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今回紹介いたしますのはこちら。

「ピンサロスナイパー」第1巻 たべ・こーじ先生

日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。


たべ先生は86年に成人向け漫画家としてデビュー後、印刷会社に就職してプロ漫画家をいったん休業、その後しばらくのブランクを経て再びプロの道へ!
近年ではメインとしていた成人向けのイラストや漫画だけではなく、成人指定のない全年齢向け漫画家としても活動されております。

そんなたべ先生の最新作となる本作は、もはや懐かしい響きな気がするピンサロと言うタイトルから連想される通りの、エロス要素のある作品です。
が、タイトル後半のスナイパーから連想される要素もばっちり含まれていまして……!?



街中にある小さな会社。
その中でOL三人組が他愛のない会話をしておりました。
あー結婚したい、結婚してさっさと辞めたいわよこんな会社。
そう呟く同僚に、何度目ですかそれ、と突っ込みを入れますと、毎日同じことの繰り返しでつまんなくない?ねえ皆藤さん?と、向かいに座っている地味な印象を受けるOL、階堂ユキに話を振りました。
ユキは少し考えて……これからは女性の時代ですし、バリバリ働くのもありなんじゃないかなって思います、と返答。
天然と言うかポジティブ思考と言うか、ユキに聞いた自分がバカだった、と漏らす同僚たち……
そんな子世を話していたかと思いますと、今度は今着ているお客さんの話題へと話が変わりました。
三人で覗きに行きますと、そこには確かに整った顔立ちの若い男性客が商談をしている様子です。
林田啓と言うその男性、町工場再生プロジェクトなる団体の代表で、町工場に融資するような仕事を生業としているとか。
イケメンで金もある、というわけで三人組……いや、ユキ以外の二人は盛り上がるのです。
ユキはと言えば、
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言うほどイケメンってわけでもないっスね、私は苦手です、と冷めた表情。
他の二人からすれば、こんな優良物件でも靡かないなんてどんな神経をしているんだ、という感じなのでしょうが……

そんなユキですが、夜になると別の顔を見せることは会社の誰も知りません。
軽快にランニングで向かう先は……夜の繁華街。
そこで、お酒なんかとともにエロスなサービスも提供するお店に勤務しているのです!!
そのお店、パラダイスイヴでの彼女は、メガネを外して髪もおろし、野暮ったい服装を脱ぎ捨てて、はちきれんばかりのお色気を全面に押し出すセクシーな格好に身を包んでいます。
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そして男性客ににこやかに微笑みかけ、やさしくさーぼすを施すのです……が。
「4番」に指名が来た時だけ、その表情が変わるのです。
4番の席に向かうと、そこにはくたびれた中年の男性が待っていました。
ユキはさっそくそんな彼にサービスを開始。
男性の本当の目的はそのサービスではないのですが、この店はあくまでそう言うお店ですので、カモフラージュもかねて行うのでしょう。
体を絡み合わせながら、男性の本当の目的についての話を聞くユキ。
その内容はこんなものでした。

男性は町工場の社長。
ですが押し寄せる不況の波にもまれ、借金に苦しんでいました。
そんなところに、「ヤツら」はやって来たのです。
金を融資したい、町工場を救済したい。
そんな甘い言葉に誘われ、奴らから金を借りると……最初の話とは違う、ありえない金利での返済を強いてきたのです!!
すぐに首が回らなくなってしまった男性ですが、そうするとヤツらはあろうことか男性の妻を借金のカタとして強引に拉致!
男性から何もかも奪い、しゃぶりつくそうとしてきたのです……!!
ヤツらを率いている男……その名は林田啓!!
様々な名義を使い分けて弱者から搾取を行う詐欺師で、邪魔者はつながりのあるマフィアに消させるという真正の外道!!
……客の男性の依頼は、こうです。
妻を救出してくれ。
林田啓を、殺ってくれ。

詐欺だけでなくマフィアともつながりがあるとは、林田啓とはどこまで闇に染まった男なのでしょうか。
ですが、林田啓がどれだけ闇と繋がっている男なのかは関係がありません。
ユキたちは……依頼を確実に遂行する、それだけなのですから。

以来のことなど知るはずもない林田は、あの男性の妻をめちゃくちゃに弄んでいました。
その結果、ぐったりとしてまともな反応をしなくなってしまった妻。
それを見て林田は、もう飽きたし捨ててもらうか、ととんでもないことを言い出すのです。
そうしていると、たくさん持っている携帯の一つが着信。
その電話の相手は、たくさんの金を貸し付けている犠牲者のうちの一人でした。
時間をくれ、というその犠牲者に対しても、毎月返済の約束でしょう、と容赦のない言葉を並べるばかりで……
さらに林田は、あまりにも下劣な言葉を並べ始めます。
貴方、中学生の娘さんいましたよね、確かアイドル志望だとか。
返済待ちますから娘さんいただきましょう。
私がトップアイドルにしてあげますよ、たっぷり可愛がってね!!
フヒヒといやらしく笑う林田……
ですが、その直後です!!
林田の脳天に、風穴が開いたのは……!!

ネオンが輝くビルの屋上。
その看板の灯りから生まれる闇の中に、ユキはいました。
加害者が笑い、被害者が泣く、そんな今の世の中。
私も、私たちの組織も、街を泣かす者は許せない。
そんな私たちのことを裏社会ではこう呼んでいる……
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ピンサロスナイパー……!!
昼間の地味なOLの顔。
夜の男性に愛想を振りまくサービス、ピンサロで働く顔。
そしてもう一つの、標的を確実に仕留める、冷徹なスナイパーの顔。
どれが真実の顔でどれが偽りの顔なのか、それはユキでもわかりません。
ですが、彼女h削のどの顔でも全力を尽くすのです。
街の笑顔を守るため、小さな幸せを守るために……



というわけで、エロスな仕事人的作品となる本作。
一話完結型のお話となっておりまして、OLパートで前フリ、ピンサロパートで依頼の受理、スナイパーパートで悪を討つ、たまにOLパートでオチがつく、というパターンでお話が進んでいきます。
このパターン、まさに仕事人!!
悪党にほとんど苦戦しないと言うのもまた仕事人的でして、ユキの様々な貌での活躍を心行くまで楽しむことができるのです!!
たべ先生の卓越した画力で描かれるそれぞれのシーンも圧巻でして、アクションシーンもパワフルで迫力満点!
エロスなシーンは言うまでもなく、エロス&バイオレンス、その両方でいかんなく力を発揮されておられます!!
タイトルからしてふざけたお話のようにも見えてしまうのですが、スナイパーパートに絡んでくるあれこれはしっかりハードボイルドしているのも高ポイントではないでしょうか。
エロスでもバイオレンスでも、OLパートのコミカルさでもしっかり読ませてくれる作品となっているのです!!
装丁の方も昭和館溢れるデザインになっておりまして、たっぷりそっちの雰囲気に浸れること間違いなしですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!