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今回紹介いたしますのはこちら。

「地獄楽」第2巻 賀来ゆうじ先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、自由の身と妻との平和な暮らしを手に入れる為、極楽浄土へ不老不死の仙薬を手に入れる旅へ出ることになった画眉丸。
褒美を手に入れようと旅だったのは画眉丸だけでなく、腕利きの囚人たちと、その監視役の首切り役人たちもずらり合計20人。
ですがその腕利きたちでさえも、その極楽浄土と言う名の地獄では一瞬の油断で命を落としてしまい……!!



得体のしれない植物が咲き乱れ、奇怪な虫が舞飛び、それが奇妙な毒をまき散らす。
そしてその中を探索するほとんどの囚人たちは、他の囚人の寝首を掻かんと企んでいる。
ただでさえ危険極まりないこの極楽浄土を危険にしているのは、やはり一つの褒美を奪い合うという目的のために手段を選ばない囚人たち自身……と、最初はそう思われていました。
ですが探索を続けるうちに、どうもそうではないと言うことがわかってきます。
勿論囚人たちは誰もが危険な技を持っていて、油断をすれば即座に殺されてしまうことも間違いはありません。
ですが……この極楽浄土と呼ばれる島には、人間の理解の及ばないものがもっともっと存在していたのです。
それは……未踏の地と思われていたこの地に並び立つ、おおよそ仏師が彫ったものとは思えないいびつな造形の仏像が立ち並ぶ光景。
その光景にふさわしいかのような……人間と、別種の生物がまじりあったような、怪物が存在すること!!
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六本の腕を生やし、魚の頭をした得体のしれない生物に対峙している画眉丸。
その三対の腕に数珠をかけ、合掌しているその生物……正体は一向にわかりませんが、とにかく危険なものである、ということは画眉丸の本能が訴えかけてきています。
いや、この怪物が、というよりも、この島が、と。
その周りには、人面のムカデのような生物も這い回っていまして、とてもこのまま穏便に済むようには思えません。
佐切もまた、警戒を解かずに生物たちの様子をうかがっていたのですが……あまりにも周回なその見た目に、思わず眉をひそめてしまいました。
それをきっかけにしたわけではないのでしょうが、突如として魚頭の怪物が数珠を引きちぎりながら合掌をやめ、画眉丸に殴りかかってきます。
画眉丸はその拳を縫うようにして跳ね、魚頭の怪物の頭に強烈な蹴りを叩き込みました!!
口先から額にかけて怪物の頭はちぎれ避けたものの、怪物はまるで堪えていないかのように再度腕を伸ばし、画眉丸をキャッチ!!
そしてそのまま、地面にたたきつけたのです!!
慌てて駆け寄ろうとする佐切ですが、画眉丸はすでにその魔の手から逃れていました。
離れてろと言っただろうと佐切に近づかないように念を押し、改めて怪物の様子を注意深く観察します。
蹴り破った部分からはどくどくと血が流れていますから、とりあえず生物であることは間違いなさそうです。
しかし、忍が生き延びるための鉄則の一つに、得体のしれない敵とは対峙するな、というものがありまして。
相手がどんな武器を持っていて、どれだけの太言うキュウ力を持っているのか?
それがわからないうちに戦いを挑むのは、その命を危険にさらすことに他ならないと言うわけでしょう。
画眉丸は……二人で逃げるのか、一人で逃げるのか?と考えます。
昔の、心の無い忍であったころの画眉丸なら迷いもせず一人で逃げたでしょう。
ですが今の、人の心をめばえさせつつある画眉丸は、迷ってしまうのです。
その迷いが、隙になることは十分にわかっていたはずなのに……!!
気が付けば、棘だらけの鞭のような形状の尾が体に巻きつけられていた画眉丸!
そのまま地面を引きずり回され、大きな傷を負ってしまいました。
佐切は今度こそ画眉丸に駆け寄り、大丈夫ですか、こんな大けがするんですね、と場違いとも思える心配の声をかけました。
ここで画眉丸は、今度こそ鉄則に従って、佐切とともに逃げようとしたのですが……
もう事はそう簡単に進むことはなさそうです。
周りには、法衣や数珠を身にまとい、不気味な笑顔を浮かべた……まるで神仏を模したかのような生物がぐるりと二人を囲んでいました。
まさかこのイキモノは、本物の……!?
佐切がそう胸をざわつかせますと……絶望的な状況に置かれた画眉丸が、吹っ切れたところでした。
もういい、余計なことは考えるな。
画眉丸は目にもとまらぬ速さで、怪物の一匹の喉笛に拳をねじ込みます!
そしてそこから、猛烈な火炎を発射!!
一撃のもとに怪物の顔面を消し炭と化したのです!!
忍法・火法師。
体温を上げて皮脂を発火させる単純な技だというその技ですが、普通の人間からすれば単純である事はわかるかもしれませんが、絶対にできる技ではありません。
これこそまさしく、画眉丸たち石隠れの技。
同じ人間、とは思ってはならない、人知を超えた技なのです!
その人知を超えた技を振るい、画眉丸はとにかく怪物を蹴散らし続けます。
今は考えるな、ただ殺せ、生き抜くために。
無罪を手にし、血塗れた世界から抜け出すために、ただ殺せ。
悪鬼羅刹そのものと化した画眉丸。
その画眉丸が、神仏かのようなモノを蹂躙していく……
それを見た佐切は、自らの気が遠くなっていくのを感じていました。
危険なお役目とは承知していた。
でも、違った。
ほんの数刻前までとはもう、世界が違ってしまった。
とてもこの世の光景じゃない、ここは本物の極楽浄土……?
それとも……
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……気の遠くなった佐切のゆるみを見逃す怪物ではありません。
気が付けば足はあのムカデに捕えられて身動きを封じられ、そこに怪物が拳を叩きつけようとしていました!
視界の端に、佐切の危機を認める画眉丸。
余計なものは気にするな、ただ目の前の敵を排除しろ。
そう自分に言い聞かせていたはずなのに、
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気が付けば画眉丸は佐切を助けていたのです!!
自分がしたことを理解できないかのような表情を浮かべる画眉丸。
ですが、佐切が助けてもらった例を言う前に、怪物たちの攻撃が襲い掛かってきたのです。
あの、棘の鞭のような尾が、今度は画眉丸の顔に巻き付き……!!!



というわけで、島での戦いが激化していく今巻。
生きて帰った人間はいないというこの島、何かがあると言うことはわかっていました。
ですがその何かというのが、ここまで人間の常識を超越しているモノだとはだれが思ったでしょうか。
人間と別種の生き物がまじりあったような姿の怪物。
立ち並ぶまがい物のような仏像。
そして、その神仏かのような姿をしている別の怪物……
一体この島は何なのでしょうか?
あまりにも不可解な出来事が連続するこの島、それをじっくり調べる間もなく戦いは続くのです!

この後、物語はさらに混迷していきます。
今まで描かれなかった他の囚人たちの物語もはじまり、その物語もまたこの島の異常さ、恐ろしさをあらわにすることに。
画眉丸たちの物語もより強大な敵の登場で緊迫感を増していきます。
さらにその中で発覚する、一層不可解なこの島の姿……!!
囚人たちと怪物の織りなすあまりにも激しい戦いとともに、謎が多すぎるこの島の真相もますます興味深くなっていく本作。
誰がどんな負傷をするのか、どんな死にざまを見せるのか、そして囚人たちの目的は?
戦いと島の謎とともに引き込まれる要素満載の本作、今後も要注目です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!