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今回紹介いたしますのはこちら。

「Do race?(ドレース)」第3巻 okama先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。


さて、絶対王者であるミュラに勝つまで、負けたら死亡と言うとんでもない条件でレースを強いられることになったキュウ。
プロとなり、仲間たちもでき、順調にミュラへの挑戦までの階段を上っていったキュウなのですが、ミュラが引退するまでのタイムリミットも迫ってきています。
果たしてキュウはミュラに勝負を挑み、そして勝利することはできるのでしょうか!?



今日は全競技者の頂点を決める、クイーンカップの前夜祭が行われています。
豪華なパーティーが催されているなか、キュウにも注目の視線が浴びせかけられます。
なにせキュウはレース界に現れてから、連戦連勝。
今となってはミュラ打倒の対抗馬にまで数えられるほどになっています。
そんなキュウは、ともにレースを繰り広げてきた仲間たちとパーティーに列席していたのですが、実は仲間の5人ともこんなことをしている場合ではありません。
何故ならいま、まさに彼女たちのチームが所属している赤黒帝国が、分裂するかどうかの議決投票が行われているのですから!
もし帝国が分裂となれば、帝国が所属のキュウたちのチーム、レッドスターもそのまま運営を続けると言うわけにはいきません、
メンバーの出身地もわかれていますし、メンバーもばらばらになってしまうことでしょう。
その事が心配で、一同は目の前にずらりと並んでいるご馳走すら満足に楽しめず……
そうこうしているうちに、会場がわっと沸き立ちます。
ミュラです。
ミュラが会場に姿を現したのです!!
興奮のるつぼと化した会場。
イケメンの紳士がいの一番にミュラとダンスを踊らせてくれないかと名乗り出るのですが、ミュラはやんわりとかつはっきりとそれを断り、その紳士にキュウにダンスの相手を譲るよう告げさせます!
戸惑いはあるものの、断る理由はありません。
キュウがミュラの前に立つと、ミュラは新人戦の優勝を称えてくれました。
そしてキュウは自らの意思で、もう一人の自分であるシエルへと変身。
二人のキュウが、ミュラとダンスを踊ることになるのです。

ダンスをしながら、二人は会話を始めました。
あと三試合勝てばミュラにたどり着く、それまでこのドレスはお借りします。
そう言うキュウに、ミュラはそのドレスでレースに出ると言うことは、死ぬと言う事、何故なら自分には勝てないから、と囁きました。
が、すぐにミュラは、レース中自分にタッチすれば、爆発してしまう「呪い」は解ける、と続けるのです。
が、キュウはすぐ死ぬのは怖くない、と答え……そして、本当に恐れているある事をミュラに尋ねるのです。
本当に引退してしまうんですか?
ミュラは……引退の決断をするのは遅すぎたくらいだ、と言います。
国の派遣をかけたレースで、10年間王座を守り続けてきたミュラ。
ミュラの強さを封じるためのルールが次々とできてもなお敗北が想像すらできない中、その10年間でミュラを擁する連盟はどんどんと勢力を拡大しています。
この力の格差はもはや独裁だ、というミュラ。
戦争の代わりに国家間の問題を決着するこのドレースで、独裁はあってはならない……ミュラはそう考えたようなのです。
そこで……キュウは言いました。
もし、僕が勝ったらどうするんですか?と。
そして、はっきりとこう告げました!
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引退しないでください、と!!
キュウの言葉を聞いたミュラ、その反応は……現れる前に、風雲急を告げるニュースが舞い込んできてしまいます。
赤黒帝国の分裂が決定した、というニュースが……!!

やはりレッドスターは解散となり、それぞれは分裂してしまったそれぞれの出身国に戻ることになってしまいました。
チームはバラバラになってしまいますが、アヴリル、ミュラクロ、ロコ、キュウの4人はオニオンクランと言うチームを結成し、専用のチャットルームを作り、ばらばらになった後も友達でい続けようと誓うのです。
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不幸中の幸いで、クイーンカップは個人戦、所属チームがなくなっても参加は可能。
ミュラだけでなく、オニオンクランのみんなともそこで会えるのです!

そんな別れと新たな旅立ちを迎えたキュウ、地球で次なるレースに備えることになりました。
が、そこで地球の暫定大統領と言える地位の人物、花尾礼に呼び出され、こんなことを頼まれるのです。
助けて欲しい、と。
地球は赤黒帝国の支配下に置かれていました。
今までそんな中で、地球は独立をかけたレースに幾度か参加していたものの、いつも敗北を喫していました。
そんな中でのこの帝国の消滅は、自由になるための最大のチャンスと言える状況なのです!
レッドレオ王国、黒龍共和国と言う赤黒帝国の主要二国家が別々に出るだけでも帝国の戦力は半減していることになりますし、それに加えてミュラの所属するUB連盟も参加して戦局は渾沌とするはず。
勿論クイーンカップのための公式レースではありませんから、ミュラは参加しません。
地球のための代表となれると言う光栄な抜擢を受け、キュウは一も二もなく参加を表明するのですが……
花尾は、大事なことを隠していたのです。
地球争奪戦は……クイーンカップ決勝と同時に開かれる、ということを!!
キュウの保護者であるアオハトは、キュウに全てを明かしたうえでこう問いかけました。
大統領は、クイーンカップを諦めて地球のために飛んでくれ、と言っている。
お前はそれでいいのか、また「ゆずってしまう」のか。
キュウは何でも譲ってしまうやさしい奴だ、だけどレースで譲ったことはないって言ったよな?
ミュラは引退する、次の結晶は一度きりのチャンスだ。
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レースはここから始まってんだぞ、キュウ!!

ミュラとのレースは、絶対にしたいに決まっています。
ですが、自分を拾ってくれ、育ててくれた地球のためのレースにも出たいことは間違いありません。
我々に他の選択肢はございません、直前までキュウ様が出てくれると信じて準備いたします!
花尾はそう言いながら、頭を畳にこすりつけてキュウに懇願してきて……!!
果たしてキュウはどちらを選ぶのでしょうか。
憧れと夢を実現させるクイーンカップ決勝か。
自分を育ててくれた恩人と友人たちのための地球争奪戦か。
……キュウが出場できるレースは、どちらか一つしかないのです!!



というわけで、クライマックスを迎える本作。
まさかの二者択一を迫られてしまったキュウが選ぶ道はどちらなのでしょうか。
どちらに参加するにしても、負けられない戦いになることは間違いないのですが……
そんなキュウの選択とともに気になるのが、オニオンクランの仲間たちの動向と、ミュラの引退に関してでしょう。
オニオンクランのみんなは、赤黒帝国の分裂した国々の出身です。
ということは、地球争奪戦に出てくることも十分考えられるわけで……
対してミュラは、間違いなくクイーンカップに出場するでしょう。
ですが地球争奪戦もある事ですし、キュウが出ないとなれば目だった対抗馬など要るはずもなく。
キュウが出なければ、ミュラはこのままあっさり優勝して、そして引退してしまうのでしょうか……?

様々な問題はあれど、キュウはこの後レースに出ることとなります。
どちらのレースに出て、誰と戦うのか。
その気になる選択は皆様の目でご確認いただくとしまして、レースはやはり気合のこもった手に汗握る熱戦となります!!
okama先生が最後まで書くことができたと納得の、盛りだくさんに詰め込まれた最終巻。
第1巻から猛烈なスピードで駆け抜けていった本作、最後の最後まで目の離せない華麗で苛烈なまま決着を迎えるのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!