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今回紹介いたしますのはこちら。

「あやめとあまね」 道満晴明先生 

コアマガジンさんのメガストアコミックスより刊行です。


さて、近頃は「メランコリア」に「バビロンまでは何光年?」と、全年齢向け漫画をメインに活動されている道満先生。
「スーサイドパラベラム」の単行本はまだかなあとファンの皆様は新作を読みながらも待望されているかとは思いますが、本作はそっち方面と言うよりは「ぱらいぞ」方面の下ネタ豊富なギャグマンガとなっております。
表題作である「あやめとあまね」はバリバリのエロス漫画でだいたい隔月で、1話2ページで連載されていまして、単行本化するのはいつのことかとこちらもやきもきしておりましたが、16年に完結した後、2年の時を経てついにめでたく単行本化されました!!
その内容はと言いますと、二人の少女を主役とした日常を描くギャグマンガ。
「ぱらいぞ」などよりも直接的な描写は少ないものの、やっぱり道満先生らしい突っ走り方をする作品となっているのです!!


千穂のおうちに、神条さんがお見舞いに来ていました。
病床位についていながらも、神条さんにお構いできないけどゆっくりしていってね、そこの「あぶさん」読んでていいから、そこのカントリーマアムも食べてていいから、と世話を焼いてくれる千穂。
神条さんは静かに返事をして頷きながら、千穂の枕元で彼女の様子を見守っているのですが……
ほどなく千穂は眠りに落ちてしまいます。
千穂、寝ちゃったの?
そっとそう問いかける神条さん。
返事は、ありません。
やがてじっと見つめていた神条さんの視線は、千穂の唇へと引き寄せられていきます。
すると、神条さんの耳元に、内なる神条さんの心の中のヤクザが登場。
キスしちまいなよ、ばれないって、と囁くのです!
普通こう言うのって天使と悪魔じゃないの?とたまらず突っ込む神条さん。
そのミニ神条さんによれば、神条さんは無神論者だから心にヤクザしかいない、とのこと……
さあキスしなさい、と盛んにけしかけるミニ神条さんですが、それを止めるポリス面的な存在もどうやら神条さんの中には存在しないご様子。
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せっかくですし、やくざに言われなくたってキスくらいできるもん、とそっと顔を千穂のほうへと寄せていきますと……
ギリギリのところで、千穂は目を覚ましました。
慌てて体を起こし、とぼける神条さん。
このお菓子しけってるね、とカントリーマアムを口にするのですが……
千穂は、神条さんカントリーマアム食べるの初めてでしょ、と突っ込まれてしまうのでした。

……こんな感じなら、神条さんは千穂のことが好きな女の子、ということで平和(?)に進んでいくでしょう。
ですが神条さんの本性はこんなものではございません。
その一端が見えてくるその出来事は、別の日の学校で巻き起こりました。
トイレの中で、携帯を弄っていた千穂。
ですが圏外だったらしく、一人でここ電波はいんないや、とつぶやきますと……
となりの個室にいた神条さんが、ひょっとして千穂?と壁越しに声をかけてきたのです。
神条さんは、凄い偶然だね、運命だわ、やっぱり二人は運命で結ばれてるの、と「音姫」を鳴らしながらつぶやきます。
前半しか聞こえなかった千穂は、学校のトイレだしそんなに凄い偶然でもないんじゃないか、と返すのですが……
そこで神条さん、とんでもないことを言いだします。
千穂、そっち行ってもいい?
千穂は仰天し、なんで!?もちろんダメだよ!?と大慌てで否定するのですが、神条さんはものすごい音を立てながら、壁を乗り越えて直で千穂の個室へと乗り込んで起用とするではございませんか!!
そっちからくるの!?怖いよ神条さん!と当然の反応を見せる千穂。
するとその音は鳴りやみ……神条さんはつぶやくのです。
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さみしいの、こうしてひとりぼっちでいると、どうしようもなく寂しくて、泣きそうになるから。
総司男らしく言い終えると……だからそっち行ってもいい?とまた壁を乗り越えようとして来るのでした!!

ダメだよ、綺麗に理由付けてもダメだよ?
そうはっきりと言った千穂ではありますが、結局神条さんは千穂の個室に入り込んできてしまいました。
一つの便座に二人で腰かける形になってしまった千穂はほほを赤らめながら、ダメって言ったのにぃ、とつぶやくしかありません。
神条さんはと言いますと……
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は、はずかしい、とやっぱり絶賛赤面中!!
千穂はたまらず、だったら来るな!と突っ込んでしまうのでした!!



というわけで、神条さんと千穂の日常を描いていく本作。
ゲストキャラも出ないわけではありませんが、基本的にはこの二人のやり取りだけでお話は進んでいきます。
そしてそのお話もだいたい、神条さんの一方的でちょっとディープすぎる愛情を、千穂のナチュラルに受け流していくと言う流れ。
そんなお決まりの流れを、道満先生ならでは飽きの来ない病みつきになる味付けで料理しているわけです!
とにかくその内容は、下ネタを交えたくだらない(褒め言葉)ものばかり!
神条さんの行き過ぎた行動は脱力感あふれる面白さに溢れておりますし、それを華麗に受け流す千穂の母性にも似た優しさやツッコミ力も十二分!!
道満先生味がいかんなく発揮された本作、安心のクオリティとなっています!!

ところでタイトルの「あやめとあまね」ですが、主人公は神条さんと千穂、ということで、彩芽と天音はどうしたんだと思う方もおられるでしょう。
結論から言うと、あやめとあまねは間違いなくこの神条さんと千穂のこと。
本作はこの二人がいろいろやったあげく、神条さんと千穂から、「あやめとあまね」になるまでのお話……だったりもするのです!!
本作のラスト2話、そして単行本描き下ろしのおまけで回収された伏線(?)であるその要素も、絶対見逃してはいけません!!
……もちろんそんな暗い話ではなく、本作らしいオチなのでご安心くださいませ!!

さらに本作完結後に別紙で連載された、やっぱり女子二人を中心にした、でも部活物の4コマである「すくーぷ☆うぉーず」、激レアな気がする05年に成年向け雑誌で発表された「S子とM子のちょっと過激な4コマ漫画」も収録!!
本編からカバー下のおまけ、隅々まで見逃せません!!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!