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今回紹介いたしますのはこちら。

「マグネット島通信」第2巻 伊藤正臣先生 

新潮社さんのバンチコミックスより刊行です。


さて、のどかな磁辺島に引っ越してきた本山田でしたが、そこで「マグネット」と呼ばれるものをはじめとした不思議なものに出くわします。
それぞれの持つ力は小さいながら、何の動力もなしに開店を続けるなど不思議な力を持つマグネット、島のそこかしこに刻まれたどこの言葉かもわからない文字。
そんな謎に触れて行く中、今度は何やら空から奇妙な物体が降ってきて……!?



突如空から降ってきたもの。
その際に轟いた音を聞きつけ、大勢の島民たちが集まってきてしまいました。
大騒ぎになる島民ですが、消防団が来るまで誰も近づくな、と指揮を執る人物もいまして、とりあえずパニックのようなことにはならなそうです……が。
その時、その指揮を執っていた人物のポケットから、急にキーホルダーの付けられた鍵が飛び出していくではありませんか!!
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そして宙に浮いたところで、そのキーホルダーから鍵が外れて地面に落ちてバウンド、そのまま落ちてきた謎の物体の中に入り込んでしまったのです。
その飛び込んでいったキーホルダー……本山田と初姫だけはそれが「マグネット」である事に気が付きます。
もしかするとあの物体、マグネットと何らかの関係があるとでもいうのでしょうか。
もう少し近づいてよく調べたいところですが、この状況ではなかなかそれもできません。
そうこうしておりますと、島のリーダー的な存在である初姫の父親が到着。
いざその落下物に対峙しては見たものの……当然それが何であるかなど検討が付くはずもないのです。
そんな時、最近島に越してきた立花さんが、人工物に見えるから隕石の類ではないだろう、航空機か人工衛星の一部ではないか?と一般常識に照らした冷静な判断を下しました。
それならばとりあえず通報するのが最善でしょう。
ですがその前に、と先ほどの男が、あの中に俺のキーホルダーが入ってしまったんだ、と騒ぎだすのです。
そこで初姫の父親、なんとその物体を雑に蹴っ飛ばすではありませんか!!
彼からすればこの物体、誰かが用意した何かのいたずらなんじゃないか、程度にしか見えていない様子。
皆がびっくりする中、蹴り飛ばされた物体からあのマグネットが飛び出してきます。
すると初姫の父親も、そのキーホルダーにしていた物体がこの島のそこかしこに落ちている部品だと言う事に気が付きました。
そこで島の人々は、ようやくこの部品が不思議なものである事を共通認識にし始めます。
そしてその中で、先ほどの部品を見た時に初姫が「マグネット」と口走っていたことに気付いていたものもおりまして。
何か知っているのか、とその人物が初姫を問い詰め始めた為、そこで本山田はすべてを明かすことにしたのでした。

部品がそれぞれ持っている不思議な力。
それを検めてみた一同は驚くばかりなのですが、そんなことをしていても事態がどうにかなるはずもありません。
立花は何か危険のあるぶったいかもしれないから、とにかく通報すべきだと声を荒げるのですが……
島民の全員がその意見に賛同してはくれないのです。
それと言うのも……皆が楽しみにしている、夏祭りの開催に響いてしまうかもしれないから!!
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夏祭りまでは残り9日間。
警察が介入するような大事になれば、夏祭りが中止になってしまうことだって考えられるでしょう。
この島の収入源でもある夏祭りが中止になれば、生活に直結してしまうものも当然いるわけで。
上手いこと言ってあの物体だけ片づけてもらえないか、でも話すからにはすべて離さないわけにもいかないんじゃないか。
喧々囂々の状態が続いていきますと、党としびれを切らした初姫の父親が激しくその物体を蹴飛ばしてしまいました。
するとその物体がわずかにバランスを崩してぐらつき……何か、目には見えないものを発したのです。
発された何かに呼応するかのように、本山田の持っていたマグネットが突然意思を持ったかのように飛び出していき……まっすぐ、あの物体へ飛び込んでいきました!!
物体の表面に触れたその直後、
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物体の外装のような部分がすべて崩れ落ちてしまったのです!!
中に入っていたのは、骨組みと、歯車のような何か……?
驚く一同ですが、本山田はそれよりも剥がれ落ちた外装の裏側に目が行くのです。
そこには何かの……いや、島の神様の台座に刻まれている文字と同じものが記されていて……!!
マグネットが反応する空から落ちてきた物体。
それに刻みこまれた謎の文字。
本山田は直感します。
……これはまさか、ひとつの何かにつながっているものなのではないか……!?




というわけで、いよいよ島の謎の究明に近づいていく本作。
ですが目の前にはまず、この物体をどうするか、夏祭りをどうするか、と言う島民にとっての問題が立ちはだかることになります。
安全を守るか、生活を守るか。
その二択はあまりにも難しいところですが……そこである一つの折衷案のようなものが出ることになり……
とにかくその問題を乗り越えれば、いよいよ謎解きです。
ですが、そこでさらに予想外の大問題が起こり始め……?!
日常の中で静かに謎が謎を呼ぶ展開から、いよいよ謎解きパートに入るかと思われた本作に起きる事件。
その事件に直面した本山田たちはどうするのでしょうか?
そんな事件のあと、物語はさらにさらに大きすぎる大事件が巻き起こってしまい……!!
ゆったりと進む日常ものでありながら、時として爆弾を投下するかのようなとんでもない事件が起きてしまう。
そんな二面性を両立させた本作、今巻の収録内容も非常に面白いのですが、この後の展開も期待せずにはいられませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!