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今回紹介いたしますのはこちら。

「飼育少女」第2巻 仲川麻子先生 

講談社さんのモーニングKCより刊行です。



さて、生物教師の対馬に導かれるまま、様々な生物を飼育してみることとなったのぞみ。
飼うものはヒドラやらクマムシやらフジツボやらと言った、ペットとしてはマイナー極まりないものばかり。
なのですがのぞみは彼らの魅せる様々な顔に魅了され、すっかり飼育の魅力にとり憑かれてしまいました。
そして対馬もまた、そんなのぞみの反応を興味深く観察して……!?



のぞみは、「生物」「ボランティア」でネット検索していました。
最近すっかり飼育にはまってしまったのぞみ、対馬が与えてくれる生物以外にもいろいろフレあってみたくなったようです。
そんな時にふと思い起こしたのが、ひょんなことから知り合った水族館勤務のお姉さん、鵜飼。
その縁もありますし、その水族館のボランティアに応募してみようかと思ったのですが……なんだか募集要項や選考基準が厳しそう。
次の4月から受験生になる事ですし、両立は難しいかなといったん保留するのでした。

放課後、ビーカーに向かいあっているときものぞみの頭はその事でいっぱい。
受験勉強、この生物室での飼育。
それに加えてボランティア……
人生とは選択の連続である。
思わずのぞみはハムレット(の言葉とネットで本当のことのように広まった)の名言を呟いて唸るのでした。

日も暮れかけまして、のぞみは水槽の水槍をするために生物室へ向かっていました。
ですが生物室、なぜか真っ暗。
誰もいないのかな、と中に入っていきますと……
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生物室の中に、うすぼんやりとした青白い光が揺蕩っているではありませんか!!
もしかしてこれは、俗に言う人魂と言うやつでしょうか。
学校の怪談でも理科室では標本が動くだけだったのに!とどこか冷静なツッコミを入れながら、悲鳴を上げようとしたその時です。
いいところに、とその光に照らされた対馬が声をかけてきたのは。

その青白い光も生物でした。
刺激を与えると光る、と言いながら対馬が水槽の中に薬さじを水槽に入れますと、それはぽうっと光を放ち始めました。
光ってる、クリスマスのミッドタウン並に!と驚くのぞみ。
今までの流れだと、光ってもせいぜい夜店で売ってる謎の腕話くらいのものじゃないか、とナチュラルにひどい感想も付けたものの、基本的には喜んでいるようです。
こんなスター性のある生物を買おうなんてどうしたんですか、と更に質問していく希海ですが、そこで対馬は生物室の電気をつけてしまいました。
明るくなると、今まで綺麗に光っていたそれは、なんか水槽を漂うゴマ粒のような地味なものだったことがわかります。
この生物はウミホタル。
夜行性で、昼の間は砂の中にもぐってしまうのだそうです。
餌は魚肉ソーセージ。
先を少し切って水槽に入れますと、ほどなく姿を見せてソーセージに群がり始めました。
ちなみに餌は魚肉ソーセージに限らず、割と何でも食べる、とのこと。
自然環境だと動物の死骸やゴカイなどを食べるのだそうです。
そこでのぞみが気になったのは……人間はどうか、というところ。
試したことはないと言いますので、のぞみはさっそく自分の指を水槽に突っ込んでみました。
すると、ウミホタルはふよふよとよってきて……その指先をパクリ。
しっかり痛くて、指の先を針でつつかれたような感じの傷を負ってしまいました。
飼い犬に手をかまれた気分、でもわたしは噛ませ犬でいい、スターたるものなんにでも食らいつくくらいじゃないと輝けないから!
ショックなのか感動なのか、なんだかどういう設定の人なのかわからないことを言い出すのぞみ。
本人もあっさりお話を次の展開に移しまして、何故光るか、と言う疑問へ。
はっきりとしたことはわからないのですが、求愛行動のためや、敵に狙われた際その場に光を残して逃げる威嚇のために使われていることはわかっているそうです。
強烈な光を放って相手をひるませる……某黒い仮面のライダーを思い起こすのぞみさんですが……落としはいくつなんでしょうか……!
ですがそこに光を残して逃げると言う事は、体そのものが光っているわけではないと言う事。
対馬によれば、発光物質と酵素を同時に体外に出すことで発行が起きるとのこと。
顕微鏡でその姿を見てみますと、つぶらな瞳が印象的な見た目をしております。
その瞳の下にある黄色い部分が発光物質、後にある茶色いのが消化器官。
そして消化器官のところに貼りついてる虫みたいなものが……
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ウミホタルガクレと言う寄生生物!!
このウミホタルガクレと言う生き物、ウミホタルを飼うと付いて来るバーターのような存在ながら、体内に寄生する様子が見られる寄生生物と言う事で貴重な存在でもあるとのこと。
しかも二匹以上同じウミホタルに寄生すると、片方がメスになって産卵すると言う面白い性質も持っているのです。
さらにウミホタルの卵を食べて産卵するため、ウミホタルは繁殖できず死んでしまい、ウミホタルガクレもまた産卵すると死んでしまう、とのことで。
数多の死の中での誕生、ハードボイルド!と興奮するのぞみに、対馬は心の中で卵だけに?と突っ込むのでした。

ここでまたのぞみの考え事が始まってしまいます。
まさか文字通りスターを食う展開になるなんて。
天性の輝きを纏うスター、バーターから泥臭くのし上がる新人。
これは推し変の危機……?
人生は選択の連続。
どちらを選べばいいのか……のぞみに決断することはできませんでした。
すると、対馬がこう言うのです。
両方好きなら選ばなくていいのでは?と。

対馬のその言葉をきっかけに、のぞみは徐々に前向きになっていきました。
ボランティア、応募してみようかな。
活動には土日が多いし、生物室のほうは昼休みにできるだけやればいい。
とりあえず説明会に出てみよう。
そんなことを考えていますと、対馬がこんなことを言いだします。
海だともっときれいですよ、採ったウミホタルがこぼれてキラキラ光るんです。
反射的に、ロマンチック、一緒に見たいです!と口走るのぞみ。
自分が相当恥ずかしいことを行ってしまったことに気が付いた彼女は、すぐ採集してみたいってことです、この間も楽しかったし、と取り繕うのですが……
対馬から予想だにしない言葉がかけられたのです!!
そのことですが、
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鯉住さんと今後外で会うのはやめます。



と言うわけで、まさかの急展開が待っていた今巻。
のぞみの飼育を楽しんでいたはずの対馬、なぜ突然こんなことを言い出したのでしょうか!?
その本当の気持ちは対馬のみぞ知ると言ったところですが、もちろんきまぐれではないでしょう。
この事件の前後も今巻にばっちり収録されていますので、対馬とのぞみの前後の心の動きなどもたっぷり楽しむことができますよ!!

そしてこの重要なエピソードの他にも様々なお話が用意されております。
テレビ番組で一気に有名になった「かいぼり」をすると様々な生き物と怪しげな人物、そして意外すぎる歴史に出会う前後編をはじめとしまして、ひとみ先輩との絡みとともに独特な生態が見られるミズグモ、みんな大好きオオグソクムシ、さらにアメフラシなど、様々な生物が登場!!
読者も思わず観察してしまうのぞみのリアクションや、のぞみと対馬の関係性もよろしいですが、やはりこう言った生物の生態が本作最大の魅力と言ってもいい、はず!!
こちらも是非ともご堪能ください!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!