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今回紹介いたしますのはこちら。

「キン肉マン」第63巻 ゆでたまご先生 

集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。



さて、オメガケンタウリ六鎗客の強襲を受けてしまった地球。
ヤツらの狙いを防ぐため立ち上がったのは、正義超人の二軍、三軍と揶揄された男たちでした。
それぞれ意地は見せたティーパックマン、ベンキマン、カナディアンマンたちでしたが、やはりあのオメガマンに並ぶほどの力を持つ六鎗客の前にあえなく散っていきました。
残るはカレクックとウルフマン。
果たして彼らは六鎗客に一矢報いることができるのでしょうか……?



カレクックは、マリキータマンに執拗なローキックを浴びせ続けています。
格闘技の基本と言えるローキックでの削りは教科書通りと言える戦法ですが、そこはさすがのマリキータマン、しっかりと脛でカットしてカレクックの好きにはさせません。
自分の実力からすれば、本気を出せばカレクックなど一瞬で葬り去れる、そう思っているのでしょう。
マリキータマンの興味は目下、この勝負の勝敗などではなく、正義超人たちが持つ未知なるパワー……友情パワーの方へ移っていたのです。
マリキータマンはカレクックのローキックをカッとしたかと思うと、すかさず右ハイキックから、左の冗談後ろ廻し蹴りで反撃。
あっさりとカレクックからダウンを奪い、形勢を逆転してしまいました。
あげく、ダウンしたカレクックにクイクイと手招きをして、仲間の仇が打ちたいんだろと挑発してくるのです。
そしてマリキータマン、さらなる攻撃を仕掛けます。
その羽をひろげ、ものすごい勢いでカレクックに向けて飛来したかと思うと、その勢いのままラリアット!!
そしてそのまま上空まで飛び上がって旋回し、落下の勢いのままダイビングヘッドバッドをさく裂させたのでした!!
なおも攻めの手を緩めず、再びダイビングアタックを敢行するマリキータマン。
カレクックもそうはさせじと頭上のカレーをわしづかみにし、それをマリキータマンの顔面に向かって投げつけました!!
流石のマリキータマンもカレーを顔面にたたきつけられてはたまりません。
顔を掻きむしって悶絶する隙にカレクックは体勢を整え、素早くマリキータマンの背後へ!!
さらにそのまま、流れるように
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マリキータマンの顔面にカレーを追加して擦り込むのです!!
正義超人とは思えぬダーティーなファイト、マリキータマンは正義を名乗る割に卑劣な手を使う、と読者の皆さんも思った感想を口にします。
ですがカレクック、侮辱されて怒るどころか、笑みさえ浮かべてこう返しました。
お前は私のことを何か勘違いしているようだな、仲間の仇だと?ああ討ちたいさ、でも友情パワーなんて品行方正なものが出てくるのを期待しているようなら見当違い、意地でも出してやるものか!
そう言いながらカレクックはマリキータマンを三角締めに捕え……そこに、肘鉄の乱打を叩き込み始めました!!
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この戦法……まるで残虐著偉人だったころのウォーズマンを彷彿させるような……!?
カレクックは叫びます。
そもそも今の私には出し方すらわからない!
今の私は!!
残虐超人カレクック!
怒りと悲しみの身に囚われ生きた、これが本当の私の姿だ!!

カレクックの正義超人にあるまじき戦い方を見て委員長は……震えていました。
その姿に、かつてのカレクックの復活を見ていたからです。
かつてのカレクックは、ラーメンマン、ブロッケンマンと並んで、世界三大残虐超人の一人として恐れられていました。
今ではすっかり丸くなっているカレクックですが、当時の凶暴性は折り紙付き。
もともと根っからの悪人と言うわけではないものの、何かの拍子にスイッチが入ってしまえばとんでもない勢いで暴れまわってしまう性格のようで。
カッとなった後は冷静な判断力を失い、ふと気が付いた時には相手の命を奪ってしまっている、ということも珍しくはなかったのだと言うのです。
そしてそのスイッチと言うのが、誰かが理不尽に苦しめられたり、虐げられたりする姿を目撃してしまった時にかられる「義憤」。
今まさに仲間たちの命が理不尽に奪われ、カレクックの心は義憤によって燃え上がってしまったというわけなのです!!

マリキータマンはやがてその羽による推進力で体を大きく回転させ、カレクックの三角締めから脱出。
今度は逆にカレクックの胴をしっかりクラッチし、高空からのパイルドライバーに捕えました!
しかしここでカレクック、マットにたたきつけられる直前に両腕で受け身を取り、そのままカンガルーキックでマリキータマンを蹴り上げてパイルドライバーから逃れ、そのままヨガのように体をエビぞりに丸め、体を浴びせかけるマンダラファイヤーボールで反撃したのでした!!
さらに逃げようとするマリキータマンを捉えてダブルアームスープレックスで投げ捨て、ダウンした相手にダイビングで体重を乗せた手刀を叩き込む、デモリッション・アーサナーで畳みかけます!!
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そのまま傷口をぐりぐりとえぐり、さらにカレーまで刷り込んでいくカレクック……!!
友情パワーの謎を探ろうとする相手に、カレクックは敢えての残虐戦法で立ち向かう……
この奇策で大金星を挙げることができるのでしょうか?
それとも……!!



というわけで、VS六鎗客が続く今巻。
六鎗客の目的が見え始めた今、正義超人たちの戦い方も変えていく必要があるのかもしれません。
ですがただでさえジリ貧のこの戦い、持てるものすべてを出したとしても勝てるかどうか……
そんな中でカレクックが選んだのは、封印したと言ってもいい過去の戦い方を使う、という道でした。
果たしてこの手段で、主君の大金星をつかみ取ることができるのでしょうか。
はたまた六鎗客の前に砕け散ってしまうのか?
カレクック一世一代の大勝負、その決着まで目を離すことはできません!!

さらにこの後、5人の正義超人のリーダー格、そしてかつてはアイドル正義超人群に名を連ねていたウルフマンの出番となります。
超人強度はパッとせず、足のケガもあってすでに引退済み……
他の4人より地力はあるとはいえ、やはり六鎗客を前にしては劣るとしか言えないでしょう。
ウルフマンは正義超人の意地を見せることができるのでしょうか。
友情パワーに変わる何かを見せることができるのでしょうか……?

この二超人の勝敗はともかくとしましても、カレクック、そしてウルフマンも今までの正義超人動揺、今まで描かれてこなかった「カッコいいところ」がバシバシと描かれていきます!!
カレクックの新必殺技の連打、今まであまり見せてこなかったウルフマンの相撲技と言った戦いの技術はもちろんのこと、それぞれの戦いにおける矜持、そしてキン肉マンとの絆なども見せてくれるのです!!
個性的な超人が多いだけに、どの超人にもファンがいる(多分)であろう本作、この今まで掘り下げられてこなかった超人の掘り下げはファンとしてはうれしいところですね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!