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今回紹介いたしますのはこちら。
「逆襲インフェルノ」第1巻 重本ハジメ先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、「雨天決行」以来、久々の単行本刊行となった重本先生。
本作でも前作のような、ダイナミックかつハードなバトルアクションが繰り広げられます。
が、今回の作品の舞台はちょっと変わっているようで……



日向アスキ、中学三年生。
彼は自分の通っている中学ではない中学に乗り込み、そこの教師を問い詰めています。
アスキは親のない子供たちが暮らす施設に住んでいまして、そこで一緒に暮らしている少女、堀田が屈辱的なことを言われたと聞きつけてやって来たのです。
授業中に、施設にいるということは親に捨てられたんだ、と笑いものにしたと言うその教師。
堀田の親はこいつを捨ててなんていない、この学校に通わせるために朝から晩まで働いてるんだ、それでもお前は先生なのか!?
まったく反省する態度の魅せないその教師、アスキにそう詰め寄られてなおひどい言葉を続けます。
私が言ってんのはそこじゃなくてさ、ビンボー人には変わりないだろう。
そう悪びれもなく言っていた教師ですが……その時、その発言を携帯電話で撮影されてしまっていることに気がついていませんでした。
携帯電話を上の下位からぶら下げてその様子を撮影していたのは、ユウイというアスキたちと同じ施設で暮らす少年でした。
アスキの無鉄砲な行動をサポートするためにやって来たユウイ、彼はこの教師が最も嫌う行動がよくわかっているようで。
今まで余裕の表情だったその教師も、その動画が拡散されてしまえば大変なことになるとわかり、血相を変えてそれを取り返そうとします。
ユウイはそんな教師を弄ぶように携帯を操って右往左往させ、ついには上からのしかかってノックアウト!!
教師が気絶すると、パンツ一丁の姿にひんむいてまた撮影を行い……
今度また俺の園の人間を笑ってみろお前を一生笑えなくしてやる、とすごむのでした!

クレバーでスマート、それでいて熱くて情にも厚いユウイは、園の仲間たちの精神的支柱になっています。
園の子供たちはもちろんのこと、園の運営側の人間も頭が上がりません。
ユウイはそんなことを鼻にもかけず、憎まれ口をたたいては園をサポートしていくのでした。
対するアスキはと言いますと、無鉄砲で喧嘩っ早く、その喧嘩も毎度毎度パッとしないと言う体たらく。
かといって園の子供たちに嫌われているかと言うと決してそんなことはなく、やはり強い信頼を寄せています。
確かに喧嘩っ早いアスキですが、何かが起きたときはいつもいの一番に駆け付けてくれるのです。
園の子供が靴をカツアゲのように奪われそうになったときも、真っ先にやってきました。
結局その子供とともにアスキはぼこぼこにやられてしまい、ユウイが助けてくれたのですが……それでも、そんなアスキの行動は子供たちを喜ばせてくれるのです。

そのアスキですが……ブランコしかない公園で、一人ブランコを漕いでいました。
落ち込むことがあるとアスキはいつもここに来て、何をするともなくブランコを漕いでいるのですが……そこに、ユウイが現れます。
そろそろ帰らないと飯を食い損ねるぞとアスキに声をかけるユウイなのですが……アスキはどうしても胸の中のもやもやが消えないのです。
施設をすでに巣立っていったユウイ。
今でもこうして様子を見に来てはくれますが、やはりユウイが園いないと言うのは大きいのです。
みんなの心の支えだったユウイがいなくなった今、その代わりとして頑張らなくてはいけない。
アスキはそんなことを考え、どうしても憂鬱になってしまっていたのですが……
ユウイは、俺の代わりなんて無理だ、とあっさり言うのです。
が、それは悪い意味で言ったことではありません。
誰かが誰かの代わりなんてできっこない、だから一人一人が大事なんだ、という、ユウイなりの7考えあっての言葉なのです。
とはいえユウイのようにみんなを守りたいが、そううまくはいかないとうなだれるアスキ。
ですが本当にそうなのでしょうか
靴をカツアゲされそうになった子供も、最初からユウイやアスキに任せておけばお前は痛い思いをしなくて済んだんだ、とユウイに言われたとき、こう答えたとか。
自分の力で取り戻さなくちゃ、そうじゃなきゃこの靴を履く資格がない、と。
気弱なその子のものとは思えないその言葉。
その言葉を発現させた……戦わなければいけない、という意識を持たせたのは、まぎれもなくアスキなのです!
それは単純に守るよりももっと難しい事。
アスキは、みんなを守るのではなく、みんなを強くすることができる!
ユウイはそうアスキに告げるのです!

ですがそんな時、とんでもないことが起きてしまいました。
二人の様子を見に来ていた堀田でしたが、そんな堀田の背後にあの教師が現れ、ナイフを突きつけてきたのです!
そして堀田を人質に取り、あのデータの入った形態を投げ捨てろとユウイに指示!
大人しく従うユウイですが、教師の逆切れはそれだけでは終わりませんでした。
なんとユウイにも、ここから飛び降りろと指示をしたのです!
このブランコ公園は、山際の崖のようなスペースを利用して作られたもの。
柵を乗り越えればそこは、十数メートルはあろうと言う断崖絶壁なのです!
ユウイは堀田を守るため、あっさりと崖から飛び降りたではありませんか!!
が、それはあくまで教師を油断させるため!!
柵につかまって身を隠し、様子を見に来た教師の頭をひっつかんで逆襲!!
突然ことに戸惑った教師を、今度はアスキがぶん殴って撃退したのでした!!
今度こそ教師を黙らせたかに見えたアスキとユウイ。
ですがユウイはその時、手につかんでいた朔を話してしまい、崖にへばりついている形になってしまっています。
そのうえ、教師がちらつかせていたナイフが胸に刺さってしまっていて、このまま踏ん張り続けるのも困難なようで……!!
アスキがフェンスからぶら下がって助けの手を伸ばす者の、ユウイはすでに限界。
そのままずり落ちてしまいました!!
間一髪、突き出ていたパイプに服が引っかかったものの……到底アスキの手が届く距離ではありません。
それでも懸命に手を伸ばすアスキの手を見て、ユウイはぽつぽつと語り始めます。
子供のころ、お前は俺の手を握って離さなかったよな。
そうして安心しているお前を見て、お前を俺が守らなきゃ、俺が強くならなきゃと思ったんだ。
ありがとな、お前が手を握ってくれたおかげで、俺はこんな奴になれたんだ。
まるでお別れのようなその言葉……
ユウイは覚悟したのでしょう。
ですがアスキは、そんな覚悟など許すことができません!!
だったら、強くなれるってんなら、今すぐ俺のこの手つかめ!!
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そう叫び、フェンスをバリバリと引き裂いて、ユウイのほうへと手を伸ばすのです!!!
帰ろうぜ、早く帰って飯にしよう。
アスキの伸ばされた手を、ユウイもまた手を伸ばして握ろうとした、その瞬間……

アスキは、見慣れない団地の公園のような場所にいることに気が付きました。
……一体何が起きたのでしょうか。
ユウイを探して走り回ると、誰もいない町のようになった場所の外に出てしまいました。
そこは、無限に広がる荒野のような、わけのわからない場所。
自分を殴っても目は覚めず、夢ではない様子……
ここはいったい何なのか、ユウイは、みんなはどこに行ったのか?
戸惑っていると、そこに誰かが近づいて来ているのに気が付きます。
話しかけようとしたアスキですが……その誰かは……下半身鹿、ありませんでした。
その下半身は、
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得体のしれない、見たこともない巨大な怪物に引き摺られていたのです!!!
そしてその怪物は、アスキも毒牙にかけようとするのですが、突然怪物の五体は引き裂かれて死んでしまいます。
それをやったのは、またも見覚えのない、二人の男でした。
そしてその男は、いまだ状況の理解できないアスキにこう言うのです。
ここはな、地獄だよ。
終ったのは世界じゃねえ、お前だよ、お前が終わったんだ。
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死んだんだよ、お前。



というわけで、アスキの地獄の旅路が始まってしまう本作。
この第1話の大半を使って、たっぷりと描かれていったアスキとユウイと施設の子供たちの絆、そしてアスキの持つ強さ。
そんな描写をこれでもかと重ねて言ったうえで、本当の物語が始まる構成となっているのです!!
喧嘩っ早いものの喧嘩に強いわけではない、その代わりに周りのみんなを強くしていけると言うアスキ。
そんなアスキは、地獄と言われたこの謎の世界でどんな人物に出会い、どんな運命をたどることになるのでしょうか。
わけもわからないまま旅することになるアスキですが、地獄と言っても死んだもの全員が行くと言うわけではなさそうなこの場所、どうやら確かではないながらも元いた世界に変える方法もあるらしいことがわかります。
ですがこの地獄、地獄と呼ばれるのにふさわしい、力が支配する残酷極まりない横暴の横行する世界。
目の前で起きるのは、非道で残虐な出来事ばかりです。
そんな世界でアスキはどう生きていくのでしょうか。
そして元の世界に帰り、今度こそユウイに変わる施設の柱となることができるのでしょうか!?
これから先、目も覆わんばかりの出来事は数多く起きるでしょう。
それでも、アスキならばきっと乗り越えてくれるはず……!
次々巻き起こる急展開、ハードなストーリーに手に汗握るアクション。
これからも目の離せない展開が待っていることでしょう!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!