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今回紹介いたしますのはこちら。

「鉄牌のジャン!VR」第1巻 西条真二先生 

竹書房さんの近代麻雀コミックスより刊行です。



さて、劇的な大イカサマでとんでもない逆転劇を見せたかと思えば、とんでもない幕引きをした前作「鉄牌のジャン!」。
本作は「鉄鍋」に対しての「R」よろしく、「鉄牌」に対しての正当な続編「VR」と言うわけで、無印「鉄牌」の続きとなっております。
とはいえ「R」のようにだいぶ先の話、というわけではありませんで、アレから少しだけ時間がたった時点からお話はスタートします。
ですがその導入、あまりにも衝撃的なものになっていまして……!!


荒野にぽつんと建つ洋館。
暗闇の中に男が立ち尽くしています。
時折光る稲光がその部屋を照らすと……
そこには、散らばった麻雀牌と、胸から大量の血を流してこと切れている男。
そして……真っ赤に血でぬれた包丁を手にした、
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黒鉄ジャンの姿が映し出されるのです……!!
上野にある老舗人気雀荘、サンバンチは今日も絶賛営業中。
オーナー兼店長である三番地銀子は、着替えながらメンバーの小此木ののかに今日提供する食事のメニューは考えてくれたかと尋ねます。
ですがののか、正直言って料理は得意ではありません。
今日もおにぎり定食かな、と笑ってごまかそうとするものの、毎回それではさすがにお客さんに飽きられてしまうでしょう。
銀子はそう指摘するのですが、ののかはそんなこと言われてもと不満顔。
思わず、私じゃジャンみたいには……と口走ってしまうのです。
ジャンがいなくなってから、このサンバンチでその名前は禁句のようなもの。
ののかは慌てて自らの口を手で押さえ、話を変えようとお店に届いていた郵便物を出しました。
銀子がそれを開いてみると……どうもそれは、何かの招待状の様子。
じっくり見ようとしたその時、チーフの九条蛇美が血相を変えて部屋に飛び込んできました!!
一体何があったのでしょうか。
蛇美に促されるままパソコンをのぞき込んでみますと、どうやらネットでニュースの動画を見ていたようで。
そこには、にわかには信じられない……いや、もしかしたらと思ってしまうニュースが報道されていたのです。
金子満氏の殺害で逃走した容疑者を指名手配しました。
そう言って映し出されていたのは……そう、ジャンです!!
まさかのジャンの殺人容疑にざわつくサンバンチの面々。
そのニュースは、当然サンバンチ以外にも知れ渡ります。
ジャンに幾度となく苦渋を飲まされてきた大谷は高笑いしていました。
しかし一応全国的に麻雀の打ち手として名のしれていたジャン、世間にも麻雀打ちとして認識されていまして、そんな人物が殺人に手を染めたとなれば各方面で悪影響が出そうなものですが……
そんな大谷、ジャンが追われる身となったことを嬉しがってはいるものの、実は今それどころではない状態に置かれています。
彼が持っているのは……銀子と同じ、招待状……?
そして銀子もまた、その招待状を見て顔色を変えたのです。
なんとサンバンチを臨時休業にしてまで、銀子はその招待状の場所へと向かうことにしました。
ジャンの事件とこの招待状、何か関係があるのでしょうか……?
とにかくサンバンチの面々は、総出でその招待状で指定された場所へと向かうのです。

千葉にある東京ディグリーランド。
この国で一番のアミューズメントパーク
と言っていいこの場所に、大勢の「招待客」が詰めかけていました。
その様子を見てほくそ笑んでいるのは……前作でジャンと戦い、そして最後の戦いに一緒に赴いた王とスグル、そして加納さん。
彼らは客の集まり具合を見ながら、「アイツ」が作ったラーメンに舌鼓を打っていました。
どうやらこのディグリーランドを借り切って麻雀大会を催したのは、彼らの様子。
この麻雀大会の目的は、王たちが「ヤツ」と呼ぶ人物をおびき寄せるためのもののようなのですが……

この中に、ジャンがいる可能性がある。
銀子がそんなことを考えておりますと、やって来た参加者全員にゴーグルが配られました。
これは、最近はやりのVR用のゴーグルでしょうか。
係員に促されるままそのゴーグルを着用しますと、一同は一気に
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ファンタジーの世界のような服装へと変身!!
さらにいかにもと言った奇岩が立ち並び、木々が生い茂るエリアに移動……したかのような映像の世界へと入ったのです!!
入場時のゲートでデータをスキャンして映像に反映したとのことで、この大会は相当お金がかかっている様子。
ですがここまでして普通の麻雀大会、ということもないわけで。
この大会の目的は、麻雀で魔王を倒すこと。
そしてその魔王は……挨拶とばかりに、高笑いとともに現れます。
大空に巨大な姿で投影された魔王はこう言います。
魔王の城へよく来たな、勇者気取りの愚か者どもめ!
我を倒せば巨万の富と名誉を手に入れられるであろう、だが我を簡単に倒せるとは思わぬことだ!!
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我こそは大魔王ジャン様なり!!
……指名手配されたはずのジャンが、魔王になっている……!?
これは何がどうなってこうなっているのでしょうか?
とにもかくにも、こうして魔王ジャンを倒すVR麻雀大会の幕が開くのでした!!



というわけで、「鉄牌」が幕を開けた本作。
タイトルがVRなだけに、本作はこのシリーズで最後まで進んでいくことになる、のでしょうか?
ともかくこの後、RPGの様な世界観で、麻雀をしていくことになります。
参加者はそれぞれ違った能力を持つ職業のいずれかを選び、レベルを上げて点棒(HP)やその能力を強化していく……というまさにRPGなこの大会なのですが、なにせジャンは主催者側。
ターゲットである「ヤツ」が見つかるまでは、正直そこまでガンバる必要はないわけで、盛り上がりに欠ける……ということはありません!!
銀子や大谷が持っているあるものが本作の鍵となるようで、ジャンを倒すと言う大会の目的に加え、そのあるものを集めると言う要素も重要な役割を果たすのです!!
それを狙っているものも少なくはないわけで、点棒や経験値だけでなく、それの争奪戦も白熱するのです!!

そして本作の導入で巻き起こったあのとんでもない事件ですが、その真実は今巻ですぐに明かされます。
その詳しい経緯は皆様の目で読んでいただくとしまして、その事件も「ヤツ」が関係しているのです。
VR麻雀大会、鍵争奪戦、「ヤツ」を探して打ち倒す。
そんな様々な要素がてんこ盛りになった本作、怪しげな新キャラもどんどん登場し、先が楽しみで鳴りませんよ!!

ちなみに料理の方も今までより尺は少なめですがばっちりおいしそうなものを作ってくれますのでご安心くださいませ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!