ch0
今回紹介いたしますのはこちら。

「チルドレン」第1巻 三浦みう先生 

スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスUP!より刊行です。


三浦先生は16年にヤングマガジンの漫画賞で佳作を受賞してデビューした漫画家さんです。
そして17年にウェブマンガアプリで本作の連載を開始。
その連載中にもウルトラジャンプで読み切りを発表するなど、精力的に活動されています。

そんな三浦先生の初単行本化作品となる本作は、先生の得意とするバイオレンスな描写のあるホラー漫画となっています。
そんな気になる本作、導入からとんでもないことになっていまして……!?


燃え盛る火で炙られる、木の杭に貫かれた人間。
野菜とともに焼かれる、「肉」。
五十嵐透は、自分がもう普通の日常に戻れないことを改めて実感させられています。
早くバーベキューにしましょ。
そう言って、透の後ろに立つ少女は急かすのです。
透の仕事……それは……死体の、解体。
透は涙を流しながら解体を進め……そして……こうなってしまった原因を思い起こします。
僕ははじめて、悪魔に出会った。
……と。

時は数週間前に遡ります。
透は、秋田県の山奥にアルバイトにやって来ていました。
半年間住み込みのバイトで、報酬は何と300万円。
仕事内容は、子供の世話、だと言います。
山奥の中に突然現れる、学校のような、保育園のような建物がその仕事の現場ですが、そこにあまり人気は感じられません。
子供の陰が見えたような気もしましたが、すいませんと声をかけると全くその気配がなくなってしまうのです。
やむなく敷地内を移動しながら声を上げていく透、ほどなくして少し開けた場所で座り込み、手を合わせている女性を見つけました。
声をかけてみますと、バイトの件は伝わっているようで。
母さんに紹介されてきました、今日からお世話になります、五十嵐透です、よろしく。
そう言って手を伸ばすと……
彼女はその手を両手でそっと握り返し、暖かな笑顔で自己紹介をしてきました。
ch1
清水桜子、ここの園長先生です。
よろしくね。

驚くべきことに、桜子は14歳だと言います。
14歳で園長などできるものなのでしょうか?
素直にそんな疑問を投げかけながら、桜子に案内されて施設の中へ移動する透。
ですがその時、突然足元にひもがひっかけられ、透は転倒してしまったのです!!
どんくさい!大人が何しに来たのさ!
そう言って笑うのは、この施設の子供、凛子です。
ひもをセットして透を転ばせた凛子、透を見て大学生の男だろ、敵だよ敵!と思い切り透を敵視しているようで。
何故そんな態度を取られるのか分からない透ですが、そんな時さらに奇妙なものに気が付きます。
階段の上、踊り場で身を隠しながら、透の様子を恐る恐る伺っている二人の子供……?
最初はその奇妙な姿にたじろいでしまった透ですが、ひとつ深呼吸して……大声で、残念だな、子供の世話って聞いたからたくさん持ってきたのに、と叫び、バッグからお菓子を取り出したのです!
子供相手にお菓子は効果てきめん。
他にも身を隠していたらしい子供たちもどんどんよってきて、透に群がり始めました!
一気に人気者になる透なのですが、そんな透に桜子は耳打ち。
だめでしょ、夕食食べれなくなっちゃうわ。
規則は守ってね、しばらく一緒に住むんだから。
なんだか色気たっぷりに囁いてくる桜子に、思わずどきりとしてしまう透。
あれ、本当に14歳か、と戸惑ってしまうのでした。

その後もみんなで夕食を食べたり、みんなで一緒にお風呂に入ったり(!)と、盛りだくさんの一日になったバイト初日。
ですが、そのバイト初日が本当に大変だったのは……その後、夜だったのです。
お風呂に入っていた時、桜子はこう言いました。
「お仕事」はこれからが本番よ。
その時の微笑みは、何やらうすら恐ろしい雰囲気をはらんでいて……?

よくわからないまま床に就いた透。
ですが桜子のことが脳裏によぎり、どうしても眠れません。
悶々としておりますと、外から何かの音が聞こえてきます。
そっと覗いてみると……そこには見慣れない、何か恐ろしい形相の子供が立っており、透を見つめながら何かを指さしたのです。
その子供のいた場所に行ってみると、すでにその姿はありません。
そして指さした方へと行ってみますと、ブルーシートに包まれた大きな包みが目につきます。
あの子供がこれを届けたのか?
そんなことを考えながらブルーシートをめくってみると、中に入っていたのは
ch2
拘束された、血塗れの人間……!?
思わず大声を上げてしまう透。
その声を聞きつけて、子供たちも集まってきてしまいました。
見ちゃダメだとおさえようとする透ですが、子供たちは思いもよらぬ行動をとります。
よいしょ、あーあ、今日の血凄いね。
これ明日中に終わるかな?
そんなことを言いながら、顔色一つ変えずブルーシー力拘束された人々を引きずり出したのです!!
そして……凛子は、どす黒いヨゴレのこびりついた鉈を持って来ていて……!?
あまりの恐怖に思わずその場を逃げ出し、近くにあった建物に飛び込んでしまう透。
ですがその倉庫の中には、「処理」された、人間が無数にぶら下げられていて……!!!
やがてその建物の中に、子供たちが入ってきます。
ch3
その中央に立っていた桜子は……その手に持っていた鉈で……拘束した人の首を掻き切り、止めを刺したではありませんか!!
建物の中で買われているらしい豚がむさぼっている餌箱の中には、真っ赤な地で染まった何かが盛られていて……!!
桜子は、顔色一つ変えず、笑顔で透に言うのです。
お仕事の時間よ、おにいちゃん。



というわけで、とんでもないアルバイトに来てしまった透。
どうやら子供たちはこの施設で暮らしながら、時折運ばれてくる「大人」を「処理」するのが仕事のようです。
そしてそれを取り仕切っているのがわずか14歳の園長、桜子。
桜子は一体なぜこんなことをしているのでしょうか?
その顔を見る限り、いやいやこんなことに手を染めようとしている、という感じでもありません。
彼女の目的は何なのか、なぜこんなところで「処理」をしているのか、子供たちに手伝わせる理由は……!?
彼女が厳守させようとしている「規則」も気になるところ。
8つあるその規則を破ったものはどうなるのか……?
読めば読むほど子供たちや桜子に恐怖することとなる本作、謎が謎を呼び、血飛沫が飛ぶサスペンスホラーとなっているのです!!

桜子が本作の鍵になるのは間違いないのですが、それ以外のキャラにも数々のドラマがあるようで。
最初からちょっかいを出してきた凛子も、ほどなく意外すぎる正体が明らかに。
他にも謎や不安を抱えている子供もいるようで、それらが物語に大きく作用することは間違いなさそう。
それでももがき続ける透なのですが、今巻のラストではさらにとんでもない、衝撃の事件が起きてしまい……!!
あまりにも血生臭いシーンが連続し、謎が謎を呼び、施設の全貌の部分的にしか見えず、桜子の抱く闇ばかりが大きくなっていきます。
恐怖と血の惨劇は、まだまだ続く……
そんな本作から、もう目が離せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!