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今回紹介いたしますのはこちら。

「やんちゃギャルの安城さん」第1巻 加藤雄一先生 

少年画報社さんのYKコミックスより刊行です。


加藤先生は09年に第1回角川漫画新人賞の特別賞を受賞し、その後映画を原作とした作品で連載デビューした漫画家さんです。
さらに「エウレカセブンAO」のコミック版の連載、初のオリジナル連載作品となる「ヒニイル」を連載されました。
そして17年より新天地となるヤングキングで本作の連載を開始。
本作は今までの加藤先生のイメージとは少し違う、最近はやりの1対1のラブコメ系作品。
気になるその内容はと言いますと……?



最近、瀬戸には悩みがありました。
クラスの一番隅の席で、黙々と勉強をしている。
そんな風景の似合う彼、自分でも明るい方ではない、クラスの日景川の人間であると自覚しています。
だと言うのに、何故なのでしょうか。
最近になって、自分の前の席に座るギャル系の生徒、安城さんがやたらと絡んでくるのです!

背後から抱き着きながら、勉強してんの、流石だねー、と耳元で声をかけてくる安城さん。
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その距離間だけでもうドキドキな瀬戸ですが、安城さんはそんなこともお構いなしとばかりに、頑張っている瀬戸君にご褒美を上げよう、と今の今まで口に含んでいた棒付きのキャンディを差し出してきたのです!
ベロベロっとやっちゃっていいよ、とからかってくる安城さんですが、流石にそんなことできるわけもありません!!
できるわけないだろ、口には出さず文句を言いながら、キャンディをノートの1ページでつつむのです。
安城さんめ、なんでいつもいちいち無駄にエロくかまってくるんだ!
そう心の中で文句を言っていますと、また安城さんは全く別の話題を振ってきます。
昨日のホラー映画見た?私眠れなくなってさー、と言いだす安城さん。
ホラーが苦手なのか、なんだか意外だななどと考えながらその話を聞いていますと……やっぱりそうではなかったようです。
前半のビーチのシーン、カップルのアレのシーンのせいでムラムラして眠れなかった。
恥ずかしげもなく彼女はそう続けたのですから!!
安城さんはそのまま外国の人ってみんなあーなんかね、さすがに海ではしないよね、とせき込んでいる瀬戸に尋ねてきます。
とにかく相手にしていない風を装ってやり過ごそうとする瀬戸なのですが……「海では」しない、という安城さんの発言がどうしても気になってしまうのです。
海では、と言うことは、やっぱ安城さんってそう言うことしてるってことか!?
改めて安城さんを見れば、確かになんというか、見るからにいろいろと結構ありそうなルックスです。
今も現にこうして、椅子の上に胡坐を掻くようにして座りながら口紅を塗ると言う、おおよそ品行方正とはかけ離れた格好をしていらっしゃいますし……
そんな瀬戸の視線を感じたのか、安城さんはまたこんなことを言いだしました。
瀬戸はやっぱ外でするのとか憧れたりすんの?ドーテーだし。
外でするのにあこがれるかは置いておきまして、ドーテーに関しては図星な瀬戸、わかりやすくうろたえてしまいました。
すると安城さん、瀬戸もそう言うの気にするんだ、キスもしたことないんでしょ?ホントのこと言ってくれたらキスしてあげるよ?と瀬戸の耳元で囁いて……!!
思わず、ホント!?と目の色を変えて聞き返してしまった瀬戸。
それを見て、やっぱ嘘なんじゃん、と笑い声をあげる安城さんなのですが、瀬戸がそう言う安城さんはどうなんだ、自分にばかり聞いてずるい、と苦し紛れの反撃をしますと……安城さん、確かに、と言って黙ってしまいました。
……言わないのかよ!と心の中で突っ込む瀬戸ですが、不意打ちのように安城さんはこう言ってきます。
でも正直に話してくれたし、約束は守らないとね。
もらうんだよ、瀬戸のファーストちゅー。
安城さんはその顔を、瀬戸の顔の目の前まで寄せてきて……目を閉じな、と告げてくるのです!!
そうなってしまっては瀬戸、もはや言うなりに目を閉じるしかありません。
しばらく待っていると……唇に、確かに何かが触れた感触が!!
でもなんだか思っていたよりその感触、堅いような……
目を開けると、そこには
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狐の形をした手を構えた安城さんが、悪戯そうに笑っていました。
だましてないよ、ちゃんとキスしたでしょ、キツネと。
そう言って、安城さんは笑い飛ばしてしまうのでした。

その後安城さんと仲の良い二人の女子がやってきまして、彼女たちは三人で楽しそうに話をし始めました。
瀬戸はそんな様子を見て、安城さんは自分なんて、タダの暇つぶしで構われているだけなんだ等、となんだか寂しい気持ちを覚えてしまうのです。
先ほどの感覚がわずかに残る唇を手の甲で拭う瀬戸、
すると……その手の甲に、口紅がついたではありませんか!!
これってまさか!?
思わず安城さんのほうに向きなおりますと、安城さん……ちらりと瀬戸に視線を送った後、友人と談笑しながら、
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キツネの形にした手と自分自身でキスをしてみせるのです。
友人に、この時間に来るなんて珍しいねと言われた安城さん、ちょっと頑張ってる瀬戸にごほーびをあげてたし、と答え……
その狐の口を、瀬戸のほうへと剥けながら、ねー?とまた、悪戯そうに笑うのでした。



というわけで、安城さんと瀬戸のやり取りを描いていく本作。
この後も安城さん、瀬戸とどんどん距離と詰めてきて、どんどんと絡んできてくれます!
安城さんの近い距離と遠慮のないスキンシップにドキドキしっぱなしの瀬戸。
安城さんのギャルらしいあけすけな感じのソフトなエロス、楽しそうにする様、時折見せてくれるかっこよさ。
そんな様々な顔を見せてくれる、安城さんの魅力を堪能できる作品となっているのです!!

とにかく積極的に瀬戸に接してくる安城さん、ここまでするからには当然好意がなくてはできないのでしょうが……
本作で興味深いのは、わりとお話が盛り上がってきてから明かされることの多いその行為の元となる出来事が、今巻のうちで明かされること!
どうして安城さんは瀬戸に絡んでくるのか?
そのもともとの出来事を知ると、一層本作が楽しくなるのではないでしょうか!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!