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今回紹介いたしますのはこちら。

「わがままハニイホリック」第3巻 みなもと悠先生 

秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行です。



さて、落ちこぼれサキュバスのハニイの偽物の恋人として、栄養である精気を供給することになったまとい。
ですが二人の関係は仮初のものに終わることはなく、徐々にその距離を縮めていくことになります。
様々立ちはだかる障害を乗り越えて行き、二人はとうとう……!?



ハニイの妹、メイプルといろいろあって一緒のクラスで過ごすことになったまといたち。
とりあえず平穏な日常が戻ってくる……と思われたものの、そうはうまく事が運ばないようです。
まず気になる動きを見せているのが、クラスのヒエラルキートップを突っ走っているイケメン、王司です。
彼はどうやら、ハニイとメイプル、そして纏が仲良くしていることが気に入らないようなのですが……
その雰囲気を、まといもビンビン感じております。
クラスで、いや、学校で一番人気のある王司。
ハニイにふさわしいのはそういう人なのに、自分なんかが一緒に居たらいい気はしないだろう。
そしてもう一つ。
それは……

ハニイと付き合いだしてから、まといは徐々にクラスのみんなに受け入れられるようになっていました。
すっかり丸くなった二宮は、高飛車な態度はそのままなものの、まといを認めて今までのようにただの使いっぱしりにはしなくなっています。
それだけでなく、クラスメイトから頼みごとをされるなど、頼られるようになっていたのです。
その様子を見て、ハニイの胸はざわつきます。
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自分のことを愛していると言ってくれたまとい。
その言葉に嘘はないことは、誰よりもハニイが一番よくわかっています。
だと言うのに、自分の近くにいないと不安になってしまう……
そんな時、王司とその友達、上井と姫川が現れます。
そして王司はハニイに言うのです。
何で纏と一緒にいたいの?
クラスの底辺と付き合ってるって噂になってるの、知ってる?
冷たい瞳でそう言う王司ですが、上井と姫川は違う反応をしていました。
以前のハニイは完璧すぎる印象があって、遠巻きにキャーキャー言われるだけのように感じていた。
でも最近は、なんだか親しみやすくなった、と。
確かにメイプルが来てからのハニイは今まで見せたなかった表情を(本人の思惑とは別に)見せるようになっていました。
うっかり見せてしまっていたとはいえ、それによって親しみを感じられていたわけです。
が、王司はそこにも異を唱えます。
単になめられてるだけだろ、クラスの下っ端と付き合ってるって噂で、ハニイの価値が下がったんだ。
……王司はひたすらまといとハニイの関係が良くない結果につながる、と言うような言葉を続けます。
が、上井と姫川は空気を読まず(読めず?)こう言うのです。
でもまといと関わってから、いい感じになった子が多くないか?
もしかしてまといって、実はすごいんじゃないか?_
……その言葉を聞いた王司は……何も言わず、その場から踵を返して去って行ってしまうのでした。

ハニイが変わった、というのは、誰よりも長くハニイの姿を見てきたメイプルも感じていました。
わたしもこんな風にあなたと話せる日が来るなんて思わなかった。
「彼」じゃなければきっと、私は今もあなたを傷つけていた。
あなたが「彼」を好きになった理由、わかる気がするわ。
…………その言葉を聞いて、ハニイはハッとします。
今まで感じていた旨のもやもやの原因。
それはつまり、自分は、まといのことを……

みんなの頼み事なんかを聞いていろいろとこなし、ようやく一息つけると屋上にやって来たまとい。
そこには、ハニイが待っていました。
この時間に一人でゆっくりしたいとなったら、まといは必ずここに来る。
それを知って、ハニイはここで待っていたのです。
ハニイはまといに肩を寄せ、囁きます。
やっと二人きりになれた、あんたってば大人気なんだもの。
まといからすると、以前のようにパシらされていただけらしいのですが……それでも、今までのパシらされかたと今のパシらされかたが違うのはわかっているようです。
今までと違って、なんだか心地いい。
そう言うまといに、ハニイは言うのです。
今までは面倒ごとを押し付けられてただけ、でも今の貴方は頼られてる、その違いよ。
皆あんたにかかわって変わっていく人たちを見ていたのね。
二宮や竹馬さん、それにあたし。
まといは、自分が変われたことこそハニイのおかげなんだ、と言うのですが……
ハニイは人間界で一人でやっていくため、徹底的に好まれる人物像を研究し、こなしていました。
蜂ヶ崎ハニイと言う仮面の下に、ハニイ・ハーティニーをしまい込んで。
その仮面がはがれれば、全てがばれてしまう。
自分には敵しかいない、だったら全員欺いて利用して、生き残ってやる!
そう頑なになっていたハニイの心の檻の中にしまった本当の顔を、まといに見られてしまった……
契約を交わしたことで、そのピンチを逃れた、とハニイは最初思っていたのですが、実は違ったのです。
まといは、あたしを気遣い、心配してくれ、普通のサキュバスのような経験をさせてくれた。
落ちこぼれでも愛してくれると言った。
あんたは本当のあたしのことを、何一つ否定しなかった。
ありがとうまとい、あたしを檻から出してくれて。
そう思っているのはきっと、あたしだけじゃないはずよ。
あたしも好きよまとい。
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片時も離れたくないくらい、あんたが好き!
そう言って、二人は顔と顔を近づけ、唇を合わせようとした……その時です。
顔近すぎ!とハニイが思いっきりビンタをかまし、まといに牛乳を買いに行ってくれと命令したのは!!
……これがもう一つの問題。
ハニイは……今までできていたはずの、キスでの食事ができなくなっていたのです!!
その胸の高鳴りは、間違いなく……ハニイが今まで感じたことのなかった、あの感情でしょう。
それを知らないハニイは、ただただ戸惑って……

そして、牛乳を買いに行ったまといに危機が迫っていました。
まといの前に立ちはだかった王司。
彼はこう言うのです。
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ちょっと話があるんだけど、いいかな?カルベくん。



というわけで、クライマックスを迎える本作。
前巻で本格的に登場したメイプルですが、彼女に関してのあれこれは今巻の前半で解決。
もう見るからに悪役然としていた彼女が、何故こうまでハニイに固執していたのか?
そのあたりもしっかり描かれる、メイプル編の決着も必見です。

そしてその後、紹介させていただいた部分から始まる完結編ともいえるエピソードが開幕します。
サキュバスと人間と言う、異種族で風習も感覚も違う二人ですが、お互いの想いがしっかりしていればそのあたりは問題ないでしょう。
ですが、ここででてくるのが王司です。
初登場から何かありそうだった彼、とうとうここに来て牙を剥いて……?!
そこに新歓オリエンテーションが絡んで、物語はクライマックスへ!!
まといとハニイ、二人の迎えるフィナーレとは!?
幸せな気持ちになれること間違いなしのそのラスト、ぜひとも皆様の目でご確認ください!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!