ks0
今回紹介いたしますのはこちら。

「片恋スクリーム」第2巻 四位晴果先生 

小学館さんのゲッサン少年サンデーコミックススペシャルより刊行です。


さて、超イケメンの高枝先輩と一応つきあえることになったあかり。
一応と言うのは、高枝先輩にとってあかりは恋愛対象ではなく、あかりと一緒に行動すると怪現象に会えるから、という体(?)目的なため。
それでもあかりは、大好きな高枝先輩と一緒に居られる幸せのほうが勝ち、今日も今日とて高枝先輩の言うがままに恐ろしい目に会いに行くのでした……!



時は夏休み真っただ中。
夏休みに入ってからも、高枝先輩の嬉しくも恐ろしいお誘いはありまして、なんと離島へのお泊りなんかもございました!!
その顛末は皆様の目でご覧いただきますとしまして、今日はあかり、高枝先輩とともにある人物に会っています。
その人物は……なんだかあか抜けた感じの女子高生でした。
彼女は高枝先輩に会うなり、本物だ、凄い、とにこっと笑顔に。
彼女は「アコ」と名乗りまして、「首吊り」さんのファンだと言います。
首吊り、というのは高枝先輩が今まで体験してきた心霊現象を動画にしてをアップする時に使っているハンドルネーム。
そんな高枝先輩に、アコはこんな文面を送って接触を試みます。
「このネタは直接対面してお話しないと意味ないので、ぜひ私と会ってください。損はさせません。」
その文面に惹かれてあってみることにした、という高枝先輩。
「惹かれる」と言う言葉に扉君と反応してしまうあかりですが、ともかくここはそんなことで話の腰を追っている場合ではありません。
二人はアコの提供してくれた「ネタ」に耳を傾けるのでした。

誰もいわれを知らないとある小さな神社に、一組の夫婦がきまぐれにお参りをしてみました。
その数日後、夫が無惨な死体となって発見されます。
まるで人知を超えた力を持つ何者かによって引きちぎられたかのような姿となって。
実は妻は夫の毎日のように振るわれる暴力に悩まされ続けていまして、神社にお祈りしたのは「夫の死」だったとか。
神社のおかげで夫は死んだというのでしょうか。
感謝とともに、恐怖がわいてくる妻。
お礼参りに行かなければいけないのか、でも自分がこの恐ろしい出来事にかかわったとは思いたくない。
迷い悩みながら街を歩いていますと、曲がり角からいびつで奇怪な影が現れて……!!!

あまりの恐ろしさに思わず叫び声をあげてしまうあかり!!
アコは、動画と同じなんですねとそれを見て笑うのですが……まだこのお話には続きがありました。
妻の方もひどい浮気癖があって、夫も妻の死を望んでいた、そして妻も「それ」に殺されてしまった……というのがオチなのですが、オチから先もあったのです。
ks1
このお話を聞いたもののところには、三日以内に「それ」が現れる。
来訪を防ぐには、その神社にお参りするか、期限が来るまでにこの話を誰かに話すこと。
90年代くらいからよく聞く気がする系の、聞いたら来るよタイプの、自己責任系怪談だった、というわけです!(余談ですがDEBはこの系列のお話を「あぎょうさん系」と勝手に呼んでおります)
ですがこの怪談、回避するための条件が結構難しめ。
その神社の所在地なんてわかるはずがありませんし、人に話すと言うのは簡単ですが……人道的にどうかというところがありますし、そもそも、高枝先輩が来るモノを拒むはずがないのですから!!
気に入った、という高枝先輩。
アコは、このやり方なら絶対ウケると思ったんです、と大喜び。
ネタ提供者としてはこの後を見届けたい、と言いだし……何とアコ、撮影場所として自宅に案内してくれたのでした!!

アコの家は結構なお金持ちのようで、大きなお屋敷でした。
今日は両親がお盆で帰省中、使用人も休みにした、とのこと。
しかも彼女、結構なオカルト愛好家のようで、「猿の手」やら「ネクロノミコン」やら、「バズビーズチェア」だとか、創作物やら博物館で宙づりにしてある物やら、本物なのかも疑わしいながら、音に効く怪奇グッズがごまんと飾ってあるのです。
二人はすっかり意気投合、怪異関係のお話で盛り上がりまくり。
逆にあかりの方は、先ほどの「惹かれた」発言といい、「気に入った」発言といい……精神が追い詰められまくり!!
いたたまれなくなり、とうとうトイレに逃げ込んでしまうのでした。

トイレでも悶々としまくるあかりですが、歯を食いしばって思い直します。
高枝先輩がきまぐれなのはわかっているはず、自分がブレなければ大丈夫!!
そう気合を入れていますと……突然、
ks2
トイレの扉が不気味な音を立てて開き始め……!!

その頃、アコはこんなことを聞いていました。
首吊りさんとあかりは付き合っているのか?と。
アコはどうやら、首吊りと組んで動画撮影をしたい様子。
撮影機材とかを援助するから、もっとすごいものをつくろう!と誘うアコ。
……そのつくろう、という言葉……アコはどうも、高枝先輩の動画がCGだと思っているようなのです。
自分がスポンサーになって資金援助すれば、もっとすごいCGが使えて、凄い恐怖動画がとれる、そうすれば世界に通用する恐怖動画になって、一大ブームを巻き起こせる!!
そう嬉しそうに語るアコに……高枝先輩は言うのです。
君は、画面に映る気はないのかな?
残念だ。
せっかく本物と一緒に撮ってあげようと思ったのに。
……え?と声を漏らすアコ。
その背後で、
ks3
扉がゆっくりと開き、そこから奇怪な影が手を伸ばして……!!!



というわけで、夏休み編とでもいうべき、遠出やお泊りアリのイベントが次々に繰り広げられる今巻。
アコの登場するこのお話もその一つなのですが、このほかにも様々なところにあかりと高枝先輩はお出かけします!
なぜか神社に高枝先輩当てに丑の刻参られた藁人形がありまして、その降りかかる呪いを観察しようとしてみたり、人魚伝説の残る孤島でもういかにも過ぎるアレと遭遇することになったり、明晰夢を見ようとしてみたり……
そんな様々な出来事の中で、準レギュラーになりそうな新キャラも登場してみまして、高枝先輩の興味に巻き込まれる被害者が増加!
ですが被害者と言ってもむしろ高枝先輩に怖いお話を持ち込んでくる感じ。
結果としてますますあかりは恐怖におびえることとなり、同時に一緒に居られる時間が増えて喜ぶことになるわけです!!

今回はその恐怖と愛の狭間で悶絶するあかりと、そんなあかりとともに訪れる怪異に高枝先輩がほくそ笑むパターンがほとんどで、高枝先輩の本当の目的と言った物語の本筋の進展はなし。
ですがその分、本作の王道パターンを楽しみ、勝つ様々なパターンの恐怖ストーリーが素直に楽しめます!!
あかりのものすごいラブパワー(?)に驚嘆するもよし、恐怖におびえてみるもよし、その顛末に笑うもよし。
様々な要素をたっぷり楽しみましょう!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!