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今回紹介いたしますのはこちら。

「星の★王子さま」第2巻 漫★画太郎先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。



さて、王子とともに邪悪なるバラとバオバブのハイブリッド種「ババァ」を倒すために旅立つこととなったパヤオ。
早速最初に訪れた星で地理学者を仲間にするのですが、最初は地理学者、ババァの芽に寄生されていてものすごい勢いで王子たちを殺しにかかってきました。
辛くも地理学者を倒して芽を駆除できたものの、これから先もこんな展開が待っているのでしょうか……?



王子、パヤオ、地理学者の三人は次なる星、点灯夫の星へ向かっていました。
パヤオと地理学者の二人だけでは到底ババァは倒せない、という王子の判断で更なる仲間集めに奔走しようと言うわけですが……
そろそろ点灯夫の星につこうと言う場所に来ているにもかかわらず、その星はとんと見当たらないのです。
それでもこの辺りのはずだと彷徨っておりますと、いきなり王子は何かにぶつかってしまいました。
何でこんなところに壁が?とそのぶつかった何かを探ってみますと……何とそれ、真っ暗で何も見えなかっただけで、探し求めていた点灯夫の星ではありませんか!!
点灯夫と言うからには、あかりをつけるのが仕事のはず。
だと言うのにこの暗さ……職務怠慢にもほどがあるぞ、とパヤオもご立腹です。
とりあえず王子は、でておいで、でないと目玉をほじくるぞとどこかで聞いたような呼びかけを大声でしました。
が、そこでパヤオがストップをかけるのです。
もしかしたらその点灯夫も、ババァに……
そう言いかけた時、突然
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ぶべら!!!とパヤオはぶっ倒れてしまうではありませんか!!
慌てて王子が駆け寄りますと、いきなり殴られたんだ、とのこと。
おそらく点灯夫だ、気を付けろ王子、おそらくそいつも、と言いかけた時、また突然、パヤオは脳天をぶっ叩かれてしまったのです!
しかも今度は、立て続けに王子もぶん殴られ、さらに地理学者までぶっ飛ばされてしあみました!!
三人そろってあおむけに倒れてしまったものの、何とか立ち上がろうとする王子たち。
急いで灯りをつけないと、とパヤオに何か明るくするものを3D化してもらおうとするのですが……そうしている間にもぼっこぼこに殴られまくりますし、なにより最初にぶん殴られたときに鉛筆を落としてしまっていまして、暗すぎるせいでどこにあるかちっともわからない状態。
もうこうなったら一か八かだと王子は手当たり次第に斧を振りまくることにするのですが……なんていいますか、結果はやる前から見えているわけで。
それだけはやめてくれと言うパヤオの声もむなしく、パヤオの右足は切断されてしまうのでした。
痛いやら残念やらで悶絶するパヤオなのですが、そこで見つけた!という地理学者の声が聞こえました!!
鉛筆を見つけたのかと思いきや、どうやらこの星のマグマだまりを発見した模様。
地理学者必殺のマグマ吹き上げをさく裂させますと……そのマグマの発する光でようやく星がてらされ、鉛筆も無事発見できたのです!!
そして照らし出される点灯夫の姿。
それは……
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なんかやばい感じのフォルムをした、ネズミです!!
ですがパヤオ達は素手に怒り心頭、そんなフォルムになど怯みません。
今度はこっちがいたぶる番だ、覚悟しろと拳を握りしめるのですが……
点灯夫、またなんかやばい感じの呪文のようなものを唱え始めました。
ナルケマレバンガ、カピカッピ!!
ほのかにFの香りのするその呪文を唱えますと、点灯夫の持っていたでっかいマチ針みたいなものの先端の玉がものすごい勢いで光り始めたではございませんか!!
咲五度までの真っ暗闇と打って変わって、今度はメモ開けられないほどのまばゆい光!!
完全に視界を奪われた三人、点灯夫はピカピカ、ピッカチューとヤバい感じに叫びながら三人を殴打しまくるのです!!

今度は光輝きまくる点灯夫の星。
どちらにしても、視界がゼロなことは変わらず、三人は何かしようとするたびに点灯夫に殴られまくると言う大ピンチに追い込まれることとなるのです。
明るい中でまた王子のがむしゃら斧によってパヤオの左足が切断されたり、一か八かのマグマ吹き上げにパヤオが巻き込まれたりと一連のお約束をこなした後、ようやくパヤオはいいアイディアを思いつきます。
そうだ、サングラスだ、サングラスを3D化させて王子にかけさせればいい!と!!
サングラスならば形がそう難しくないため、絵の腕にそれなりの覚えのあるパヤオならば視界がないままでも何とか描けます。
サイズ感をちゃんとして3D化できるかという不安はあるものの、そこはもう自分を信じるしかない!と意を決して呪文を唱えますと……
ちょっと大きめではありますが、それでもかける分には問題ないサイズのサングラスを作り出すことができたのです!!
それをすぐさま王子に渡すパヤオ。
これはサングラスと言って、眩しさを軽減する道具なんだ、と手渡しますと、そんなナウい道具があんなダサい星にあるんだ、とちょっと気に障ることを言いながら受け取り、早速かけてみる王子。
すると王子……
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こんなダサイのやだ!これじゃまるでトム★キャットじゃないか!!とまた各方面の機嫌を損ねかねない暴言を吐きつつ、サングラスを叩きつけて壊してしまったのです!!!
せっかくの起死回生のチャンスを自ら不意にしてしまった王子……
果たしてここから逆転の柵はあるのでしょうか!?




というわけで、相変わらず原作をちょっと踏襲しつつ、あまりにもワイルドに物語を改変していく本作。
今巻では点灯夫の星、ビジネスマンの星、アル中の星と、原作とは逆準で星を廻っていき、そこでそれぞれの星の主たちと戦うと言う、バトル漫画家のような展開が待っております。
画太郎先生の作風だと各星でコピー芸を繰り広げながらたっぷり丸一巻くらい使っていきそうなものですが、本作ではその画太郎先生の持ち味(?)をものすごく抑え、テンポよくお話が進んでいきます!!
そのバトルの内容は確かに画太郎先生ならではのくだらなさ(褒め言葉)なのですが、その戦いだけでなくパヤオの過去のエピソードなどを挿入するなど、バトルだけではない物語要素もばっちり描かれていまして……
どうしたんだ画太郎先生、と心配になってしまうほどサクサクお話が進んでいくのです!
下ネタや危ないパロディ、くだらなすぎる物語運びと言った芸風はそのままに、テンポ良い展開に開眼(?)した画太郎先生に敵はいるのでしょうか……いや、いますまい!!
第1巻は画太郎先生10年ぶりの重版がかかったようですし、この調子でどんどん突っ走っていってほしいものです!!

200ページを悠々越える大ボリュームに加え、画太郎先生の言霊シールまでついて大満足の一冊となっている本作。
このまま行けば今回ばかりはトラックオチにはならない……かもしれませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!