sg0
今回紹介いたしますのはこちら。

「そしてボクは外道マンになる」第3巻 平松伸二先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスGJより刊行です。


さて、「ドーベルマン刑事」のスマッシュヒットによってひとかどの漫画家となりつつある平松青年。
ですがそれでも担当編集の権藤や魔死利戸は平松を完全に認めてはくれていない様子。
内に渦巻くモヤモヤを力に変えながら、平松は原稿に向かいあうのですが……



ドーベルマン刑事の連載は続き、遠距離恋愛中の美奈子さんとのお付き合いも順調。
新築マンションの最上階の一室まで購入し、平松の人生はまさに順風満帆そのものでした。
が、そこで今までがむしゃらに漫画に打ち込んできた平松のうちに眠る「外道」がほんの少しずつではあるものの顔を出してきます。
sg1
自分のことを「平松さん」と呼んだアシスタントに、「平松さん」じゃなくて、これからは「先生」と呼べって言っただろうが!と怒鳴りつけるといった、いうなれば増上慢な態度が見て取れたのです。
アシスタントは平松さんなんか変わったよな、と口にこそ出さないもののみな心の中では不満を抱いていて、電話越しの美奈子さんにもなんか変だよと言われてしまう平松。
ですが本人は自分が増長していることにも気が付かず、「先生」として仕事に打ち込んでいたのですが……そこに、新たなアシスタントが配属されることになりました。
当時のジャンプでは有望な新人に漫画家の仕事を学ばせるため、誰かのアシスタントを経験させるというのがお決まりになっていました。
そんな有望新人として平松先生の元にやって来たのが、物静かな眼鏡の青年……高橋陽一だったのです!
高橋先生と言えば、世界での知名度はトップクラスと言っていい大作家。
後にあの稀代の名作「キャプテン翼」を生み出し、サッカー漫画史上、いや、スポーツ漫画史上で最大と言っても過言ではないヒットを叩きだすこととなります。
勿論そのころそんなことを知るものなど要るはずもなく、平松は煙草をふかしながら、ウチの仕事は止まりだけど大丈夫?とふんぞり返りながら面談を行います。
高橋は今でもなお変わらないと言う、遠慮がちな態度で平松の言葉にうなずくのでした。

高橋の仕事は、「可も不可もなく」と言った印象でした。
ですが平松が驚かされたのは、絵の上手いかどうか、などと言う部分ではなかったのです。
仕事を終えた後、アシスタントはみんな寝ているそんな時間に、高橋は一人、自分の連載作品用のネームを割っていたのです。
起きていると邪魔になりますかね、とまた遠慮がちに平松にお伺いを立てる高橋ですが……平松はその連載ネームの方に興味がわき、見てやろうか?とニヤリとしながら持ち掛けます。
高橋は一瞬躊躇し……その後は素早く、お願いしますとネームを差し出してきたのです。
そのネームのタイトルは……そう、「キャプテン翼」!
最初はサッカーを題材にしたスポ根だろうとたかをくくりながら読み始めた平松ですが……読み続けるうちに、エッ!?とあっけにとられるような、きょとんとするような、そんな反応をしてしまうのです。
驚いたのは、キャプテン翼の代名詞ともいえるこの台詞、「ボールは友達、こわくないよ!」、
当時のスポーツ漫画と言えばイコールスポ根ものと言っていいもいい時代。
平松先生もそんなイメージしか持っていなかったので、キャプテン翼の「ボールは友達」という発想は全く思いつかず、感嘆するしかなかったのです。
いいネームだな!と高橋をほめる平松でしたが、その内心は複雑でした。
いわば、
sg2
ボールは友達という今までにないシュートを放ってきた高橋を、俺にとってボールは殺人の凶器なんだよ!と迎え討とうとしたものの、逆にその顔面ごとゴールをぶち抜かれてしまった……そんな気持ちだったのです。
実際数年の後、キャプテン翼は超大ヒット。
平松は完全に高橋に追い抜かれ……負けを認めるしかなくなってしまうのです……

とはいえそのころはまだ高橋はいちアシスタントにすぎないわけで。
平松は安心(?)して仕事をしていたのですが、そんな時に美奈子さんが上京してくることになりました。
仕事を調整して彼女を迎えに行き、案内したのはあのマンション。
調整のおかげで自宅兼仕事場は二日間誰も来ないため、ゆっくりと二人の時間を作れるのですが……
気になるのは、2年前にしたプロポーズの返事がいまだにもらえないことです。
意を決してそこに踏み込んでみますと、美奈子さんは浮かない顔。
どうやら彼女の堅物の父親が、漫画家などと言う色の人間に娘はやれないと反対しているようなのです。
ですが平松、幸か不幸か人に認められないことにはなれておりまして。
何とかして認めさせてやろうとその時は思ったのでしょうが……
そんな時、追い打ちをかけるようにとんでもない報せが届いてしまうのです。
突如魔死利戸が告げてきたその報せ……それは、
sg3
「ドーベルマン刑事」があと10週で連載終了することになった、というものだったのです!!



というわけで、連載誌がグランドジャンプPREMIUMからグランドジャンプ本誌に移り、物語の方も新たな展開へと移る本作。
美奈子さんとの結婚、そして新たな作品への挑戦。
その二本柱で物語は進んでいくことになります。
平松先生事情(?)に詳しい方ならば言うまでもございませんが、この後平松先生は前担当・権藤の言葉も引っかかっていたこともあり、オリジナル作品に挑戦することに。
原作者と二人三脚で懸命に頑張っていた平松先生ですが、やはりオリジナル作品の難しさはまた別のモノ。
果たして連続してヒット作を生み出すことはできるのか?
権藤の、魔死利戸の鼻を明かすことはできるのでしょうか……!?
苦難とトラブルに見舞われる挑戦は必見です!!
そしてもちろん美奈子さんとの結婚イベントも並行して進みます。
二つのイベントを乗り越えた後の平松先生に降り立ってくるモノとは……!!
平松先生はついに、「外道マン」への道を歩み始めることとなるのです!!

さらに注目したいのは、高橋先生ともう一人登場するビッグネームの漫画家さん。
若かりし日のその先生に、平松先生が抱いた感情……!!
まぁ多分に盛っていらっしゃるのは間違いないでしょうが……さすが平松先生と言わざるを得ないそのシーンも必見ですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!