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今回紹介いたしますのはこちら。

「目玉焼きの黄身いつつぶす?」第10巻 おおひなたごう先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。


さて、主に食事がらみのトラブルでひと悶着もふた悶着もあった二郎とみふゆ。
ですが二郎の生活が安定しそうなこともあり、いよいよ二人は結婚まで秒読み、と言う段階になりました。
とはいえ、こうまで衝突を繰り返してきた二人がこのまま素直にゴールインできるのでしょうか?
今巻でもやはり、恐れていたことが巻き起こってしまいそうです!



みふゆは、芸人を引退して旦那さんの母国へ移住した千夏と久しぶりに会っていました。
久しぶりに帰国した千夏は、アレンと言う息子さん連れ。
親友にしてもと相方であった女性の息子を抱き、初めましてとあいさつするみふゆ。
そんなみふゆの姿を見て、千夏はやはり二郎とのその後のことが気になってきたようです。
旦那さんのエベレットは気を利かせ、アレンを連れて先にホテルへと向かっていきました。
二人きりになったところで、千夏とみふゆはランチに向かい、そこで二郎とのことを聞こうと言うことになったのですが……

その頃、二郎は委員長と食事をしていました。
以前のような浮気心が頭をもたげた、と言うわけではありません。
ある相談をするためなのです。
それは……婚約指輪について、です。
二郎はそもそも、みふゆの指のサイズを知りません。
かといって本人に聞くのもどうでしょう。
そのことで、委員長に協力を持ちかけたのです。
その内容とは……

マジで!?
二郎さんが正社員になったら一緒になってほしいって!?
それでどうなった!?
口の中に頬張ったものが見えるほどの勢いで、千夏はそう叫んでおりました。
ご飯口の中に入れたまましゃべらないでよ、とみふゆは注意し、そして最近素越すバタバタしていてそのことをまだちゃんと話せていない、と答えます。
早く決めちゃえばいいのに、と千夏は落ち着きを取り戻すのですが、そこで千夏はある事に気が付きました。
みふゆは、おかずを飲み込んでからご飯を食べている、と言うことに。
みふゆはと言いますと、そうだけどなにか?という当たり前の反応。
まあそうでしょう、そうして生きてきた彼女に疑問の湧く余地などないのです。
何故おかずが口の中にある段階でご飯を口の中に入れないのか。
それを尋ねてみれば一言、「お行儀悪い」とのことです。
おかずを食べたらよく噛んで、飲みこんでからおかずの余韻でご飯を食べる。
そう言うみふゆに、千夏は思わず聞き返してしまいます。
余韻で?と。
そしてみふゆも当たり前のように答えるのです。
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余韻で。
思わず千夏は声を張り上げてしまいました。
口の中でおかずとご飯を混ぜて食べる方がおいしくない!?
みふゆはきょとんとしながら、みんなそうしてるの?小さいころからお父さんにこうしつけられたからこれが当たり前だと思ってた、と言うみふゆ。
ではどんぶり物はどうするのかと尋ねてみれば、どんぶり物はご飯とおかずを一緒に食べるように作られているものだからいい、寿司やカレーもその類である、とのこと。
千夏はだんだんわからなくなってきました。
自分がおかしいのか?
おかずとご飯を一緒に口に入れるのが行儀悪いとか思ったことない。
絶対みふゆのほうが少数派だから!
そう一人苦悶する横で、以前みふゆは平然とそうかなあと口にするのでした。

二郎のほうはと言うと、忙しくも充実した日々を送っていました。
会社の事務員として働きつつ、どくフラワーのアクターとしても活躍。
そんな忙しい日々の中でも、二郎はイキイキとすごしています。
それもそのはず、二郎はとうとう決心したのです。
委員長が今務めている宝石店を尋ね、お願いしていたあるものをゲット。
これを手にして、いよいよプロポーズをしようとしていたのですから!!

とうとうプロポーズの時が近づいてきたわけですが……
二郎の胸は高鳴るとともに、なぜか不安が沸き上がってきます。
本当に問題はないのだろうか。
俺はみふゆの全てを受け入れられるのか。
その不安の源泉がわからないまま、二郎はみふゆの家にたどり着いてしまうのです。

みふゆと乾杯をした後、二郎は小さな箱を取り出してみふゆに差し出します。
それを開けると、中には、なんか錫杖の先っちょのような……変なわっかのいっぱいついた見慣れないものが入っていました。
それ、リング・ゲージと言うものだそうです。
指のサイズを図るためのもので、1号から27号まであるとのこと。
二郎はいいます。
これで指輪のサイズを測らせてほしい。
婚約指輪をプレゼントしたいんだ!
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結婚してください!
とうとう行ってくれました二郎!!
みふゆも二郎に抱き着き、変なプロポーズ、と笑いながらも、その言葉をずっと待ってたよと喜んでくれました。
二郎は、不安などあるものか、何があってもみふゆとなら乗り越えて行ける!と確信した……のですが……!!

それは翌朝に起きてしまいました。
みふゆは先日の、千夏と話したおかずとご飯の食べ方問題のことを話題に登らせたのです。
ジロちゃんはどう思う?と尋ねられた瞬間、二郎ははらりと朝ご飯を食べていたてから箸を転がり落としてしまったのです。
見つけた、見つけちまった。
……思い起こされるのは、以前のキャベツととんかつの食べ方の時の、みふゆの「カツを食べ終わった後にキャベツを口に入れる」と言う行動と、それに切れてしまった思い出です。
これだったのです。
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これが、二郎の抱いていた不安の正体……!!
決して受け入れることのできない、その正体にたどり着いてしまったその時、二郎は……!!?



と言うわけで、またまた事件の巻き起こってしまった今巻。
今回二郎とみふゆのあいだを引き裂くことになってしまいそうな事件は、ご飯とおかずを一緒に口に入れる、「口内調味」です。
口内調味をすれば、うまさは倍増する。
なのにそれをしないと言うことは理解できない。
人一倍食事に対してのこだわりの強い二郎でしたが、今回はその中でもとりわけ根の深い問題のようで。
このことを乗り越えなければ、二郎とみふゆが本当にわかり合うことはできない、のかもしれません……
ですがこの件、そんなに簡単に解決するものなのでしょうか?!
本作において最も長く、複雑なシリーズとなりそうなこの問題……どのような決着を迎えるのか?
いつにもまして見逃せない内容になっております!!

そして今巻の前半には、これまた前中後編と長丁場となる問題、「箸 どうやって持つ?」が展開。
二郎も箸の持ち方が少し変なのですが、今回そのことで問題を巻き起こすのは、みふゆ関係の人物でして。
思いもよらぬ方向から巻き起こるこの箸の持ち方問題、箸の持ち方と言う明確な答えのある問題を取り上げると言うことから本作としては珍しいのですが、その展開や結末も珍しい感じでむかえるのです。
重大な口内調味のエピソードとともに、そんないつもと違う味わいのエピソードも楽しめますよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!