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今回紹介いたしますのはこちら。

「明日ちゃんのセーラー服」第3巻 博(ひろ)先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、元気印の少女、小路とそのお友達との日常を描いていく本作。
元気で明るい小路の周りには、いつも笑顔が触れています。
一体今巻ではどんな出来事が巻き起こるのでしょうか!?



小路は、プールサイドで体をほぐしています。
その横に立っているのは、短髪のスポーティーな印象を受ける少女、水上りり。
ある事情により、二人は水泳で勝負することになったのです……が、小路の表情はいつもとは違い、どこか険のあるけわしいもので。
小路にいったい何があったのでしょうか?
対戦する水上さんの表情は打って変わって余裕すら感じさせる笑顔で……
そんな対照的な表情を浮かべた二人の対決は、クラスのみんなが見守る中で……幕を開けるのです!!

ここで少し前に時間を巻き戻してみましょう。
黒板の前にたつ、クラスの副委員長、龍守逢は熱弁を振るっておりました。
中間試験がうまくいかなかった皆さん、落ち込んでいる暇はありません!
そう前置きをして本題に入ろうとしたところ、小路の後ろの席に座る兎原さんが手を上げまして、一番引き摺ってるのは龍守さんだと思います!とちゃちゃを入れてきました。
そのデコ5センチ広げるわよ、と強烈な反撃を返して黙らせようとする龍守さんですが、兎原さんはめげません。
一位が満点じゃ仕方ないよ、ドンマイドンマイ、とにこにこするのです。
そんな二人のやり取りを見ていた、その満点の一位……委員長の谷川さんは、本題を話してもいいですか、と話を切り出します。
その本題と言うのは、今月開催される体育祭の種目分けの話し合い。
龍守さんは勉強だけに限らず、運動の方でもやる気満々の負けず嫌いさんのようで、目指すは優勝よ!とテンション高く皆に発破をかけるのです!
そんな熱い龍守さんの隣で、あくまで冷静に進行していく谷川さん。
あらかじめ書いてもらった希望の中で、参加人数をオーバーしている話し合うことになりました。
話し合いは順調に進んでいきまして、最後の種目、水泳のメンバーまで素直に決定します。
水泳の参加者は、小路のほか、大熊実さん、龍守さん、そして……水上さん!
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勝利のため、龍守さんはアンカーに水泳部所属の水上さんを指名。
水上さんも、ええよ、と自信ありげに微笑むのです。
水上さんは水泳部なんだ、と小路が考えておりますと、そこですっかりアケビと仲良しになった木崎さんが声を上げたのです。
ひとついいかしら、小路さんは水泳がとても上手よ、しかもアンカーの自由形。
勝つことを目指すなら、比べたうえで順番を決めてもいいんじゃないかしら。
……確かにその提案も一理あると言うもの。
谷川さんもそうですね、と肯定し、水上さんにどうだろうかと話を振ってみました。
水上さんは少し考えたような間をあけて、やはり、ええけど?と頷いて……

その日の放課後、早速二人はタイムを競い合うことになりました。
着替えながら小路は、水上さんは昔から水泳をやってたんですか?と質問するのですが、水上さんは敬語やめて、りりって呼んで、と一言。
そして、その後に小路の質問に答えるのです。
水泳は得意、小学生んとき全国行ったこともある、と。
全国、となればやはり相当なレベルなのでしょう。
私なんか手も足も出ないかもしれないな、と笑う小路。
そんな小路の顔を見て……水上さんは突然、こんなことを言いだしたではありませんか。
うちはブレザーがええなって思て蝋梅にきめてん。
けど、小路のセーラー服姿見て、めっちゃときめいてしもてん。
なあ、この勝負でうちが勝ったら、
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小路のセーラーとうちのブレザー交換して!
小路が勝ったら、うちなーんでもやったるわ。
……思いもよらない言葉を聞いて、小路のあんぐり開いた口から出てきたのは「え」と言う音のみ。
その直後に慌てて、交換なんて学校が許してくれないよ、と言うのですが……
なにせたった一人だけセーラー服を着ての通学を許してくれた学園長がいる学校なのですから、絶対に許してくれないとも言い切れません。
交換なんて、ぜったいにイヤ!
口には出さないものの、心の中でそう強く思った小路……
その顔には、
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今までにないほど真剣な、闘志が宿るのです!!



というわけで、体育祭の水泳の順番どころか、セーラー服までかけて戦うことになってしまった小路!
相手は元全国の水泳選手。
いくら泳ぎが得意とはいえ、まともにぶつかっては到底勝てる相手ではないでしょう。
もうこれは、小路のセーラー服への想いにすべてがかかっていると言っても過言ではないでしょう!!
ナチュラルパワーとセーラー服へのナチュラルラブが勝つのか、全国レベルの力の前に敗北を喫するのか!?
本作で初めてかもしれない、小路の本気の「戦い」が見られます!!
と言っても本作ですから、悲しい展開にはならないのでご安心ください!!

そしてその他にも見どころはたくさん用意されております。
今巻ではもう一人の主役と言っていい木崎さんの活躍ももちろん用意されていまして、小路との仲がもっと深まっていきそうなお話の導入のような部分も収録。
一部にカラーを交えた印象的な演出にも目を引かれることでしょう!
さらに今まであまりスポットライトの当たってこなかったクラスメイト、四条さんをフィーチャーしたお話や、体育祭の練習がらみで小路の通っていた小学校の体育館を借りるお話なども用意されています。
体育館がらみのお話は、なんだか涙が出ちゃうかもしれない、すがすがしい感動のあるエピソードとなっておりまして、こちらも必見ですよ!!

そして本作の代名詞ともいえる、キャラクターの動作を連続写真のように丁寧に描いていくアレもばっちり収録!!
今回は小路のだけではなく、四条さんや、描き下ろしのエピソードで神黙さんの眠っている姿以外の動作なども描かれておりまして、相も変らぬ博先生の愛と執念めいた情熱をひしひしと感じられる印象的なものになっています!!
ちなみに今巻のビジュアル面で個人的に一番すごいと感じたのは、水上さんとの水泳対決。
様々な構図と細やかな所作を圧巻の画力で描く水泳シーンは、思わず息を飲むことでしょう……!!
こちらも是非ともご覧いただきたいものです1!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!