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今回紹介いたしますのはこちら。

「彼女はお義父さん」第1巻 川田大智先生 

エンターブレインさんのハルタコミックスより刊行です。


川田先生は14年にハルタでデビュー、15年より同誌で「まかろにスイッチ」を連載した新人の漫画家さんです。
ですが00年にはジャンプの漫画賞で審査員特別賞も受賞されており、似顔絵の仕事などもされていたようで、その絵の実力は確かなのです!

そんな川田先生の最新作である本作は、前作「まかろにスイッチ」でも発揮されたシュールさと女の子のナチュラルな(?)かわいらしさを存分に生かしたストーリー漫画となっています。
気になるその内容はと言いますと……!?



小野と詩織は付き合っています。
と言ってもまだ手すらまともにつないでいない、初々しい関係です。
そんな二人、学校が終わった後二人で縁結びの神社に行ってみることにしました。
放課後から電車に乗って少しだけ遠い神社に行くため、小野は両親に遅くなりそうだから夕飯はサキに済ませていて、と電話。
詩織の方はと言いますと、うちはお父さんがうるさいから、彼氏と二人でいるなんて言ったらどうなっちゃうかわからない、とちょっと困ったような表情を浮かべるのです。
そこまで言わなくてもいいから、心配かけないように連絡だけしておいたら、と促しますと、じゃあお母さんに連絡しようと電話を取り出す詩織。
ですがちょうどその時、噂のお父さんから電話がかかってきていたのです。
ここで遅くなることを言わず、改めてお母さんに電話して遅くなると告げるのはいくらなんでも不自然すぎると言うもの。
やむなく、テスト前だから友達と学校近くのカフェで勉強する、と嘘をついてごまかすことにしたようです。
が、お父さん……その電話口から聞こえる、電車の音を聞き逃しませんでした……!
丁度駅のアナウンスも流れてしまっていまして、詩織の方もばれてしまったかなと不安になります。
そこで小野はここからまだ歩くし、心配かけるなら帰ろうかと提案。
とはいえせっかく神社の近くの駅にまで来たところなのに、ここで帰るのはもったいなさすぎますし……なにより、詩織は残念そうな表情を浮かべて明らかに落胆しています。
小野は意を決し、行こうか、暗くなる前に帰れば大丈夫だよ、多分、と詩織に声をかけますと……詩織は、本当?嬉しい!とぱっと表情を明るくするのです。
その笑顔を見ると、小野の心の中には暖かな感情がわいてきます。
ああ神様、僕はこの子を一生大切にします。
……小野は、神様にもそう誓うのでした!

少し歩いた山奥の神社でお参りを済ませた後、いざ帰ろうとしたものの、詩織は和服の男性を見た途端おびえだします。
なんでも詩織のお父さんは小説家なんだそうで、平日などでも時間にある程度自由が利くとのこと。
自分の居場所を知れば、飛んできてしまうかもしれない。
詩織はそんな不安を抱いていたようなのです。
小野はすごいじゃん、と小説家だと言うお父さんの素性に素直に感嘆するのですが、詩織はすごいっていうほど有名じゃないよ、と流そうとしたものの、そこで何者かが、有名か無名かなどどうでもよい、と口をはさんできました。
どうせなら有名なほうが良いじゃん、と反論し、そのまま帰り道を歩き続けようとする詩織でしたが……
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振り返ってみてみれば、その口をはさんできた人物こそがお父さんだったのです!!
帰るぞ!詩織!
そう言って立ち上がり、二人のほうへ近づいて来るお父さん!
慌てて挨拶をしようとするもののしどろもどろになってしまう小野、詩織は私は帰らないから、と小野の背中に隠れてしまいます。
が、お父さんは一切無視して詩織の手首をつかみ、どこの誰だか知らんがうちの娘にちょっかいを出すな、何かあったらどう責任を取るつもりだ!と小野を怒鳴りつけるのです。
そんな過保護なお父さんに詩織は今までさんざん悩まされてきていたのでしょう。
いい加減にしてよ、いつまでも子供じゃないんだから、お父さんの言いなりにはならない!と手を払って反抗する詩織……!!
ですがお父さんは、生意気なことをぬかすな、と強引に詩織の肩と腕をつかみ、力づくで家に帰ろうとしだすのです!!
詩織はたまりかね、放してよとお父さんを突き飛ばします。
その衝撃で詩織はよろけてしまい……転落防止用の柵にぶつかってしまいました!!
お父さんはとっさに詩織の手をつかむものの、既に詩織の体は柵を乗り越えて崖の外に……!
お父さんも片手で詩織を支え切ることはできず、そのまま一緒に転落してしまうのです!!
小野もとっさにお父さんの袴の裾をつかんで助けようとしたものの……やはり日と二人の落下する勢いを支えることなど簡単ではなく。
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結局、三人一緒に崖下へと落下してしまったのでした……

小野が気が付くと、詩織が心配そうに顔を覗き込んで、声をかけてくれたところでした。
幸い二人には大きなけがはなかったようです。
が、なんとお父さんの姿がどこにも見当たりません!
一緒に落ちたからには、一人だけどこか遠くに行ってしまうとは考えづらいです。
一体お父さんはどこに行ってしまったのでしょうか?
詩織は涙を浮かべながら、私のせいで、お父さんが、と頭を抱え……
小野は大丈夫だよ!と詩織を安心させるため声を張り上げ、もしかしたらもう少し下のほうまで落ちてしまったのかもしれない、とあたりを歩き回って探すことに。
詩織も何とか気を取り直し、二人で声を張り上げてお父さんを探すことにしたのですが……
陽が落ちてきても、お父さんの姿は全く見つからないのです。
へたり込んでしまう詩織……
小野はそんな詩織に、これ以上ふたりで探すのは危険だから山を下りて助けを呼ぼう、大丈夫、きっと見つかるよ、と務めて明るく、優しく声をかけました。
詩織も彼の心遣いがわかったのでしょう、涙を拭いて、頷いてくれました。
亜地に舗装された道があったから、そこからぬkられると思うんだ、そう言って、へたり込んだ詩織に手を伸ばす小野……
詩織は、ありがとう、と小野の手を取るのですが……その時でした。
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詩織が、お父さんの姿に変わったのは。
私は助かったのか?君はさっきの、無事だったのか?詩織は無事か?
お父さんはたった今目が覚めたような、そんなことを言いながら、無意識に小野の手を離します。
するとその途端、その姿は詩織のものへと変わるではありませんか!!
……改めて詩織の手を触れてみると、またその姿はお父さんに。
そしてお父さんがその手を離すと、またその姿は詩織に……!!
信じられないことですが、信じるしかないでしょう。
お父さんは詩織の体の中にいて、自分が触れている間だけ表に出てくる……!!!
小野は、詩織にこう言うしかありませんでした。
お父さん、いたよ、と……!!




というわけで、父と娘が一つの体に入ってしまうと言うとんでもないスタートを切る本作。
父と娘が入れ替わると言うのはまあまあ聞くお話ではありますが、身体が共用と言うのが本作ならではのポイントと言えるでしょう。
それも切り替わるポイントが、娘である詩織と付き合っている小野と体を触れ合わせている間だけ、というのがまた困ったところなわけです!
つきあっている以上、ゆくゆくは手をつないだりキスをしたり、そこから先のこともしたいと考えるのは自然と言えましょう。
ですが触った間だけお父さんになると言うことは、そんなあれこれはすべて実現不可能と言うことになってしまうのです!
そんなラブコメ的な問題もありますが、それより大きな問題は二人の生活についてです。
詩織は高校生なわけで、学校に行かなければ行きません。
お父さんは小説家で、出勤などはしなくていいのですが……作品を描かなければ、生活にかかわってきてしまうわけです!
詩織の学生生活、お父さんの仕事。
その両方を両立させなければならず、その為には小野の協力も必要となってしまうわけで……!?
ただでさえ触れてしまえばその場で「詩織の格好をしたお父さん」になってしまうと言うトラブルの種を抱えながら、それでいて必要に応じて触り続けなければならないと言う難しい状況に陥る詩織達。
そんな状況上、詩織とお父さんと小野の日常はトラブルと隣り合わせのドタバタが常となってしまいます!!
三人のドタバタ劇をコミカルに描きながら、小野と詩織の恋愛、お父さんと詩織の感情、そして小野とお父さんの関係と言った三通りの関係をしっかり描く作品となっているのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!