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今回紹介いたしますのはこちら。

「僕!!男塾」第1巻 原作・宮川サトシ先生 作画・近藤和寿先生 

日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。


宮川先生は13年にデビューし、エッセイ漫画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」が話題を呼んだ漫画家さんです。
その後自身の手でエッセイ漫画を描きつつ、原作者としての活動もされていまして、15年より連載された「宇宙戦艦ティラミス」は、アニメ化もされた人気作となりました。

近藤先生は09年にちばてつや賞で期待賞を受賞。
12年ごろから原作付き作品をメインに様々な雑誌で活躍されています。

そんなお二人が、今回描くのは潜入ルポ漫画です。
ですが、そのタイトル通りその潜入する先は何とあの男塾!!
果たして気になるその内容は……!?



宮川先生は、担当の編集さんと相談していました。
どうやら、次回作についての話し合いのようです。
魔法の使えなくなったヒョロヒョロの魔導士が、剣術の特訓を始める葛藤の話だと言うネームを担当に見せるのですが、担当反応はいまいち鈍い感じです。
正直ちょっと面白そうな気もしますが、担当は宮川先生のウリはやはり大ヒットしたエッセイ漫画のようなリアリティだ、と考えているようで。
確かに宮川先生もリアリティの無さと言うのは自分でもわかっていたようで、あっさりそのアイディアはひっこめました。
奥さんがお茶のお代わりを出す間もなく、ゆっくり企画を練っていきましょうよ、何か思いついたら連絡ください。と立ち去っていく担当。
焦らず考えるべきだと言うことはわかっているのですが、宮川先生はやはり連載を持っていないと「漫画家」と名乗るのははばかられると感じている様子。
リアリティか、と心の中でつぶやきながらあたりを見まわしますと、担当の忘れ物を発見します。
担当が所属している雑誌、週刊漫画ゴラクです。
表紙は我らが「男塾」シリーズ。(「極!!」っぽいです)
俺が小学生の頃にやってた漫画だぞ、まだやってたのか、と驚く宮川先生、確か軍隊みたいなムチャクチャな学校の話なんだよな、と記憶をたどる宮川先生。
奥さんの方もお兄さんが読んでいたのを横から見ていた記憶があるとのこと。
パラパラと目を通し、ノスタルジックな感情に浸る宮川先生なのですが……
その時のことでした。
何やらガツガツと叩くような音が響いてきたのは。
何だろう、と振り向いたその瞬間!!
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壁をぶち破り、なんだか画風の違う、強面な学ラン姿の集団が乗り込んできたではありませんか!!
学ランの集団は、おじゃまします、とぺこりと頭を下げ、そのまま逆側の壁を壊し、失礼しましたと頭を下げて通り過ぎていき……
これって、もしかしなくても……直進行軍!?
ですが男塾の記憶も曖昧な宮川先生、奥さんとともに恐怖でそれを見送るほかありません。
壁に空いた大穴を眺めながら、この穴をどうするんだ、大家さんにあんて言えばいいんだ、と途方に暮れるばかり。
そこで、突然飼い犬のげんこつが吠え始めます。
そして、ひとしきり吠えた後、げんこつは一目散にその壁の外へと走り出ていきました!!
壁の外に出るとげんこつは、その画風ががらりと変わり、なんだか劇画調になってそのまま走り去っていってしまいます。
戸惑う宮川先生ご夫妻ですが、このままげんこつを見捨てるわけにはいきません。
やけくそだとばかりに宮川先生がその穴から外へ飛び出していきますと……
なんとその姿は一気に宮川先生の画風から、男塾を彷彿させるムキムキの恋が風へと変わってしまうではありませんか!!
そして穴をくぐった先にあったのは……
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そう、あの男塾!!
まさかあの壁の穴で男塾と繋がってしまったのか!?
戸惑う宮川先生ですが、げんこつはおそらくこの中。
意を決して、こんにちは、と中へと入っていきますと……そこには、まるで刑務所のような巨大な巨大な門が。
何とか苦労しながら門を開け、中へ入りますと、そこにトイレがありました。
緊張のあまり催してしまった宮川先生、とりあえずそこで用を足すのですが、ふと隣を見るとそこには
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超巨大なトイレで、超巨大な男が滝のような用を足している真っ最中ではございませんか!!!
思わず腰をぬかし、その股間を出かかったおしっこで濡らしてしまう宮川先生……
とりあえずいったん家に帰り、ズボンをはきかえてから改めてげんこつを探すことにしたのでした……



というわけで、自宅が男塾と繋がってしまった宮川先生の奮闘を描いていく本作。
このあと、げんこつは比較的あっさりと見つかるのですが、見つかった場所はなかなかとんでもない場所でして。
その場所は安全なのは間違いないのですが、げんこつのほうが帰ろうとしてくれません。
そこで宮川先生は足しげく男塾に通い、何とかげんこつを連れ戻そうと頑張ります。
が、その度に男塾で様々なあれこれに巻き起こってしまい……!!

油風呂の油の入った鍋をひっくり返してしまったり、富樫が入油真っ最中の油風呂がポ〇ストップになっていてフラフラと近寄っていってしまったり、鬼ヒゲ達教官とともに男塾の新名物を考えさせられたり、田沢に分数の掛け算を教えることになってしまったり……
男塾のネタが満載なのは当然といたしまして、本編ではあまりスポットライトの当たらなかったあんなキャラやこんなキャラとの絡みが見られるのが本作の注目したい点でしょう!!
男塾への愛溢れるネタの数々に、宮川先生と近藤先生の画風の入り混じる画の面白さ、意外なキャラの活躍……
男塾ファンのお楽しみたっぷりの一冊になっているのです!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!