ms0
今回紹介いたしますのはこちら。

「魔法少女サイト」第9巻 佐藤健太郎先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、管理人への襲撃が、思いもよらない結末を迎えてしまった前巻。
この後どうなってしまうのか、気になるところですが……物語はここで、別の視点へと変わります。
ですが魔法少女サイトによって運命を狂わされる少女が主人公となるのは間違いないようで……?



ニュースでは、痛ましいニュースを告げています。
黄金井市少女リンチ殺人事件で犯人とされていた少年三人が無惨な死体となって発見された……
そんなニュースが流れているとあるお茶の間で、母子二人が固まっていました。
その原因はニュースの凄惨さ、ではありません。
部屋の中に入ってきた父親が、
ms1
その少年三人の首をぶら下げていたからです。
お前ら、やったぞ。
笑顔と、うっすらとした涙を浮かべてそう言った父親。
……それ以来、家族三人の……花夜の生活は、がらりと変わってしまうこととなるのです。

当然父親は逮捕されてしまいます。
母親は女手一つで花夜を育てようと頑張り、体を壊してしまったようです。
お弁当を作ってあげられなくとゴメン、という母親に、無理しないでと告げて学校に向かう花夜。
一人学校へと向かうのですが、その最中いきなり背後からスカートがめくられました!!
珍しいな、お前ピンクとか持ってたっけ?
そんなことを言うスカート捲りの犯人。
ですが花夜は顔色一つ変えず振り向き、毎日飽きないの?とその犯人に尋ねるのです。
犯人、拓馬は笑ってこう言います。
俺は奇跡を拝みたいんだよ、「履き忘れの日」を!!
とんでもないことを言ってのける拓馬ですが、花夜はそんな拓馬を怒るどころか、あまり自分にかかわるとよくない、と静かに諭します。
……その理由は……

花夜がクラスにつくと、机は落書きだらけになっていました。
殺人鬼の子供専用の席、私は知りあるキラーの血が流れています……
そんな落書きを前に立ち尽くしていますと、そんな花夜に心ない声をかけるものが現れました。
怒らせないように気をつけて、あの手のDNAの奴は、怒らせるとうっかり殺されるかもしれないわよ。
そう言って花夜をからかってくる少女が、先頭に立って花夜をいじめているようです。
落書きなんて序の口で、顔に向けて唾を吐きかけたり、お弁当にドッグフードをぶちまけて犬のように食べさせたり……
そのいじめはとどまることを知らず、先生ですらそれを見てみぬふり。
花夜の唯一の拠り所は、母親と……幼馴染の拓馬だけなのです。
そんな拓馬、中学に入ってからクラスが変わってしまったせいで、ここまで激しく花夜がいじめられていることを知らない様子。
ドッグフードを食べさせられた後の、トイレに駆け込んだ場面だけを見ていて、大丈夫かと声をかけてきまして……
今朝渡しそびれたんだけど、とはにょるに何やら小包をくれるのでした。

学校から帰る際、拘置所に立ち寄る花夜。
面会するのはもちろん父親で……
父親は、花夜にひたすら謝りながら、花夜の妹の愛理をリンチして殺した少年たちがどうしても許せなかったんだ、と絞り出すのです。
確かにあの少年たちは死んで当然のクズだったと考えているのは花夜も同じです。
が、結果として自分たちを苦しめたかったと言う少年たちの思うつぼにはまったと言っても過言ではありません。
そのせいで追い詰められている花夜は、内心クラスの人間のほとんどを殺してやりたいとまで思うにいたったのです。
ですがそれだけはしない、と花夜は誓っていました。
そうすれば父親と同じ人間になる、それだけには絶対になりたくない、だから我慢して耐えている。
そんな時、ふと自分に力があったら、と思ってしまう……
面会から立ち去る時、花夜は父親に言うのです。
あたしに流れてる血はやっぱり、あんたの血みたいね。

拓馬のくれたプレゼントは、野球ボール。
そう言えば昔、キャッチボールをしたこともありました。
ですが今日で14歳を迎える女子中学生に野球ボールと言うのはどうでしょうか?
思わず苦笑してしまう花夜ですが……そんなささやかな安らぎすら、花夜には許されないのです。
帰りついた家で待っていたのは……
ms2
倒れている母親だったのです。
花夜、お誕生日おめでとう!
そんなメッセージのついたケーキを用意した状態で……

母親の容体は幸い、命に別状はないようです。
ですが意識が戻らず、いつ目が覚めるかわからないとのこと。
病院から一人戻る花夜は……とうとうこらえきれず、大粒の涙をとめどなくこぼしてしまいました。
そして膝から崩れ落ち、叫びました。
どうしてあたしだけにこんなひどい試練を与えるの!?
どうして!!
神様、どうしてなのよ!!
誰にも届かないはずの叫び。
その叫びに……思いもよらないものが答えたのです。
スマホから聞こえてくる、その声は……こう言いました。
ms3
不幸だねー、不幸だねー。
そんなキミに、魔法の力を与えよー。
魔法少女サイト。
選ばれたものに魔法のステッキと、抗えない死の運命を与える、謎のサイト。
それが、その声の主です……!!



というわけで、仕切り直しとなった本作。
掲載誌が今巻からチャンピオンタップから週刊少年チャンピオンへと変わったことで、新規の読者が入りやすいように主人公を変えての再スタートとなりました。
が、単なる再スタートではもちろんありません。
物語の構造を説明しつつ、ちりばめられていく第8巻までの物語とのリンク。
8巻までの物語でキーマンとなった人物や、アイテムが次々と登場し、本作が8巻までの物語の少し前から始まっている物語である事、そして8巻までの物語の謎を紐解くこととなる物語であることがわかっていきます。
この新シリーズは仕切り直しではなく、8巻でとんでもないラストを迎えた彩たちを助けるストーリーになる……ということも十分あり得る、のかもしれません!!

そんな謎解きの要素ももちろんのこと、本シリーズ自体のお話も注目したいところ。
今回もとんでもなく不幸な目に会っている主人公の花夜ですが、その魔法のステッキはどんな力を持っているのでしょうか。
彩における露乃のような、力を貸してくれる信頼できる人物は現れるのでしょうか。
そして、花夜は今までのステッキ所持者とは違うあるものも渡されるのですが、その目的は……?
数々の気になる要素が満載の新シリーズも見逃せません!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!