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今回紹介いたしますのはこちら。

「ブルーストライカー」第1巻 原作・柴田ヨクサル先生 作画・沢真先生 

講談社さんのKCDXより刊行です。


沢先生は14年にジャンプSQ.の新人賞で編集部特別賞を受賞。
その後読み切りの発表などを経て、18年より本作の連載を開始されました。

そんな沢先生と、現在も「カイテンワン」「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」と2作品を同時に連載されているヨクサル先生がタッグを組む本作。
本作はヨクサル先生の得意とするアクション漫画なのですが、普通の格闘漫画とはだいぶ違う趣のある作品のようで……?



このコップ一杯の酒を飲んだら、俺ね、死のうと思う。
おでんの屋台でコップ酒をちびちびやっている中年の男は、店主のおやっさんにそう告げました。
そんなことを言われれば、止めないわけにもいかないおやっさん。
おでんのたまごをサービスしながら、本当に死にたい人は黙って死にますよ、卵でも食べて、卵からやり直せばいいじゃないですか、そして10年後にでもたまごを食べながら、あの時のおでん屋のおやじに命を救われた、って言ってくださいよ、となんだかいい感じの言葉を送りました。
が、そのおやっさんの名が台詞を聞いている間に、つい酒を飲み干してしまった男。
死ななきゃいけないじゃないか、「たまご食ってたまごからやり直せ」なんて2秒考えたらなんだそりゃ?みたいなこと言うから、ほらこれもう、酒飲んじゃったからたまごで、口ン中ぱっさぱさだよ!!
そう言って切れだしたかと思うと、ライフ回復、と言ってお酒をお代わりするのでした。

改めて、これ飲んだら死ぬよと言う男。
絶対に死なないな、とおやっさんは内心で突っ込むのですが、男はそこで自分の手持ちが1000円しかないことに気が付きました。
お会計は今1300円。
ツケにしたら死ねませんし……食い逃げのためにひと芝居打ったと思われるのも心外。
そこで男は、300円分働く!と言いだし、屋台の外に飛び出しました!!
そしてあたりを歩く人々に向かって、いきなり大きな声をかけ始めます。
仕事帰りの皆さん、質問です!
皆さんの好きなおでんの具は何ですか?
たった今ここに、素朴でうまいおでん屋さんがやって来ました!!
帰り際に食べるおでんが一番うまい!
じっくり出汁の染みた好きなおでんの具をひとつふたつ摘めば小腹にぴったり!
全部100円!!
……全部100円じゃないぞ、というおやっさんの小さなツッコミも聞かずに行われたその宣伝は効果抜群!!
お客さんが殺到し、まさかの完売となったのでした!!

その鮮やかな宣伝からして、男は普通の一般人ではなさそう。
なんでも彼、最近まで深夜のテレフォンショッピングに出ていた芸能人なんだとか。
代表作は、10年以上昔に放送された戦隊ヒーローものの「青」、ブルーストライカーです。
が、まともに役者として売れていたのはその戦隊ものが放映していた1年間だけ。
それ以来本当に小さい仕事で何とか食いつないできたものの、最後に残った仕事であったテレビショッピングもとうとう首になり、そして一週間前には妻と離婚。
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……男は、完全に疲れ切ってしまっていたのです……

おやっさんは、唯一お店に残っていた商品、酒を男にふるまいました。
丸々一升わたしからのおごりです、全部飲むまで死ねませんよ、飲み干せるかい?
そんな心遣いは嬉しいものの……失ったものが帰ってくるでもなく。
男はもう死ぬ決意を揺るがせない……かと思いきや、実は心残りが一つあるんだとか。
スマホのゲームです。
なんでも彼、スマホのゲームのヘビーゲーマーで、常に10種類以上のゲームを並行してやってるんだとか。
中にはガチで入れ込んで、世界ランク100位に入ったものもあるんだそうでして、その習慣からついついログインボーナスをもらうためにスマホを弄り、新作が出れば無料だからとりあえずダウンロードしてしまう、と言う男。
そうしているあいだにも男は、また新しい無料のゲームを発見。
試しにダウンロードしてみて、一回プレイしてみる。
と、いきなり「戦いますか?」と表示が出まして、それにはいを選択する男。
すると画面が突然地図ソフトのようなものになり、その地図上で、止まっている赤井前有に向かって、白い丸が移動を始めているのが見えました。
そして白い丸が赤い丸に重なると同時に、

何やら若い男が話しかけてきたのです。
若い男は男のスマホ画面を確認すると、どうも、じゃあやりましょうか、と言って背負っていた荷物を下ろしました。
何が何だかわからない男に、若い男はさらにこう言いました。
初心者ですか?大丈夫ですよ、すぐに初心者じゃなくなりますよ。
そう言って若い男は、
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男の顔面に前蹴りを叩き込んだのでした!!
いくら若いころ戦隊ヒーローをやっていたとはいえ、今の男はそう言った役を離れて久しい38歳の中年男。
若い男に成すすべなく殴り倒され、しこたま飲んだ酒のせいで嘔吐までしてぶったおされてしまいました。
携帯を持ったこともないおやっさんは通報することもできず、若い男が立ち去った後にノックアウトされた男を助け起こすしかありません。
目を覚ました男は、スマホの画面にこう表示されているのを見かけました。
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YOU LOSE  お疲れさまでした。
……まさかとは思いますが……あの突然吹っ掛けられた喧嘩が、先ほど興味全部で登録したスマホの「ゲーム」なのだとでもいうのでしょうか……!?



と言うわけで、突然バトルに巻き込まれた中年男、根津田を中心に進んでいく本作。
この後本作はこの「謎のゲーム」によって、ストリートファイトをしていく様を描いていくこととなります。
さらにこの後、あれよあれよと言う間に奇妙な猛者たちと知り合って行き、そして「師匠」と呼べるキャラクターや、強烈すぎる個性を持つファイターなども登場!
謎のゲームによって否応なくバトルに巻き込まれる、と言ったデスゲームはだしの導入部ながら、ヨクサル先生らしいコミカルで熱いストーリーが紡がれていくのです!!

本作の最大の特徴は、なんといっても主人公がまるで格闘技経験のないおっさんである事。
元戦隊ヒーローと言う経歴から、まるで動けない人物ではないとはいえ、その前途はかなり厳しいものとなるでしょう!!
こう言った初心者がバトルに挑むお話は、なんかすごい才能があって初戦からその片鱗を見せて行ったりすることが多いのですが、本作はそんなに甘くはないのです!!

そんな根津田にとって重要なのは「師匠」になる人物。
その人物は意外すぎるキャラクターでして、バトル以外の根津田の人生にも大きく関わってきて……!?
経歴からドラマから戦い方から、キャラクターがいきいきと動く本作から目が離せませんよ!!
さらに、今巻の終盤では思いもよらなすぎるヨクサル先生の過去作関係のキャラクターが登場するのも見逃せないところ!!
まさかあのキャラクター(本人ではない可能性もまだありますが)がこんな重要な役割で登場するとは、誰が思ったでしょうか……!!
ヨクサル先生作品ファン、とくに「エアマスター」ファンの方、もう必見と言わざるを得ません!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!