けようとするが間に合わず……彼女の上に覆いかぶさってしまう形になりました!!
間近に迫る、二人の顔と顔。
かぐやは、お伽噺の中のものだと思っていたキスが、今この現実に存在し、すぐそこにある事を、その時実感し……恐怖を覚えてしまいます。
が、同時に沸き上がってくるもう一つの気持ちもありました。
……いま、目をつぶったらどうなるの?
白銀に覆い被さられた状態のまま、かぐやは……
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そっと目を瞑ります。
このシチュエーションは……もう、完全に……その時ではないでしょうか!?



と言うわけで、二人の関係に大きな変化が起きる、かもしれないエピソードを収録した今巻。
もうここまで言ってるんならつき合っちゃえよ、という気がしないでもありませんが、そうなったら本作は終わってしまうでしょうから、問屋は下ろさないと言ったところでしょう!!
ですがこの決定的ともいえる状況、流石の白銀でも何もしないまま終わらない……はず。
一体どうなってしまうのか!?
その結末はぜひとも皆様の目でご確認ください!

その他のエピソードも注目のものぞろいとなっています。
いつもの白銀とかぐやのアレなやり取りはもちろんの事、とある漫画を廻る前後編的な小シリーズも見逃せません!
その漫画をきっかけに生徒会のメンバー(一部除く)の雰囲気が変わってしまうのですが、個人的に一番笑ったのがページの端に乗せられた小ネタだったりします!
その他、ミコを中心にしたエピソードなども用意され、新キャラの掘り下げもばっちり。
今回もしっかり笑わせてくれつつ、時折きゅんとさせてくれる充実の内容となっているのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!