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今回紹介いたしますのはこちら。

「蛍火の灯る頃に」第4巻 原作・竜騎士07先生 作画・小池ノクト先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。


さて、追い詰められた末、公民館に逃げ込むことになった幸人たち4人。
そこには魔除けとたっぷりの備蓄や燃料があり、当分の間安全かつ快適に過ごすことができそうです。
救助は見込めないと悟った一同は、ここで備蓄がなくなるまでただ生きていくしかないと覚悟を決めたのですが、そこで一冊の本が見つかります。
それは、「じごくのはなし」。
そこにやって来た鷹野とともに、その本を読んでみる一同ですが……?



その本には、与平と言う不信心な怠け者の話が記されていました。
与平はその不信心ゆえ、両親がなくなっても弔うこともせずそのまま気ままに暮らしていました。
するとある日、夜明けの空に大きな二つの目が現れ、与平をにらみつけたのです。
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お前は神仏を敬わず親不孝ばかりしていた不信心者だ、その償いにこれからずっと地獄で暮らすのだ。
その目玉は、与平にそう告げました。
すると村の様子は急変。
与平以外の村人はみな、山へ登っていきます。
その山にいたのは、大きな鬼。
鬼は、与平に罰を与えるためにお前たちの体を借りる、と告げると、村人たちの魂は極楽へ登り、残された体は鬼の巣が手へと変わっていったのです。
慌てて逃げ出す与平。
となりの家へと駆けこんで、おばあさんに助けを求めるのですが、隣のおばあさんも豹変!
与平の衣服をはぎ取り、木へとかけていきました。
おばあさんもまた鬼によって、亡者の衣服をはぎ取る奪衣婆となってしまっていたのでした……!

ここまで読んで幸人たちは顔を見合わせます。
まるで自分たちと同じではないか、と。
鷹野によれば、この村はもともと修験者のみが立ち入ることの許された聖域だったとのこと。
いつしかその集まりが村となっていき、その成り立ちが忘れられた後も村人は厳しい戒律を守って生活していたのです。
結果としてその厳しいしきたりに嫌気がさした若者たちは村を離れ、急激に村は高齢化、衰退していったのでした。
鷹野はそんなこの村の奇妙な事実に気が付き、調査にやって来たといいます。
昔から今に至るまで、忽然と姿を消す、神隠しに会う人間がこの村には相当数いる。
人間が何の痕跡も残さず、大勢消えることなど普通は考えられない。
そこで鷹野は、この村に異界に通じる扉のようなものがあるのではないかと考えたのです。
実際は……こうして村ごとが異界……地獄になってしまっていたわけですが……

この地獄から抜け出すヒントもまた、この本にあると鷹野は考えます。
何の根拠も脈絡もない話を、子々孫々語り継いでいくはずがない。
そしてこうして記録がされているということは、同じ体験をしたものが、帰ってきて形にすることができた、ということ……!
そう考え……ここから出る方法を探すため、再び本を読み進めるのでした。

読み進めると、どんどんと今の自分たちと共通するあれこれが本に登場してきました。
刃の葉を持つ木々が繁り、そこから幻の女が助けを求めてくる。
人の顔をしたハエの大群が食物を食いつくし、糞に変えてしまう。
夜になれば鬼がうろつきまわり、亡者が逃げ出さないよう監視している。
等活地獄では亡者同士が殺し合いを強いられ、死んでしまったものも獄卒の「活きよ」という声で蘇り、再び殺し合いをさせられる。
さらには、人間の糞便しか食えなくさせられた亡者もいる……
平坂村は、かつて黄泉比良坂の比良坂と書いていたとか。
つまりここはこの世とあの世の境目。
厳しい戒律を守れない不信心者がいれば、黄泉へと連れ去られる。
幸人たち四人も、そう言われて思い当たる部分もあるわけで……

本の続きにはこうありました。
与平が生まれて初めて神に祈り、改心を誓うと、光が現れて与平に語りかけました。
両親を弔いなさい、これから両親の元へ連れて行ってやろう。
連れていかれた先は火あぶりや八つ裂き、串刺しで亡者たちが苦しめられている地獄そのものの場所でした。
そこには、両親の姿もあります。
与平はその様子を見て、泣きながらこう尋ねました。
自分はわかる、何故真面目に信心深く生きていた両親がこんな責め苦を受けるのか……?
光はこう答えます。
たとえ無視一匹でも殺せば、地獄へ落ちる。
だからこそ人は自分を弔い、地獄の苦しみから救ってくれる人を現世に残すため真面目に生きて善行を積むのだ。
与平よ、お前がもし今までのような生活を続けて一人で死ねば、お前を弔うものはいなくなる。
そうなればお前は永遠に地獄で苦しみ続けることになるのだぞ?
……両親を必死に弔う与平……
すると、
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物語は急に与平が改心して真面目に、両親を弔いながら暮らすと言うエンディングに移行してしまいました。
……どうやら最後までの数ページが破り取られているようです。
肝心の部分が解読できない、脱出方法がわからない……!!
焦る一同ですが、鷹野は問いかけてきました。
おそらく死んでいった三人は「地獄の釜」にいる。
もうすぐまた三途の川の流れが変わり、その道も開かれるだろう。
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……行ってみる?
地獄の底に。



というわけで、いよいよクライマックスを迎える本作。
幸人たち四人は、文字通りの地獄から脱出することができるのでしょうか?
ただこの村を歩くだけでも危険極まりないと言うのに、向かう先はおそらく最も危険であろう地獄の釜。
さらにそこに行って、何をすれば現世へと帰ることができるのかもわからないのです。
だからと言ってこのままではただタイムリミットがやって来るのを待つだけ……
鷹野を含めた5人の、平坂村最後の決死行が幕を開けるのです!!

この村がいわゆる黄泉比良坂で、地獄とこの世の境目であったために、親不孝をしていた幸人たちは地獄に落とされた……というのがとりあえずの真相である事は判明しました。
残された謎は、この村からの脱出方法と……鷹野の存在です。
鷹野はいったい何者なのか?
作中の数々の描写からすると、あの「ひぐらし」の鷹野である事は間違いなさそうなのですが、するといろいろと不自然な部分が目についてきます。
脱出のための最後の挑戦と、得体のしれない鷹野のその正体。
二つのクライマックスから生み出される、最後の最後まで恐怖が襲い掛かり、決断が強いられるフィナーレとは……!?



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!