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今回紹介いたしますのはこちら。

「惑星クローゼット」第2巻 つばな先生 

幻冬舎さんのバーズコミックスより刊行です。


さて、夢の中でフレアと言う少女と出会い、奇妙で危険な生物が彷徨う星を冒険することになった愛海。
ですがその夢の中のはずの世界は、徐々に現実にも侵食しはじめ、同級生の体を乗っ取るなど、侵攻を始めてくるのです。
フレアの目的である妹の捜索を終わらせ、早くこの夢とのつながりを断たなければならない愛海ですが、事態はどんどんと不穏に……!!



全ての始まりである、フレアと先輩。
一度「穴」が開いてしまった先輩が元に戻ることはなく、病院で包帯だらけになって寝かされている状態になった今も、その侵食は続いているようです。
先輩は、自分の中で虫がどんどん増えている、自分を巣にしている、穴をひろげている、とフレアに語ります。
手術で取り除くことは、地球の医学では無理、見つけることすらできないだろう、とも。
そして先輩は、穴が大きくなったらやつらがこっちに大勢やって来てしまう、そうなる前に早く自分を殺してくれと言うのです。
……しかし、フレあにそんなことはできません。
何故なら……先輩にできた「穴」から、妹があちらに行ってしまったのですから。
妹を連れ帰っていないうちから、「穴」を塞ぐ……先輩を殺すことなどできません。
何もかも先輩のせいだし、ホントはホントに殺したいけど、私ひとりじゃ無理!
どうすればいいんですか!?
怒りとともに涙を落とすフレア。
すると先輩は言うのです。
準備が整ったらきっと私の体が裂けて、そこからヤツらがやって来るけど、その時あなたも向こう側へ通り抜けていけるはず。
もう私にはそのタイミングしか協力できないと思うけど、もし生きてたら連れ戻してあげて。
そして、戻ったらそのt気に渡しを殺して。
それで終わりにして。

その先輩と同じような状況に置かれた田村。
今彼は、夢の世界でフレアを助けるため自らの体を犠牲にして、頭部だけになっているのですが……時折、「天井」が見えると言うのです。
もしかしたらその時にどうにかすれば、夢の世界から意識を現実の体に戻すことができるかもしれない、
田村は何とかその方法を試みていたのですが、結果は芳しくありません。
ところがその時、予想外のことが起きてしまったのです。
病院から退院してしまった田村の体。
自宅に帰っていたのですが……その田村の家に、愛海から一連の事情を明かされた湯山くんと岡ちゃんが訪問をしてしまっていたのです!!
田村の友人である湯山は、田村の部屋に人影がいることに気が付き、玄関から中に入っていきました。
田村の家は、鍵が閉まっていないだけでなく、シンと静まり返っています。
ココで帰ったら意味ないし、と湯山は様子を見てすぐ帰ろう、と田村の部屋に向かい……!

その様子を、田村は視界にとらえていました。
今まで時折肉体の見ていた視線が見えていた田村。
それが今、この意識だけがある世界の視界と、体の視界が同時に見えていると言うのです!
繋がってる……
恐ろしい言葉を漏らす田村。
そんな田村の言葉も知らず、扉を開ける湯山。
すると……突然、頭部だけの田村の顔に大きなあがふぁあき、そこから肉体の田村の見えている視界が見えたのです!!
肉体の方の田村は……湯山のかけた声をつぶやくようにオウム返ししながら……
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その顔を、異形へと変えていくのです!!
そしてその穴の中には、フレアの顔がのぞいていて……!?
田村の肉体から続々と這い出して来る触手。
その触手の先端には、鞭毛のような毛が生えた眼球があって……!
そして、触手は湯山の体に巻き付きます。
バン、バン、と湯山の体を振り回し、本棚と部屋の壁にたたきつける怪物。
湯山は、ぐったりとして動かなくなり……!!
恐怖のあまり逃げ出す岡ちゃん。
這う這うの体で隣の部屋に逃げ込むと、そこには……田村の家族でしょうか、血塗れの男性の体が横たわっています。
そして……
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そこからも、あの触手が伸びてきて……!!!
窓から飛び降りるか、と言うところで、二人の行動が気になって追いかけてきた愛海が到着。
岡ちゃんの姿が見えたのは、ちょうど岡ちゃんが触手に捕えられ、部屋の奥へと連れ込まれてしまうところでした!!
すぐ田村の家へと飛び込む愛海!!
すると……
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上半身が完全に怪物と化した田村が、岡ちゃんを絡めとった状態で、ゆっくりと姿を現したのです……!!


と言うわけで、とうとう怪物がこちらにも本格的に姿を現し始めた今巻。
今までは夢の世界……と言うか、寝ている状態で精神が向こうに行っている状態だっただけに、いつでも逃げることができました。
ですが今回は、正真正銘肉体のある世界へ奴らがやって来てしまうと言うとんでもないピンチ。
逃げることだけなら今回もできるかもしれません、が、それはつまり湯山や岡ちゃんを見捨てると言うことで、さらに言えばこの世界に迫る危機を見捨てると言うことになってしまうのかもしれません。
窮地で選択を強いられる愛海……
果たしてこの状況、どうなるのでしょうか?
どうすればいいのでしょうか!?

そんな地球の危機が迫るとともに、様々な新事実も明らかになっていきます。
奴らに対抗できるかもしれない、新たな発見。
愛海の見たあるものの正体。
そして、愛海が偶然にたどり着いた奇妙な場所……
その様々な要素は、おそらくすべてこれから重要な役割を果たすことでしょう。
それが希望なのか、さらなる悪夢を招くのかはわかりませんが……!!
増えていく謎、明かされる謎。
一層加速していくおぞましい描写と、容赦なく降りかかる現実。
じわじわと確実に迫る恐怖と絶望の中、振り絞られる勇気……
どれもが見逃せないものぞろいの本作、これから先の展開も楽しみで鳴りませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!