gg0
今回紹介いたしますのはこちら。

「がっこうぐらし!」第10巻 原作・海法紀光先生 作画・千葉サドル先生 

芳文社さんのまんがタイムKRコミックスより刊行です。


さて、大学内での争いが決着を見た前巻。
とはいえ、事態は好転したとは言い切れません。
以前迫っているくるみの体のタイムリミットは迫っていますし、このまま暮らしを続けていても緩やかな死が待っているだけという現状は変わらないのですから。



一同は、チームを二手にわけることにしました。
大学組のほとんどは、このまま大学に残り、畑などを作って食料をなるべく増やしつつ、この拠点を守ろうと言うチームに。
そしてゆきたち学園生活部の面々は、ランダル製薬に向かい、この病気を……くるみを治療する術を探しに向かうチームの、二つに。
そのゆきたちのチームに、助っ人が参戦することになりました。
その助っ人は……みーくんとインターフォン越しに会話をした、あの謎の人物。
あの人物の元に助っ人を頼むために尋ねて行ったのは、リセでした。
ですが、その謎の人物も今まで大学生たちとの接触を極力立っていた人物だけに、そう簡単に首を縦に振ってはくれません。
一緒に行ってやってくれないかとお願いしてみても、用心棒は向いていないから、とすぐに断られてしまうのです。
が、その返答を予測していなかったリセではありません。
行く先がランダル製薬としたら?
その質問をきいて、謎の人物は確かな反応を示しました。
そこでリセは畳みかけるように続けました。
こんな穴蔵にこそこそ隠れてたのは何のためだい?
ただ生き残るため?
違うね、まだ死ねなかったから、知りたいことがあるからだろ?
ねえ研究者さん。
そしてリセは、止めとばかりにあるものを見せるのdfす。
職員用緊急避難マニュアル。
この事件の謎に迫るための鍵となるであろうそれを見て、謎の人物の顔色はあからさまに変わります。
その顔が見えているかのように、リセはにこりと笑い、言いました。
フィールドワークって大切だよね、と。
謎の人物は……煙草を灰皿でねじり消し……待ってろ、と答え……おもむろに防毒マスクを装着。
そして、ノミと木槌を持ち、拘束された二人の感染者の元へ向かいました。
乃身をその感染者の頭に向け……少しためらったあと、木づちで……

外は苦手だ。
そう言いながら出てきた彼女は、青襲椎子と名乗ります。
椎子は資料を見たうえで、ランダルに行くのは打倒だが、だkレが行くのかと問いかけてきました。
自分たちだと手を上げる学園生活部。
その4人の顔を……ゆきとくるみの顔はじゃれ合ったあとの落書きのせいでしまりませんが……じっくりと見た椎子、すぐにくるみに何かを感じ取ったようです。
やおら立ち上がり、ずかずかと歩を進め、くるみの後ろに立ち……両手で頭を自分の方に向けました。
そして、目を指で開いてまじまじと見つめると……
ゆきのくるみちゃんはちょっと風邪気味で、という言葉を聞くよりも早く、
gg1
お前、感染してるな、とはっきり言い切ったのです!
知っていたもの、知らなかったもの、それぞれがそれぞれの反応をする中、みーくんはいち早く立ち上がり、安定してるんです、とフォローしようとします。
そしてゆきはパッと椎子の手首を取って、毅然とした態度で言いました。
くるみちゃんに何するの、ひどいことするなら許さないよ!
そんなゆきに対して、椎子は……
gg2
何もわかってないな、面白い、面白くなってきた。
そう、ぺろりと舌を出して自らの親指をなめるのでした。

大学の面々と、ひと時の別れを惜しみ、そして薬を持ち帰っての再会を約束して旅立ったゆきたち。
このパンデミックに関して関与していたことは間違いないであろうランダル製薬に行き、そこにあるであろう研究の成果を手にし、椎子がさらに突き詰めていく。
さらに、椎子はくるみの存在がその一助になりうるともいいました。
こうして一つ一つ積み重ねていけば、きっとこの絶望を切り開いていく希望にたどり着くことができる。
ですが、みーくんの顔はすぐれません。
みーくんが気になってしまっていること。
ランダル社へ行く道中、休憩をとっているときに、みーくんは椎子にだけ打ち明けたのです。
キャンピングカーを手に入れたシェルター。
そこはシャッターが閉まっていて、梯子で屋上から入りました。
辿り着いた時、その屋上は埃がいっぱいに、足跡が付くほど積もっていたのです。
ですが、そこには自分たちのもの以外、ひとつも足跡がなかったのです。
人の出入りはかなり長い間無かったにもかかわらず、小野シェルターには感染者が出てしまっていた。
ということは……
gg3
空気感染が、起きている……


というわけで、大学編から新たなシリーズへと突入した今巻。
くるみを助けるための、そしてゆくゆくはこの地獄と化した世界を助けるための薬を手に入れる。
その目的は達成することができるのでしょうか?
全てはこれから向かう先、ランダル製薬での行動にかかっています。
感染者を治療する血清を作る。
研究機器が生きていれば、研究者である椎子がなんとかしてくれそうではあるのですが……ランダル製薬が安全なのか、そもそもそこまでたどり着けるのか、という不安もあります。
そんな不安に追い打ちをかけるかのように、空気感染がほぼ確定となってしまったこの状況。
もともとそれほどのんびりしてはいられないこの冒険ですが、先の見えないタイムリミットまで設定されてしまいました。
ますますこのランダル製薬での血清作りが重要となるわけですが……そこでさらに、とんでもない出来事が一同を待っているのです!!

未来を覆い隠す絶望を、微かな希望で描き分けてきた本作。
そんな本作に再び立ち込めてくる絶望。
本作の暗いムードを打ち払うゆきを中心にしたコミカルなやり取りも控えめになってきまして、物語はどんどんとシリアスに、そして真相へと近づいていきます。
この物語の終わりは、そう遠くないのかもしれません。
その終わりはハッピーエンドとなるのか、それとも……
もはや本作から一瞬も目が離せませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!