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今回紹介いたしますのはこちら。

「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~」第10巻 赤坂アカ先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、白銀とかぐやのもういい加減つき合っちゃえよと言うあれこれを描いていく本作。
本作ではそんなメインの二人以外のキャラクターも活躍しているのですが、今巻でもそんなメイン以外のキャラクターが大活躍。
そんな中で今回は、会計の石上くんと、会計監査のミコをメインとしたお話を紹介させていただきたいと思います!!



げ、石上だけ?
生徒会室に入ってくるなり、実子はあからさまに不機嫌になってそう漏らしました。
石上も、げってなんだよ、僕だけじゃ悪いわけ?と文句を返すのですが、もうこんなことは日常ですから、そこのあたりで喧嘩にはなりません。
そもそも何で白銀達がいないのかと申しますと、2年生は今学年集会を行っているから。
全然知らなかった石上に、ミコはスケジュール位把握しておきなさいと言うのですが、そもそも自分の学年のスケジュールすら満足に把握していない石上にそれを言っても無駄というものでしょう。
あんたの声を聞いてると頭痛くなる、もう話しかけないで。
そう言ってミコはイヤホンをつけ、自分の勉強を始めるのです。
まあこの自分をゴミクズのように扱われるのもいつものこと。
こっちだってそっちのことなんてどうでもいい、と内心文句を言いながらも仕事を続ける石上なのですが……何でしょう、生徒会室内に変な音が聞こえます。
何やら雨が降っていて、蛙が鳴く声が聞こえてくる……
これは、リラックスしたいときや集中したいときなんかに流す、環境音と言うやつです。
どうやらミコは、イヤホンジャックが微妙に抜けていることに気が付かず、イヤホンで聞いていると思い込んでこの音を楽しんでいるようです。
あるある、イヤホンで聞いていると思っていたら音がダダ漏れで恥ずかしいヤツ、とほくそ笑む石上ですが……ここでそれについて何か指摘したら、また巫女が食ってかかってくるかもしれません。
特に邪魔になる音でもありませんし、まあいいかとそのままにしておくことにしたのですが……
そんな環境音が、突然奇妙な絶叫のような音に変化するではありませんか!!
工事現場の音かと思った石上ですが、記憶をたどるうちにそれが
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ラクダの鳴き声であると答えを導きだしました。
いや、いくらなんでもこれを作業用BGMにするのはおかしいだろ、明らかに騒音じゃねーか!と声に出さないまま突っ込む石上なのですが、ミコの顔はものすごく癒されている表情を浮かべています。
ミコもまたズレてるところがあるんだな、と思う石上なのですが……
ずれているとはいえ、こうして暇を見て勉強するなどの真面目さは見習うべきかもしれない、とも感じまして。
ストレスも相当あるだろうし、これで癒されるのならとやかくいうこともないだろう、と引き続き咎めないことにしたのです。
……が。
その後のBGMは、そんな決意がかすむほどすごいものでした。
ああ、君は偉いよ。
とても頑張ってる。
そのままの君でいいんだ。
君はいい子だ。
大丈夫、大丈夫だから。
辛いよね、泣きたいときには泣いていいんだよ。
大丈夫、僕は君の味方だよ。
…………何か、優しい声で励ます台詞ががんがん流れてくるのです!!
怖い怖い!!と超絶ビビる石上!!
何これ洗脳?これ聞いて癒されんの?
さっきの楽だと言い、どこでこう言うの売ってんの!?
驚愕する石上、何かの間違いでサンプル的なものが紛れてしまっただけかもしれない、と一抹の望みとともにミコの顔を見るのですが……
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ここでミコ、今日イチ癒されている顔をしておられます。
こんなん死ぬ寸前に縋る奴だろ、どこまで追い詰められてんだよ!!
これでいよいよ音漏れしてるなんて言えなくなった、こんなん人に聞かれたら、僕なら死ぬ!!!
その瞬間、千花が入ってきちゃいました!!
とっさに石上は声を上げて音をごまかそうとしまして……同時に、ミコは千花が来たからと音楽を止めてくれました。
ホッとする石上ですが……危険はまだ去っていません。
「軽いヒーリングミュージック」を聞いていたというミコですが、地下と軽く会話を交わした後、また音楽を流そうとするのです!!
なんとかそれを止めようと、石上は二人の相談があるんだと持ち掛けるものの……ミコは無視して音楽を再生しようとします。
まあいつもの調子ならそうなるでしょう……
誰のためにこんなに必死になってるんだと苛立つ石上ではありますが、幸い今部屋にいるのは石上と千花だけ。
千花はああいう性格ですから、もしかしたら理解を示してくれるかもしれませんし、そもそも変な人に変と言われてもダメージは少ないでしょう。
諦めて石上は、ここでミコに恥をかいてもらおうとするのですが、悪いことと言うのは重なるもの。
そのタイミングで白銀とかぐやも入ってきてしまいました!!
真面目な人にばれた時のダメージはデカい、と考えた石上……ここでイヤホンジャックの件を指摘することも考えましたが、それなりのダメージは負ってしまうのでしょう。
あんな音楽を聞いているミコにそのダメージは応えるかもしれない……
今あいつを守れるのは僕だけだ。
そう考えた石上は、自らを犠牲にするある手段を選んだのです。
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ヘッドホンをして、あえてイヤホンジャックを中途半端に差し、こっぱずかしい萌えソングを聞く、という……!!
千花が多分イヤホンジャック外れてるよ、と指摘してくれまして、かぐやはこの素っ頓狂な曲は何なんだときょとんとし、白銀はあるある、と身につまされるような表情。
石上はこうして恥をかいてしまったわけですが、こんな他人の恥を見れば、自分はああなりたくないとイヤホンジャックを確認するはず。
これでミコの秘密は、本人も気づかないまま守られるだろう。
そんな石上の親心も知らず、ミコは本当にそそっかしいわね、こっちまで恥ずかしい、と眉を顰めるのです。
石上は空を見上げながら、好きに言うと言い、僕が勝手にしたことだ、感謝されたくてしたわけじゃない、これでいいんだ……と、自分を納得させました。
が、その直後。
ミコは、じゃあ私は勉強に戻りますので、お仕事できたら回してください、と言いながら、音楽を再生させたのです。
イヤホンジャックを確認しないまま……



というわけで、石上とミコを主役としたお話を収録した今巻。
こんなわけで石上、今巻でも裏主人公にふさわしい奮闘を見せてくださいます!!
あくまで裏ですから、こうしてアレな結末になってしまうのはご愛敬ですが……!!

そしてこのほかのお話も見どころいっぱい!!
かぐやと白銀が久々に二人きりで会話するなんだか幸せそうなお話を皮切りに、白銀が友人に半ば強引に合コンに連れていかれ、そこで様子見にと送り込まれた早坂がまさかの白銀本格陥落を目指すお話、ひょんなことから白銀と石上とかぐやがチャーハンで勝負するお話などなど多種多様!!
脇役キャラの活躍についても、石上達準レギュラーだけでなく、あの白銀のアドバイスによって彼とお付き合いを始めた渚を掘り下げるお話、そしてそのお話と対を成す「超ウケる」でおなじみのマキをようやく本気で取り上げるお話といった注目のストーリーが描かれるのです!!
さらに本作で時折顔を出すシリアスな展開のお話も、今回は2話構成とちょっと短めながらばっちり用意!!
短くてもググッと心を揺さぶる内容になっております!!

主要キャラたちのアレなやり取りは今回も素直に面白く、そして恋する乙女の会話らしさもきっちり描かれ、決めるところは決める!!
さらにそこに描き下ろしのおまけも用意されていまして、今巻も盤石の一冊と言えましょう!!
アニメ化も決まり、それに連動してスピンオフが二作品連載開始と、飛ぶ鳥を落とす勢いの本作。
これからの飛躍にも期待ですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!