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今回紹介いたしますのはこちら。

「サマータイムレンダ」第3巻 田中靖規先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、前巻でとんでもない終焉を迎えてしまった本作。
タイムリープしているとはいえ、その限界も見えてきてしまった慎平は、惨劇を回避するため、「影」との戦いをより注意深く行うのです。



南雲竜之介は、潮の葬式に参列していました。
私は、この子を知っている。
どこか他人事のようにそうつぶやいた南雲が中に入ると、彼女を「ひづるちゃん」と幼人物が現れました。
ゆっくりと振り向く南雲。
するとそこにいたのは、神社の宮司である雁切。
まあ綺麗になって、何年ぶりやろか、ひづるちゃん。
そう言って近づいてくる雁切の影を、自然に踏んで「影」出ないことを確かめる南雲。
とりあえず安心したところで、南雲は潮が自分が知っている洋食コフネの潮であることを確かめる質問を投げかけました。
昨日海の事故で、と残念そうな顔でうつむく雁切。
ですがすぐに、もしかして事故のことを聞いてきたのか、と言う質j門を皮切りに、ものすごい勢いで今何をしているのかとか、住んでいるところのこととか、とにかく矢継ぎ早に質問やら関係あるかどうかもわからない話やらを並び立てて来るではありませんか。
そんな益体もない話を聞いているうちに、南雲は徐々に彼のこと、そして彼に対しての自分の思いも思い出してきます。
そして南雲はその思いだしてきた感情をそのまま彼にぶつけます。
思い出してきた、私はお前のことが生理的に無理だったんだ、そして現在進行形で無理だ!!
ですがそんなすごい悪口を面と向かって行っても、雁切は感じたことをそのまま素直に表現できるのがひづるちゃんのステキなところだ、などと言い出す始末。
為す術なしと思われたそんなところに、潮の父であるアランがやってきまして、ようやく雁切から解放されたのですが……

南雲……ひづるは昔この島に住んでいた時、まだ幼かった潮たちとよく遊んであげていました。
死は誰にでも訪れる、ましてや14年もの月日が流れれば誰が死んでもおかしくない。
……とはいえ、かつて心を通わせた、それも自分より年下の少女が死んだとなれば……さすがの南雲もショックを受けないわけがないでしょう。
顔には出さない南雲の本当の心中はわかりませんが……
と、その時、アランが電話口で「しんぺい」と言っていることに気が付きます。
しんぺいについて聞いてみますと、それが「網代慎平」であるとわかり……あのフェリーで出会った男がその慎平だと確信するのです。
フェリーであったときは人間だった慎平ですが、その後「影」に成り代わっていないとも限らない。
そう考えた南雲は、慎平と会わないよう、慎重にこの島の状況を調べようとするのです。
葬式会場を出ようとした南雲ですが、そこでアランが声をかけてきました。
アランはそこで、南雲にとんでもないことを明かしてきたのです……!!

潮の検死を行った医師、菱形はその死因を溺死と断定しました。
確かにそれしかありえない状況で潮は死んでしまったのですが……
最初に潮を助け上げ、救命措置を施した窓がはっきりと見たのだと言うのです。
首元についていたひっかき傷……吉川線を。
首を締められた時に抵抗しようとして自らの首に爪を立ててしまうことによってできる傷が。
そしてアランはこう続けました。
似てると思わんか、あの時と。
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14年前、竜之介が亡くなった時と……!!
南雲は葬式の最中にもかかわらず潮の棺桶を開き、死化粧に隠された吉川線を確認。
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その傷に築いていたはず菱形をにらみつけ、その場を立ち去ろうとするのですが……突然南雲は立ち止まり、後ろを振り向きました。
そこにいたのは……かつての親友、磯兼朝子。
彼女もまた南雲に気が付きまして、南雲ことひづるとの再会を喜びつつも、潮ちゃんはうちの娘を助けて亡くなったんだ、と泣き始めました。
ですがそんな朝子の顔を見ながら、南雲はこんなことを考えていました。
何を泣いているのだ、こいつ。
三文芝居に反吐が出る、影が……!
朝子の影は、南雲の足を避けるようにいびつな形を形作っていました。
おそらく朝子はすでに殺されている。
娘を助けて亡くなった?潮ちゃんは娘の命の恩人?
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許せん……!!
朝子の姿で、アランや潮をどれだけ侮辱するつもりか!!
南雲は激しい怒りを胸に滾らせます。
そして、同時に強い強い決意を燃やしました。
影たちを根絶やしにする決意を……!!



と言うわけで、もう一人の主人公と言っていい南雲の物語が本格始動する今巻。
影に関しての知識を持っている南雲は、協力者とともに影を倒すため行動するのですが、自分が影を始末しようと動いていることを知られてしまえ逆に襲われてしまうことも考えられます。
密かにそして大胆に影を倒さなければならないわけです……!
そんな南雲の、「竜之介の死」をはじめとした気になる素性や真実なども明かされていきまして、一層物語に引き込まれていくこと必至!
南雲の今後の行動は必見ですよ!!

南雲がこうして影との戦いを始めようとしていく中、もちろん慎平も動いていきます。
タイムリミットは夏祭りの日。
慎平は影に怪しまれないよう今までの行動をなぞりつつ、今度こそ惨劇を起こさないように違った行動をしなければならず……!!
そんな中でまたカギを握りそうなのが、潮の影。
前回のループでは敵意を見せなかった潮の影ですが、今回のループでも姿を現すのは間違いないはず。
一体彼女は何者で、物語にどんな効果を生むのか?
そして、目的を同じとする南雲と協力関係になることができるのでしょうか……?
慎平のパートも見逃せません!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!